【01-09】異世界通販サイト:ISEZON(その2)
この異世界通販サイト:ISEZONで使えるポイントのたんまりとみんなに上げたところで、早速・・・・・というか、もう新しいおもちゃに夢中になっているね、・・・・・みんな。
「・・・・それにしても、いろいろと売っているね、このサイト。アリサちゃんは・・・・オッ知っているからどうでもいいとして、レイナさん、なんかほしいものあった?」
「ん~~~~~、商品別のカテゴリーも灰汁さんあるからね。とりあえず今は、上から順番に眺めている感じかな?そして、よさげな商品は、とりあえず買い物かごに突っ込んでいるよ。ヒナタちゃんもそうでしょ?」
「あたしも、そんな感じ。すべての商品を眺めるだけでも1日以上はかかるね。そうしていくのもいいけど、今は必要なモノを重点的に見ていくのがいいと思うよ。それ以外は、暇な時にでも、ちょうどいい暇つぶしとして取っておいた方がいい感じかな?この商品の量的に見ても。」
そうなのだ。この異世界通販サイト:ISEZONには、多種多様な商品が揃えられている。
その1つ『書籍』というカテゴリーの中には、『地球で売られている物』と『エンド=レキナスで売られている物』の2つに分かれている。さらにその下には、和書・洋書・コミック・雑誌・単行本・・・・・・といった感じに、いくつかのカテゴリーに別けられ、その下に実際の商品が並んでいるのだ。
・・・・・まあ見た感じ、地球発売分はそれこそカテゴリーも他種多様で、商品も無数に存在している。私たちが(地球時間において)この世界に来たころを境に、すでに発刊されているモノも含め、まだ発売されていない書物も購入可能(予約という扱いになるが)になっている。なので、この世界に来る際に、もう読む事ができないな~~と諦めていたモノも、この世界で読む事ができるという事だ。
それに対し、エンド=レキナス発売分のほうは、カテゴリーも少なく、原書・禁書・歴史書・魔導書(魔術書)・各種学術書・各言語辞書・絵本(児童書)・小説・地図・新聞・その他の11個しかなく、その中に並んでいる商品も、地球に比べて圧倒的に少ない。そして、説明文には『原書のカテゴリー以外の書物は、すべて複製品となります』と書かれている事から、もともと発刊される書物自体も少ないのだろう。
このカテゴリーについては、後でじっくりと見ようと思う。それこそ、ヒナタちゃんが言っていたように、暇つぶし目的でね。
書籍の方が取っても充実しているが、このサイトでも取り扱っていないモノがある。それは、ドラマやアニメなどの映像作品と、CDなどの音楽関連。そして、パソコン関連とゲーム関連、そしてダウンロードする各種データ関連だ。なお、音楽関連については、楽器や楽譜は普通に売られているが、電子楽器は売られていなかった。
生活家電については、TVやビデオなどの映像機器以外は、魔導具という形で普通に売られている。
文具や学用品、事務用品等は、この世界において標準的なモノは売られているが、まだ発明されていないモノに関しては売られていない。家具や生活雑貨、住宅設備などは、当然売られている・・・・・、というか、この家を新築する際に普通に購入済みだ。
食料品関連は、地球で売られている物、この世界で売られている物含め、すべての物がここで手に入る。しかし、おカネがかかるので私に関しては料理魔法で取り出した方が経済的だろうとは思うが、すぐに食べたい場合はここで購入するのもありだとは思う。
だって、各種肉(この世界特有の魔物肉含む)の串焼きとか、地方特産の料理とか、屋台料理が無数に並んでいるからね。
特に、ビール・発泡酒・ワイン・日本酒などの種類は、とってもいい値段で転売できそうだ。
その他にもいろいろと売られていたが、乗り物カテゴリーの中には、魔導具として自動車が売られていたり、馬車も売られていたりする。もちろん馬もね。
そして何故か、何処かの土地までもが売られており・・・・・。
『ライブラー=クラエレンス王国・王都クリス=アカディア=メルセンス内の商業地区1等地150㎡(大通り沿いの角地で15m×10m・築15年の店舗兼住居3階建て)が150万ポイント。大陸内では、魔王領から一番遠い場所にあるため、当面は安全圏です。』
とかいうものがあれば、同じ町でもその数軒隣にある大通りに面している間口は5.7mと狭いのに、10mほどいった奥には50m四方の土地になっている、この区画の中では一番でかい土地が破格の100万ポイントだったりした。もちろん庭付き一戸建てで住居兼店舗といった間取りの3階建てである。
100万ポイントか~~~~。
ちなみに言っておくが、1ポイント当たり銅貨1枚の価値があったりする。食料品コーナーを覗いたら、黒パン10個で1ポイントだったので。もちろんみんなには、この換算率は伝達済みである。
まあ、それよりもだ。
何処にあるのか、さっぱりわからない国だけど・・・・・。今現在、私達がいるこの森がある場所すら不明なんだけどね。
ところで、現在の手持ちのポイントは・・・・・、足りないね。
ちなみに、現在の手持ちのポイントは、こうなっている。
アリサ・・・50万ポイント
ヒナタ・・・35万ポイント
ユウト・・・30万ポイント
ナツキ・・・20万ポイント
レイナ・・・20万ポイント
ポイントの数が違うのは、この世界に来てから今までに、この世界で創り出したり採取したりしたものをポイントに変換した差である。地球から持ち込んだもの(1円玉と10円玉は含まない)をポイント変換したら、総額?で20万ポイントあったのだ。
あのカマクラは、なんと25万ポイントで換金できており、それぞれ作っていたヒナタちゃんとユウト君に割り振られている。そして、この家を新築する際に出たあの大木の廃材は、なんと30万ポイントで換金できたのだ。
3人のポイントが多いのは、このためである。
まあ、いいか。今回は見送っておこう。この国に永住するならともかく、まだまだ世界を回っていないし、そもそも放浪の旅路にスタートすらしていないしね。放浪しているうちに、永住したい場所があったら、その時考えればいいか。
書籍のカテゴリーに地図は売っているが、地図って案外高いんだよね。子供の落書き程度の地図が、1万ポイントもするんだもん。しっかりとした地図で、それも世界地図になると、なんと驚愕の100万ポイントだ。それならば、ただで正確な地図が手に入る、スマホのマップを埋めていった方が、余程経済的である。
そのための放浪の旅だしね。地図を手に入れると、放浪の旅のだいご味がね~~~~。
閑話休題。
そしてこれが、今回の目玉だろう・・・・。と思うのが、各種服飾関連とバッグ ・腕時計などの装飾品関連と、武器や防具といった戦闘関連の商品だ。
「今回は、ヒナタちゃんやレイナさんの意見に従って、おもちゃは後で暇ができたら見てね。私もちょうどいいオモチャを発見したけど、おカネがなくって断念しちゃった。」
「ちなみにアリサちゃんが見つけた、『おカネがなくって断念しちゃった』っていうオモチャって、・・・・なに?」
「ん?私が見つけたオモチャは、不動産のカテゴリーにあった、ライブラー=クラエレンス王国・王都クリス=アカディア=メルセンス内の商業地区1等地150㎡(大通り沿いの角地で15m×10m・築15年の店舗兼住居3階建て)が150万ポイント。大陸内では、魔王領から一番遠い場所にあるため、当面は安全圏です。』
っていうヤツと、
同じ町の数軒隣にある物件の『大通りに面し、間口5.7m、12m奥に入ると50m四方の土地(庭付き一戸建ての築20年住居兼店舗3階建て)が100万ポイント』
渡欧土地・たってもの付きの家かな。
この『ライブラー=クラエレンス王国・王都クリス=アカディア=メルセンス』っていう町が、いったい何処にあるのか解らないし、そもそもここが何処なのか解らないからね。
まあ、別に購入しても構わないとは思うけどね。おカネがないし、何処にあるのか解らない物件は、今回は見送ったんだ。
それよりも、今から皆にやってもらいたい事はね。
普段着用の服装と部屋着用の服装、あとは下着各種と生理用品を購入してもらいたいんだよ。戦闘用としてセーラー服と半袖体操服・ブルマについては、このままの方が性能いいしね。ここで売られていた防具をちょっと覗いてみても、これほどの性能があるものはなかったから、たぶんこのセットが最強装備になるんじゃないかな。
だから、戦闘用の服装は選ばなくても大丈夫だけど、普段着用と部屋着用、あと下着類は購入しておかないと、着た切り雀になってしまうよ。」
私の説明に、皆が真剣な目つきになって、服飾関連のカテゴリーを開いて選び出す。もちろん言い出しっぺの私も、改めてこのカテゴリーを開いて、皆とともにワイワイと騒ぎながら選んでいく。
あっ。
そういえば、言い忘れていた事があったんだよね。
「さっき言い忘れていたけど・・・・・。」
「ん?なに?アリサちゃん?」
私が発した言葉に、真っ先にヒナタちゃんが気付く。結構小さな声だったけど、しっかりと聞き届けれるなんて・・・・・。昔からそうだけど、その地獄耳の性能、なんか向上していませんか?
「みんなも聞いてほしいんだけど、部屋着と下着に関しては『地球で売られている物』から選んでくれてもいいけど、街着にする予定の普段着の方は、『エンド=レキナスで売られている物』から選んでね。」
「なぜ、そう考えたのかしら?」
私の指定した単語に、レイナさんが少し考えているような口ぶりで聞いてくる。
「この世界から見れば異世界に当たる、セーラー服と半袖体操服・ブルマを戦闘着として採用しておいてなんだけど、無用な注目はなるべく受けたくないのよ。この家の中だけなら好きな格好をしても問題はないけど、街歩きの服装はやっぱりそこに溶け込んでいた方が、変な注目はされないと思うんだよね。そういった意味では、適当な戦闘用の装備も見繕っておいた方がいいかもだけど・・・・。」
私の素直な考えに、皆が同意してくれた。やっぱり無用な注目は、極力避けておいた方がいいとの判断である。
「それにしてもさ。」
「なに?ユウト君?」
「わらわたちには、関係のない話なんだけどね。何処の世界も、女物はやけに充実しているけど、男物は女物に比べて半分もないんだなあと。この異世界通販サイト:ISEZONに至っては、男物のカテゴリーは存在しているけど、商品に至っては何1つ並んでいないんだよね。」
ユウト君の指摘に、皆が一斉に男物のカテゴリーを開く。確かに、下着1枚陳列されていないのは、ちょっとばかりかかなりおかしな話だが・・・・。
「・・・・まあ、なんだ。本当に今更だけど、私たち5人に関しては、本当に関係のない事柄だよね・・・・・、これ。どうせ、ユウト君もナツキ君も、上から下まで女の子物でコーディネートするんでしょ?」
「そんなこと、聞くまでもない事だよね。ボクたちのような『女の子物は大好物!』っていう男の娘出ない限りは、この世界の服屋さんで服は購入すれば問題ない事だからね。別にこのサイトに男物が並んでいなくても、これといった問題点は見当たらないよね。」
「そうだよね。スマホにこの通販サイトは入っている事実を知っているのがさ、私達だけなのか、それとも元学園都市関係者も知っているのかは知らないけど。仮に知っていたとして、その人物が男性だった場合、・・・・・泣くだろうね。」
「確かに、そういった状況化だったら泣くだろうね。そしてこういうだろうね『女の子だけなんて、差別だ!』ってね。実際は、ユウト君みたいに男の娘になってしまえば何も問題なくこのサイトでお買い物できるのにね。」
そんな話になって、この事実は黙殺されるのであった。そんなこんなで、再びワイワイしながら服を選んでいく私たち。
なお、後から知った事だが、スマホ自体が魔導具と化し、いろいろと便利な機能がインスールされているのが、私達の持っていたこのスマホ5台だけだった事を。まあ、この5台に入っているアプリ自体は、別のスマホにも赤外線通信でコピーできるんだけど、その事も今の私たちは知らない事だったのだ。
まあ、それはいいとして。
いろいろとワイワイやりながら選んでいった結果、部屋着として選んだのは、全員が一番ラフでゆったりまったりできるワンピース類に落ち着く。そして外着には、この世界で標準的な、ちょうど私たちの年代の平民の女の子が着用する服装を数着ずつ購入。適当な戦闘用の装備については、ゲーム内で鍛えたスキルに合わせた戦闘ポディションにおいて、この世界の標準的な装備を購入してある。もちろん、下着類各種は、それぞれの趣味と各部位の大きさに合わせたものを選んで購入している。
でもね、・・・・・何も言わないけど、ユウト君とナツキ君は、ブラジャーはいらないよね?今のところ。この先、TSしちゃったらいるだろうけどさ。
そうそう、ユウト君とナツキ君に関しては、とあるスキルの影響で数カ月先には勝手にTSする事がすでに決まっているんだよね。その時でいいと思うんだ。ブラジャーの購入は・・・・・。
まあ、本人の自由だから、今からブラを付けてもつけなくても、どっちでもいいんだけどね。
でもさあ。
いったい、誰が決めたんだろう?
女子用の格闘タイプの戦闘装備が、チャイナ服(みたいな服装)なのは。
確かに、似合っているけどね。
そういったポディションの女の子がさ、チャイナ服を着て戦うのはさあ。