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それからというものバレー部はレギュラー中心―否、レギュラーだけ練習することになった。
ほかの部員はサポートにまわりユニホームを持ってる部員だけが練習した。
特にスタメンの7人は、ほとんど休憩をとることなく練習した。
中でも僕は練習のほとんどをアタックに費やした。
練習の半分をスパイク、三割をサーブ、残りをレシーブやトスといった感じの練習メニューこなした。
ここでちょっとした雑談だがあれからというものマネージャーの二人が妙に顔を赤らめて話しているのをよく見かける。
教室といい体育館といい、何を話しているのか妙に気になるところである。
明日、教室でまた同じような話をしていたら聞いてみよう。
そして今日という一日がまた過ぎていく。
次の日。―ちなみに明日は中連当日である。
教室でまた例のごとく真希菜と愛可の二人が顔を赤らめながら話していたので僕は二人のところへ向かう。
「なぁ2人とも。最近、何を話しているんだ?」
「え!?・・・別に何も話してないよ。」
慌てながら返す愛可。
「嘘つけ。」
そう言うと、かなり慌てながら
「う…ううう嘘なんてついてないよ!」
・・・こいつ嘘つくの下手だな。
「本当か?本当に本当に本当か?」
「本当に本当に本当に本当に本当だよ!」
一回多いよ。
「本当ですよ。強いて言うなら一回戦、絶対に勝つよねっていうことを話していました。」
そこで見かねたのか冷静にフォローする真希菜。
さすが委員長。上手いな。
「それで二人とも顔が赤くなるのか?」
「はい。それはなりますよ。だって勝った時の興奮が今から込み上げてくるんですから。」
ん?キャラ的にその発言は微妙じゃないか?真希菜も結構、弱点があるんだな。
「そっか。まあ任せとけ。」
だが僕は紳士なのでこれ以上は突っ込まず納得した。
すると二人が息を合わせて
「任せたよ主将。」
とても元気のある声だった。
マジ萌える。
萌え萌え~である。
僕の人格的な面でもあまり思わない方がいい事である。
口に出すなんてもっての外だ。
それから授業が終わり放課後になったので部活をするために体育館へと向かう。
ここで自慢じゃないけど両サイドにはマネージャーがいる。
まさに両手に花である。
「さて、中連前の最後の練習だから今までよりも多めにやらないとな。」
そう僕が呟くと両サイドから
「最後なんだから軽めにしないといけません。」
注意された。
・・・・・・。
「そうだよな。体を壊してもなんだし。」
でも・・・。
これから先は言わない方がいいだろう。
もうすでに右肩に痛みがあるということは。