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CROWN²   作者:
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1/3

絶対王者

「さぁ、いよいよ最後の発表となります! 今年、最も活躍した男性アイドルユニットに贈られる『ルミナス賞』。栄冠を手にしたのは…………」


一瞬の静寂。


そして――


「CROWN²の二人です!!!!」


会場が割れんばかりの歓声に包まれる。


名前を呼ばれ、CROWN²の二人が席を立った。


完璧な笑顔を浮かべ、客席に向かって手を振る皇。


その隣に立つのは――旺司。


かつて眼鏡をかけ、長い髪を一つに結び、カメラを手にしていた青年と同一人物とは思えない。


今の彼は、まさに王子様そのものだった。


「もはや説明不要でしょう! デビュー以来、数々の記録を塗り替え続ける絶対王者――CROWN²!」


「きゃあああああああ!!」


会場中から悲鳴にも似た歓声が上がる。


皇はその声に応えるように、余裕のある笑みを浮かべながら手を振った。


その隣で旺司は客席を見渡し、ふっと微笑む。


そして――投げキッス。


「きゃああああああああああ!!」


さらに大きな歓声が会場を揺らした。


そんな二人は、誰が見ても完璧なトップアイドルだった。


ところが――


CMに入った瞬間。


「旺司」


「ん?」


「お前、今日このあと何する?」


「帰る」


「知ってる。そのあと」


「推しの深夜ラジオ聞く」


「お前、ほんっと変わらねぇな」


皇は呆れたように笑いながら、隣に座る相棒を見る。


華やかな衣装。


完璧に整えられた髪。


少し微笑むだけで、客席から悲鳴が上がる顔。


今では誰もが知るトップアイドル。


――なのに。


旺司は衣装のポケットに手を入れると、何かを取り出そうとした。


その動きを見た皇は、すぐさま手首を掴む。


「待て」


「何?」


「今、眼鏡出そうとしただろ」


「CM中だからいいだろ」


「よくねぇよ。まだカメラ回ってる」


「見えにくい」


「コンタクト入ってんだろ!」


「目が疲れた」


「あとちょっと我慢しろ!」


旺司は不満そうに皇を見る。


皇はそんな相棒を見ながら、小さく笑った。


本当に、変わらない。


何年経っても。


どれだけ有名になっても。


こいつは、あの頃のままだ。


――こいつに会えたことが、俺の芸能界人生で一番大きかったのかもしれない。


もし、あの日。


俺があの場所に行かなかったら。


もし、こいつがカメラを持っていなかったら。


俺たちはきっと、ここにはいなかった。


皇はステージの向こうに広がる、眩しい光を見つめる。


あの日の俺は、まだ知らなかった。


眼鏡をかけ、長い髪を一つに結び、


俺ではなく、別の誰かを夢中で追いかけていたあいつが――


いつか俺の隣で、


同じ光を浴びることになるなんて。

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