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長い時間が経っても、クロウは毎日のように変わらず鍛錬を続けていた。
その姿勢は決して揺るがず、日々の修練は彼を少しずつ有名にしていった。
さらに彼は、自らの力を高めるために思い切った行動を取った。
――高額な報酬を払って、「炎」の達人を師として雇ったのだ。
その金額は決して安くはなかった。
だが、クロウにとっては大した問題ではなかった。
なぜなら、ハンター組織から数えきれないほどの任務をこなし、すでに莫大な報酬を手にしていたからだ。
やがて奇跡が訪れる。
修練を重ねるうちに、クロウの炎は次第に色を変え―― 深海のように輝く蒼炎 へと変貌した。
それを目の当たりにした炎の達人は、目を疑った。
彼自身が「蒼炎」に至るまでに二年もの歳月を費やしたのに、クロウはわずか一か月で到達してしまったのだ。
「信じられん……この少年の身体は、炎と調和するために生まれたのか……!」
達人がそう呟くほど、クロウの適性は異常だった。
クロウ自身も心の中でこう思わずにはいられなかった。
「やっぱり……俺は“炎”に関しては誰よりも秀でているのかもしれない……」
その後も数多の任務をこなし、クロウのハンターとしてのランクは急速に上がっていった。
だが、一方で彼の心には影が落ちていた。
――前回の「エラー・ダンジョン」で、仲間二人を失ったのだ。
その喪失をきっかけに、クロウはもうチームに所属することをやめた。
基本的には一人で任務を遂行し、もし人数が必要な場合はその日だけ傭兵を雇う。
そして任務が終われば、再び孤独な道を歩む。
理由は単純だった。
クロウはすべてを自分の力で成し遂げたいと望んでいた。
そのほうが速く強くなれると信じていたからだ。
さらに、任務で手に入る鉱石や魔物のドロップアイテムは莫大な価値を持つ。
分け前を仲間に渡すくらいなら、全部自分のものにした方がいい――そう考えるのも当然だった。
そして、今日。
クロウはついに―― 「若き才能の大会」第4ラウンド へと足を踏み入れた。
彼の胸に宿る想いはただ一つ。
「絶対に勝つ」




