3話 俺と私と出来損ない
俺は5歳になった。今では全ての魔法を中級まで使える。これはすごいことで、まず魔法には適正というものがある。
魔法の属性は7属性あって、火水風土光闇無である。
適正とはこの7属性をどれだけ使えるかである。ランクはS・A・B・C・Dである。まとめるとこんな感じ。
S 上級以上は確実に使える。
A 上級までは絶対使えるがそれより上は努力量しだい。
B 中級までなら使えるがそれ以上は絶望的。
C 初級が限度。それ以上は無理。
D その属性の魔法は使えない。
である。
その適性がオールSだった上に2歳の頃から魔法を勉強していたこともあり、体内の魔力保有量が他の5歳児と比べて圧倒的に多い。
そんな俺を両親は褒めてくれたし、誇りだと言ってくれた。
そう言われたことで俺はあの記憶が蘇ってしまった。
「出来損ない!」
「天才の〇〇より目立とうと思うな!」
「お前に生きている資格なんてない」
「恥さらしめ!」
あの記憶が蘇ってしまった。俺が都合よく忘れようとしていたあの過去を。俺が死んでしまった原因を。
それからだろうか、俺は無我夢中で勉強をした。両親から必要とされるために。
また同じことを繰り返さないために。両親に恥をかかせないために。
そんな勉強ばかりの生活のせいだろうか、俺はある日高熱を出して倒れてしまった。
目を覚ましたとき、最初に目に写ったのが心配そうな表情で覗き込んでいる両親の顔だった。
あぁ、その顔は私がこれ以上勉強ができないことに対する心配なのだろうか。
「エル!目を覚ましたのね!」
「無事でよかった」
それは俺が無事だったことに対する安心?それとも……。
「勉強……しなきゃ……」
そう言ってベッドから降りようとするが、熱で頭が朦朧としているせいかその場に倒れてしまう。
「エル!!」
母親によってベッドへとまた戻される。
「どうしてそんなに頑張るの?」
決まっている、他の人より何倍も努力しなければまた捨てられてしまうからだ。
「あなたが元気でいることが私達にとって一番大切なことなの」
嘘だ。そんなわけない前世とは違う世界。公爵家で女性、それも出来損ないの俺なんて意味ない。
「だからそんなに無茶しないで」
そう言われた時、何かが弾けた。
「無理!無茶しなきゃ出来損ないの私なんていつまで経っても役に立たない!役に立たない人は捨てられる!もうやだ……捨てられたくなんてない……誰か私を助けて……」
心の中の全てを吐き出した俺はそのまま号泣し続けていた。
「エル……私達は一回もあなたを出来損ないなんて思ったことないわよ」
「嘘」
「本当よ、それにエルは頑張ってるじゃない」
「足りない……」
「捨てることなんてしないわ」
「嘘……役立たずは……いらない」
「エル!私の目を見て!」
母の言葉に俺は反射的に目を合わせてしまう。
「これが嘘をついてるように見える?」
その目はまっすぐに私を貫いて……。
「ううん……みえない……」
嘘をついていないと物語っていた。
「もう楽にしていいんだよ」
あぁ……そうか…これが……
「あなたは一人じゃないんだから」
愛情というものなんだ。
上手く表現できない(´・ω・`)




