招待状
天使たちの壮絶な戦いの中、新たな力に目覚めた緑であったが、その副作用とも言うべき効果で、その後数日間は体を動かすことさえままならなかった。
アジトに戻ったのは、エリオットと緑、そして白である。
マチルダと紫野は、自分たちの隠れ家へと帰っていった。
「緑君、大丈夫?」
「うん、まだ体のあちこちが痛いんだけど、何とか大丈夫そうだよ。」
緑の看病をしていたのは、凛香だった。
彼女はずっと心配していた父親、白との再会を喜んでいる暇もなく緑の手当てなどに奔走していた。
「まったく、凛香の緑君への愛は変わってないな。何だか以前の世界に戻ったみたいだ。」
「ち、ちょっとお父さん、何言ってるのよ。」
凛香の顔は赤面して、まるで真っ赤な薔薇のようだった。
そこへ、神妙な面持ちのエリオットがやって来た。
彼も天使との戦いで相当な傷を負ったが、さすがに黄金世代である。
自らの特殊な力で、その傷は既に完治している様子だった。
「やあ、緑君具合はどうだい?」
「エリオットさん。もう大丈夫です。それよりは何かあったんですか?」
緑もエリオットの表情から何かを察した。
「ああ。そうなんだ、何かあったんだ。それを話す前に君に一つ聞いておきたいことがあってね。」
「はい、何ですか?」
「君の、あの力。あれは、その何ていうか、もう一度出せるのだろうか、と思って。」
緑が天使との戦いで見せた、全身を鎧に包まれた力のことだ。
緑は少し考えてから、口を開いた。
「……おそらく出来ると思います。」
感覚的なことであった。
だが、緑にはその自身が確かにあった。
「そうか。それを聞いて安心した。ただ、あの力を使うにはもう少し体力を回復させないとならないね。」
エリオットは自分の手の平を緑の頭に乗せた。
その瞬間、緑の全身は温かい空気に包まれていく感覚を覚えた。
そして体のあらゆる痛みが吹き飛んでいくのを感じた。
「――おっと。」
「エリオットさん、大丈夫ですか。」
「ハハハ、大丈夫。ちょっと目眩がしただけだよ。」
そんなエリオットを見て、もしかしたら彼の特殊な力も無限ではなく有限なのかもしれないと、緑はそう思った。
「――さて。それじゃあ本題に移ろうか。」
エリオットは一つ咳払いをしてから、話し始めた。
「私と緑君宛に招待状が届いたんだ。」
緑や凛香、そして白もきょとんとした表情を隠せなかった。
「あの、いったい何の招待状で、誰からなんです?」
「それがね……神からなんだよ。」
「えーっ!!」




