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闇に蠢く者たち

緑が主に行動をするのは昼間だ。

レミからの情報によると、夜になると何やら怪しい輩が活発な動きを見せているらしい。


彼らの正体は謎であるが、被害を受けているのは異変者たちだということにエリオットは着目した。


「異変者を見境無しに襲っているということは、もしかしたら私たちの敵ではないのかもしれない。もし、そうであるならば一刻も早く彼らと話をしなければならないな。異変者は正常に戻せることを話せば、我々の大きな助けになるかもしれない。」


エリオットからの指示で緑とバーン、そしてレミの三人は夜になるのを待ってから外に出た。

月明かりを頼りに三人は小一時間ほどを歩いた。


「それで、そいつらはどこに出没するんだ?」


「まあ、一言で言えば神出鬼没。あちこちに突然現れては異変者たちを殺し回っているらしい。」


「なんだよ、それ。じゃあ俺たちは宛もなくそいつらを探し回らなければならないってことか。冗談じゃないぜ、緑もこの馬鹿な妹に何か言ってやれ。」


バーンは呆れたように緑に同意を求めた。


「仕方ないですよ、バーンさん。とりあえず探してみましょう。」


「そうそう、緑が正解だよ兄さん。それに、宛がないとも言ってないしね。」


レミは、からかうようにバーンを眺めながら言った。


「なんだよ、だったら最初から言えってーの。まったく性悪だな。」


「うるせえ、くそ兄貴。それよりも二人に言っておくことがある。」


レミは一つ咳払いをして、改めて口を開いた。


「えーっ、我々がいるこの場所こそ、その『宛』だ。」


そこはこの前まで人々で賑わいを見せていた商店街だった。

今となっては寂れた廃屋が立ち並ぶ、死のロードと化している。

僅かに一月足らずで、こうも景観が変化してしまうのかと思うと恐ろしさを感じざるをえなかった。


ふと商店街の奥の方で動く人影のようなものを見つけたのは、緑だった。


「レミさん、あそこ。」


三人は近くの建物の陰に身を潜め、様子を伺った。

すると、その人影がこちらに向かって歩いて来るではないか。

緑たちは息を殺して注意深く、その影から目を離さない。


近くまでその人影が迫った時、三人はあることに気がついた。

どうやら、その謎の人影は複数人いるようだ。


「……どうする?」


バーンは声を最大限まで抑えて訊ねた。


「――ここで、こうしていてもどうしようもない。行こう。ただ警戒だけは怠らないようにね。」


レミの言葉に緑とバーンは深く頷いたのであった。



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