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相手の思うままに処刑された悪役令嬢は、やり直して悪役令息を想う

悪役令嬢と言われ続けて、当然のことながらコソコソ陰口を言われていた。

そう言われる前に出会ったのが、公爵令息アルジュ・キャル・シアールシー。
席に座りながら笑い合い、話す二人は、誰が見てもお似合いだったのだ。
それでも、その翌日、アルジュ以外のクラスメイト全員が冷たい視線で登校したばかりのミリカールアを見てきたのだ。
令嬢が言うには、ミリカールアはラリアという令嬢を川に落としたというではないか。

(———っ………)

 アルジュを見ると、見て見ぬふりをしていた。

 そうやって舞踏会の壁の花になり振り返っていると、婚約者であるフェラス・キャル・シーカールに呼び出された。
 フェラスと、悪役令嬢と呼ばれることになった原因、ラリアの下に向かった。

「婚約を破棄する!」

 そして婚約破棄をされ、牢獄に入れられた。勿論、冤罪だ。

「はぁ………」

 そして彼女は、自ら毒を飲んだ。


 毒を飲むと、そこはベッドの上だった。
 頬をつねっても痛くて、夢とは思えなくなったのだ。
 だが、待っていたのは地獄のような朝食の時間。父、母、ミリカールアの家族三人で食べる朝食などの際の会話は、主にない。偶にあるのは父からの義務的な言葉。

『婚約者を探せ』

 ……それだけだ。
 家族らしい会話はしたことがない。母は微笑みながら朝食を食べているだけで、何も喋ってくれない。朝食を断食したくとも、貴族令嬢という身分が……使用人たちが許してくれない。
 そしてやり直し後の初めての朝食も、『婚約者を探せ』という言葉に相槌を打って終わりかと思ったが。

『えぇ、素晴らしい殿方は見つけて参りますわ。ただし、婚約者に決めるのはお父様のお仕事』

 父親に初めて、反抗した。
 やってしまったと自室で反省しながら、恋愛小説を読んでいると、母親である公爵夫人がノックもなしに入室していた。やり直し前、自分から数々の物たちを没収していた人だ。
 そして、

『感動ものね……没収♡』

 唯一の娯楽である、小説も没収された。

(あぁ、この家にいたくないなぁ)

 じゃあ、……家出すれば良いじゃないか。
 勢いで家出してしまったものの、行く場所がない。ミリカールアは真っ暗闇に明かりが灯る、夜の貴族住宅街を彷徨った。そして、とうとう諦めかけて、貴族住宅街を抜けた直ぐそこで横になっていると、馬車が通った。
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