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7/7

⑦ 捨てられ公爵夫人は、平穏な生活をお望みのようです(前) の感想

媒体:なろう

紙にもアニメにもなっていないようですがカクヨム投稿作とのことなので「一円以上のお金を稼いでいる人」の作品とみなします。




個人の評価としては――「パッと見美味しそうなポテトサラダだけどソラニン濃度がヤバい(低い)」です。


一応のあらすじ。

挙式直前の事故で前世日本人だった事を思い出した悪役令嬢設定のヒロインが、乙女ゲームの世界で未開の地を夫から貰って農地開拓という名のすみっコぐらしを始めたようです。


タイトルの後にあらすじを読んで「???」となりました。

本作品では、一話目からいきなり意味不明の展開が繰り広げられます。

タグを見ても「それ」らしい記載は無い。

脳内でナルトが言っています。どういう事だってばよ。


以前にも書きましたがここはヒロインの大好きな乙女ゲームの世界です。

ヒロインの反応、根暗過ぎるでしょう。

前世でもディズニーランドでハジけないタイプのジャパニーズガールだったんでしょうか(その描写は無い)。


ヒーロー(?)への態度がまた不可解極まりないです。

「キャラデザは神!」の反応は欠片も無く、初っ端からまっぴらごめんです。

何がまっぴらごめんなのか理解に苦しみます。


ヒロインにはヒーロー(?)への歩み寄りの姿勢が一切見られません。

目の前にいるの、大好きなキャラクターの一人でしょう。まずは前向きな会話を試みるのが当たり前です。頑張ったけど拒絶されてどうにもならなかった、という描写はどこにもありません。


意味不明な上に想像力の無いヒロインです。そしてとても冷たい。

悪役令嬢である自分にすら同情できる事情があったのです。きっとヒーロー(?)にもある筈だという考えに何故及ばないのでしょう(この時点で前世はJK以下の子供だろうと踏んでいました。――間違いだと後々判明しますけど)。


ただ本作品では一点、大いなる感動があります。

本作品を読まれている人々の、その優しさです。優しさに包まれています。ユーミンが沢山います。

皆さん気付いていながらネタバレからそっと目を背けていらっしゃる。日本の美徳ですね。


タグが無いのはネタバレを防ぐ意図と推測されます(なんか度々先読みされてるようですから)。しかし筆者は敢えてネタバレします。


本作品は「サイコホラー」。

パニック系かも。


ヒロインはサイコパスかソシオパスと思われます。

読み進めると無自覚と判明しますので解離性同一性障害の疑いまで出てきます。慈悲深い振舞いや思考が一々読む者をゾッとさせます。


未開の地に降り立ったヒロインは農夫らにトウモコロシ(ミスタイプにあらず)を栽培させます。飢餓への備えだそうです。

ゲームで起こる未来の出来事をヒロインは知っています。


知っていながら大勢を見殺しにします。


本作品では転生にタイムスリップの要素がミックスされています。

地球上にはタイムスリップを取り扱った映画やドラマが溢れていますが、時間旅行は人類の夢でありながら本来許されない行為です。

ギャグ漫画やコメディ作品はさておき、未来を変える行為が許される例があります。


人命救助です。

JIN-仁-などが代表的ですが医療モノに限らず、家族や友人や自分の命がかかっている場合も「これは仕方がない」と観る者を納得させます。


で、本作品のヒロインは自分の生命が絶対に安泰である事をゲーム内の誰よりも把握しています。断罪されても修道院に行くだけで死にません。絞首台どころか娼館も無いです。

死んでしまうのはこの先二年、食糧難に陥った国で暮らす貧民層です。


これを知りこれを死なせた事への負い目をヒロインは感じません。


そもそも必死ではないヒロイン、打てる手を何も打ちません。自分のスローライフの為に見える範囲の荒地を人に開墾させるのみです。

彼女は大変なお金持ちだそうです。爆買いの荒技が可能でした(後々自分の為の物品ならどっかの商人から大量購入します)。普通の人であれば「一時しのぎに過ぎない爆買いでも何もしないよりマシだ」と考え、足掻き、無力を嘆くところです。ヒロインはレジ横の募金箱に邪魔なコインを落とす事すらしないケチな日本人だったのでしょうか。

ヒーロー(?)に掛け合う事も出来ました。最初の段階でもどの段階でも何度でも交流を諦めず、ダメ元でも訴えてみる姿勢があってしかるべきでした。チャリティー皆無。国中で命が大量に失われると知った上で放置です。


世界が歪と言うヒロインが最も歪です。

ヒロインの思考をこうも読み解けます。「ゲーム世界の人間の事なんて知らない」

恋柱寄りの思考です(その描写は無い。だから無自覚)。


ところでヒーロー(?)がどこかのタイミングでヒロインに「君を愛することはない」の件を謝罪しますね。

何を謝ってるんでしょう。お互い様ですよ(読者目線ではヒロインの方が性質悪い)。一貫性の無い為政者とはがっかりです。この領地心配事多過ぎ。


そうそうヒーロー(?)らの戦闘シーンがちょっとモグラたたきのようでした。

武器といい環境といい敵に対して不利な戦場です。「魔法どうした」です。

ヒーロー(?)のお宅は資金難でしたか。

冒険者だか魔法使いだか錬金術師だか雇えませんでしたか。さしたる危機も無いヒロインの田舎村には世界一らしい錬金術師が滞在しているのに、肝心の戦場には不在って。札束ビンタで召喚出来なかったようです。

あとすみません。キシャアア! って魔物の鳴き声に吹きました。シリアスに急に顔出したギャグかと。作中唯一笑ったポイントです。


主要キャラが悉く不気味な作品です。


元侍女の現秘書は最初から友好的です。怖すぎます。何か含むところがあるに違いない――という彼女への疑念は「ある推測」によって綺麗に解消されます。


護衛騎士も不審の塊です。

いつの間にかヒロインに忠誠とか誓ってます。何がどうなってそうなった。男性陣に一貫性のある人はいないのでしょうか。歩み寄りのプロセスが迷子です。ページごと読み飛ばしたのかと勘違いしました。いえいえ分かっています。作者命令ですね。


侍女で秘書の話に戻ります。

最初から友好的な彼女。簡単です、ヒロインに好意を抱いているからです。

オチの一部まで読めました。

ヒロインと秘書が結ばれます。そして本人達が望む通り世界一周旅行に出ます。ラブラブハネムーンです。楽しみですね。


ところで、所々地の文にモノローグでもないのに私って出て来るの妙ですね。途中で文体変えた名残でしょう。途中で路線変更するのがお好きです。


本作品を筆者はひと月に一度くらいの頻度で纏め読みしていたのですが久々に読んだ際、前半とまるきり違う世界観になっていて戸惑いました。

世界が崩壊しています。

どっかの商人が文明文化を持ち寄る度に崩壊が加速しています。情報が可笑しい。

ナポリ全然関係ないナポリタン(引用にあらず)は無いのにフランクフルトはあるとか謎です。ヒロインを上げる為に商人のお国のパスタ文化を下げ過ぎです。

この辺りでくるみボタンだの隠しキャラだの急に出てきます。急に。

急に虫歯の心配とかもしてますから次に商人が持って来るのはリステリンです。


急に出てきたと言えばヒロインと秘書の服を想像して失笑しました。作者のセンスがモロです。しかもNGが。まさかの作者男子でしたか。

これと似た感覚がリアルでもありました。

普段は車通勤で服装テキトーの女友達が、急に結婚式に呼ばれて慌ててフォーマルを買いに走るというやつです。高い買い物なのに失敗する未来しかありませんでした(言ってくれれば付き合ったよ)。


そしていつの間にやら路線変更しているこのヒロインは、世界への影響を考えて現代知識のお披露目を抑えているようで抑えていません(当初とキャラ違ってます)けれども、ワイルドスピード大好物の筆者はサスペンションの開発を楽しみにしています。どんなシャーシ構造のコーチかな。


このように本作品では現在とんでもない世界観が展開しています。

最後は一体どうなるのでしょう。きっととんでもない事が起こりますよ。


予想される聖女とやらは、まず間違いなくヒロインを超える頭脳の持ち主です。

最新科学を知るJKの筈です。なにせここはスマホ無しに攻略できないゲームの世界です。ゲームを知り尽くした上で来るのなら転移じゃなくて転生でしょう。


本作品のとんでもない部分を書き切っていませんが長くなりますので(中)か(後)で書きたいと思います。

さすがに何百話の大長編になるようなら離脱します。

サイコホラーにはそんな長々と付き合えません。




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