「墜ちた心」 その2
私達が見たあの出来事、サナエちゃんが一斉検挙を行い東寮の人達九割の人達が捕まり全員シスターズ証明書を剥奪し精神病院へと運ばれた。
尚他のシスターズ達は何と知らなかったの一点張り、確かに区画がズレて知らなかった人が多い、だけど明らかに嘘を吐いている人達もいたが全員を咎める気は時間の無駄とサナエちゃんは吐き捨てた。
そんな大事件も起きたのに町中は一切変わらない、仕事多忙だし平民は変わらず色んな商売を頑張っている。
恐らくサナエちゃんの計らいなのかと実感していると私は疑問に思った。
そう言えば、結局犯人は誰だったんだろう?アスカちゃんだってあんな危険物を配合出来るなんて聞いたこと無いし、あの注射器から検出された成分は光星だけでは集まらない。
となると色んな星を行き来した人達が風の気まぐれで販売したとか?スラム街に行けば恐らく何かしらの情報があると思うがあそこは危険過ぎる。
確か学校にいた時に聞いた話しだとスラム街には“何かが封印されている”って言ってたっけ?
虚底に人間の遺体や血、憎しみや怒りと言った負を表すモノが溜まりに溜まって瘴気となり溢れ出ているという話しだったかな?
いずれにせよ私はスラム街に行けば死が待っていることだけは確かだ、今は起こった事件の一番の被害者・・・加害者の容態を聞こうと精神病院へと赴く。
「おや?ユカリじゃねぇか?」
すると私は珍しい人間に出会えた。
「あれ、ユーゴ君がこんな所にいるなんて珍しいね?」
端正な顔立ちで髪型が歪ながらも普通の人なら格好良いと思えるであろう私の親友が来ていた。
「まぁな、情報屋だから何か良い材料はねぇかと思って来てみたんだ」
来た理由は物凄く不謹慎だが職業柄に文句を言う気は無い、ユーゴ君のお陰で早期発見出来たんだ。
「そっか、私はお見舞かな」
私はそれを口に出すと明るい顔をしていたユーゴ君は少し俯いた。
「アスカ・・・だっけか」
「うん」
「あいつ、主犯格なんだろ?・・・最悪の場合」
「いいよ、言わなくて」
ユーゴ君の言葉は少し濁って私の気持ちを察してくれている。
アスカちゃんは多分処刑されるだろう。薬物を蔓延させ二百人以上の被害が出たんだからその先に待っているのは確実な死でしかなかった。
「ま、そこら辺はサナエに任せてあっから祈るだけだな」
ユーゴ君は踵を返して私に何かを手渡した。
「今日は俺の奢りだ、そいつはノア先輩からの特別サービスに全部無料だ」
「でも私・・・呑む人いない」
大好きなユイさんは寝込んでるしアスカちゃんは隔離されてるし、私の心は既に擦り切れて疲弊している。
皆は多分夜になるとすぐ寝ちゃうし迷惑は掛けられない。そんな時ユーゴ君は嬉しい事を言ってくれた。
「なら今度一緒に呑むか?」
私はその言葉に目を輝かせた。
「ホントに!?」
「今日は無理だからな?ノア先輩が相手してくれっから我慢しな」
「やった〜!!流石私の親友!!」
私は嬉しさのあまりにも抱き付いて頬をスリスリしてしまった。
ユーゴ君は私の行動に少しだけ頬を赤くした。
「うおっ、女の子の柔肌に触れられるなんてラッキーだな」
「ねね!それなら今度家においでよ!一緒にお風呂入ろ♪」
「はっ!?正気か!?」
「うん?」
私はありのまま発言するとユーゴ君は存在しないものに向かってぶつぶつと何かを唱えている。
「これはエロの展開が来るに違いない!ラッキー過ぎて死んじまうくらいだ!」
そんなに喜ぶことなのかな、えへへ、何だか普通の女の子して見てくれるのは嬉しい事だね!
「それじゃ、私はアスカちゃんを見てから酒場に行くよ」
「おうよ、また後でな」
心に傷を負い、ちょっとだけ不安と焦りが増えたけどちょっとだけ頑張って行こうという気になれた。




