「墜ちた心」 その3
ノア先輩と呑む前に気を張っていこう、どうなっているのかなんて私には分からない、親友が殺されるかもしれない、死ぬ事がほぼ確定しているがそれでも何か希望は残されていないか、見落としは無いかとそれを確認するために私は深呼吸して一番奥の部屋に入る。
「あ、アスカちゃん?」
名前を呼ぶとか細い声が返って来た、私はベッドを見ると沢山の器具をつけられたアスカちゃんを発見した。
「おはよーユカリちゃん」
言葉は言語能力を失っているのか簡単な言葉しか話せない、それに利き腕である右腕はまりで丸焼きにされたのかと言う程に腐食して殆ど動いていない。
もうこの時点で帰りたいと思うがアスカちゃんの絶望はもっと深刻化していた。
・調査の結果、私以外誰も覚えていない、魔法能力も筋肉も著しく下がり、薬を打たないとほぼ動け無い。
・治療には最低一年、能力を取り戻すにはアスカちゃん本人で自力で頑張らない限り望みは薄い。
・シスターズを辞めさせられ、生きていられるには資金面が問題が起きている。誰かが養うぐらい金が無いとアスカちゃんはそのまま死ぬことになる。
要約してカルテを見終えると私はそれ投げ捨て、アスカちゃんの手を握る。
「うへ〜あったかいな♪」
アスカちゃんの手は金属のように冷たくて生きてる心地がしない。
「ユカリちゃん〜きょうもかわいいね」
「うん」
「でもわたしがまもらないとユカリちゃんはすぐむりするよね」
「うん」
「えへへ〜しすたーずになったらいっしょにがんばろうね」
「・・・・・・・・・・・・・・・うん」
いつも言われてきた言葉に私は唇を噛み締めながら頷く、私の大好きな人が何故こんなことに?
アスカちゃんは優しい女の子なのに、頭も良くて運動も魔法もいつも私よりはるかに上だった。
一体誰がアスカちゃんを壊したのか、考えれば考える程それはどす黒い感情になっていく。
同じ目に遭わせて殺して・・・・っ!?
「ユカリちゃん、どーしてこわいかおするの?」
私・・・今最低のことを考えた??殺すなんてどうして私はそんな感情を?
「私と同じね」
理解不能の思想を掻き消そうとしたその時、背後から冷たい言葉が私を振り向かせた。




