職業対抗戦では…
数日後。
ついに職業対抗戦が始まった。
このイベントでは計十個の職業がトーナメント形式で優勝を目指す形となっていて、選ばれた10人が一気に戦うというものだ。
つまり、互いに互いを守ることが重要になってくる。
…というのが本来の狙いなのだが、装備で【VIT】を5000以上上げているまーちゃんたちにとってはそんなものないのに等しい。
「よーし、フェスティ、頑張ろうね!」
「うん!もらった装備で粉砕します!」
「さばじろうが強敵だからね…まぁ緊張せずにね」
そんな会話をしていると
『一回戦をはじめます』
というアナウンスが流れた。
こうしてまーちゃんの新たなる歴史が始まった。
一回戦目、【生産者】は【剣士】と戦うこととなった。
【剣士】にはレベルが100を超える猛者がゴロゴロいるという噂を聞いていたまーちゃんは平均レベル50ちょっとのチームじゃ勝てないと思っていた。
しかしその心配も杞憂に終わった。
前線の人が持っているクワが敵を食べているかのように次々と数を減らしていった。
その頃まーちゃんやフェスティはというと
「いやー、やりすぎたかも…」
「うん、絶対やりすぎた」
「ほら、もうクワが人をかじってるみたいだもん」
「あ、終わった」
ということでまーちゃん率いる【生産者】は二回戦目へと駒を進めた。
二回戦目、まーちゃんの相手は【忍者】。高い素早さが魅力の職業である。
まーちゃんはどうせさっきみたいになるだろうと油断していた。
しかし攻撃が当たらないとなると話は別だ。
まーちゃんの前線の人はクワをブンブン振り回しているがそれが彼らをかすめることはない。
まーちゃんがびっくりしてパニックになっていると、フェスティが動いた。
「えーと、たしかこの本に…あった!」
そう言うとフェスティは目を閉じ、何かを唱え始めた。それを見てまーちゃんはワクワクしながら待っていた。
それから5分。フェスティの目が急に開き、最後にこう言った。
「【流星群】!」
その直後、まーちゃんの頭上に高さ20メートルはある隕石が10個ほど出現した。
それは炎に包まれてこちらに来る。それはもっと遠くだったらきれいに見えただろう。
しかしまーちゃんたちの場合、それはもう目の前に迫っている。
それが地面に着地すると、それは大きな爆発を生んだ。
轟音が10秒ほど続き、土煙がなくなるとそこにあったのはただの大きな穴。
もともと戦っていた地形、敵などは一切見つからない。
「…え?」
「いやこっちが聞きたい。どしたん」
「いや、魔法使いの人に【代償威力強化】がいっぱい入った魔法作ってもらったんだけど、まーちゃんからもらった杖もあって…うん。まーちゃんが悪い」
「えー、なんでぇ」
なんだかんだまーちゃんの成長は他の人にも影響を与えているようだった。
そんな大きなスキのある魔法も【VIT】上昇のおかげでほぼノーリスクで打てるわけだが、そんなチームが負けるわけもなく。
ついに決勝戦となった。
相手はまーちゃんの予想通りさばじろう率いる【曲芸師】だった。
『決勝戦、はじめぇ!』
その合図とともにさばじろうは動き出し、【VIT】5000超えの人たちを切り伏せていった。
まーちゃんはその光景に驚き、目の前にある短刀に気が付かなかった。
「【硬化】!」
まーちゃんに当たるはずだった刀はその言葉が聞こえた直後、ぱきぱきと割れていった。
「硬いものに当たったら壊れるのって普通でしょ?」
「へー、まーちゃんだけじゃなくてフェスティも成長してたんだ。でもそれも効果時間が切れたら終わりじゃない?」
「それだけアレば十分だよ」
さばじろうがまさかと思ってみたときにはもう遅かった。
まーちゃんはフェスティがさっき使っていたスキルと全く同じスキルを使用していた。
「えー、ずるいよ」
「ふっふっふ。まーちゃんはだいたいなんかすごいから」
「【流星群】!」
その隕石は先程より威力をまして会場を抉っていった。
案の定、そこに敵やフィールドはほぼないに等しかった。
こうしてまーちゃんは難なくこのイベントを優勝した。
後日、学校でのこと。
「もー、真琴。アレはズルすぎるって」
「でも茉莉に気を取られてた爽鈴も悪い」
「だけどあんなスキルどこで」
「えーと、なんかわかんない!」
「え?」
「じゃあかわりに説明するね。真琴は自分の【DEX】によって能力値をあげるスキルを持ってたんだけど、私の使ったスキルを使ってもらったら強いんじゃないかと思ったの」
そうして予備で持っていたもう一つの巻物を真琴に渡したのだと、茉莉は自慢げに言った。
「で、優勝の景品のスキルは何にしたの?」
「私は【DEX】1.5倍の【デクスティラティー】っていうのにした。私らしいでしょ」
「まぁまーちゃんは【DEX】上げないほうがいいもんね。私はあのやばい魔法をいっぱい使いたいから【MP消費軽減】にしたかな。【詠唱短縮】もいつか手に入れる予定」
「真琴はもともとだったけど茉莉もチートじみてきたね…」
「まーちゃんには及ばないけどね」
「ふっふっふ」
一方とある家では。
「いやフェスティとかいうやつやばすぎ」
「それな。しかもなんかまーちゃんってのまでおんなじの使ってたし」
「というかなんで俺達がダメージ与えられないやつ倒していったの、あのめっちゃ早いやつ」
「あー、さばじろうだったかな?あれもやばい」
「もし三人でチームとか組んだらもう誰にも手を付けられない」
「だからといって何かできるわけでもないけど…」
この家はまーちゃんたちに完膚なきまでにボコボコにされた【剣士】たちの家だったのだが、この会議は翌日の朝まで続いた。
読んでいただき、ありがとうございます。
今回は雑談を少し。
小説に関係のない話をするので興味のない方がいたらスルーしてくださっても構いません。
林檎酢の中の人は最近話題のあるゲームを買ったんです。
そのゲームではじめに戦ったやつが4096分の1くらいの確率らしくて。
それを仲間に入れて進めていったら…
エラーを起こしてそれがいなくなっちゃったんです。
まぁ、終わったことは仕方がないので一週間ほど落ち込むだけですみました。
たまにはこんな感じの話もしたいと思っているのでよろしくお願いいたします。
また次回。




