表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/63

押しかけ王女の大作戦

 翌日、あたしは公爵邸へ押しかけた。

 父は基本あたしに無関心。普段あたしが何してても、害がない限り放置だ。怒られたこともないが、ほめられたこともない。

 あたしがルシファー様のとこへ押しかけたと聞いても、気にも留めないだろう。

 いや、「そうやって組織に圧力かけろ」って言うかもしれないが、その程度だ。

 唯一の王女の権力をここぞとばかりに使い、予告なく突入してきたあたしに、公爵親子はあぜんとしていた。

「り……リリス様、一体どうされたのです? いきなりいらして。何か急用でも……?」

 ルシファー様そっくりの公爵がどまどいながらきく。

 ああ、ステキ。ダンディーで魅力たっぷりの中年男性。

 ルシファー様もいずれこうなるのよね。ふふふ。

 別に老け専じゃないからね?!

「はい! あたし、ルシファー様とぜひとも結婚したいんです! 昨日はいきなり逆プロポーズで驚かれちゃいましたが、改めて結婚申し込みに来ましたっ!」

 元気よく言う。

 にこにこ。

 極上のロイヤルスマイルで返事を待つ。

 公爵親子はまだ固まっている。

「……あの、リリス様。陛下の命令だからといって、そこまでリリス様が必死になることはないんですよ……」

「お父様の命令なんかどうでもいいです! あたしがルシファー様と結婚したいんです!」

 本気度を分かってもらうため、熱く語る。

「え……本気でうちの息子と結婚したいとお思いで?」

 十歳の少女がマジで言ってんのかと言いたげだ。

「もちろん! 一目ぼれです! 何より顔が好みです! 王子様みたいでイケメンでさわやか系でかっこよくて、笑顔がステキで! 微笑みだけでごはん三杯いけます! むしろごちそうです! 一瞬だけど見た姿にときめきが止まらなくて! どんな方なんだろうと妄想しまくってたんですが、実際会ったらもう想像以上! 腹黒なところもまたたまりません! どストライクすぎて夜も眠れませんっ!」

「……そ、そうですか……」

 二人とも若干引き気味になってる。

 なんで?

「いやでも、分かりませんでした? 僕はかなり性格悪いですよ?」

「それが何か? いいじゃないですか! さわやか系イケメンなのに腹黒とか、最高じゃない! あたしそういうギャップ大好き! それに大人になったら公爵みたいに渋いダンディー紳士になるってことでしょ? 将来が楽しみですよね!」

 キラキラ。

 目を輝かせる。

「……リリス様、もしかして老け専ですか?」

「それは違う」

 真顔で答えた。

「オジサマなら誰でもいいってわけじゃありません。ルシファー様が好きなんです!」

 堂々と宣言する。

「……………………」

 公爵親子はしばーらく黙ってた。

 朝っぱらから王女が押しかけてきて、玄関で、大勢の人の目があるところで逆プロポーズ第二弾。のろけまくってトリップしまくって、恥とかどこ置いてきたって構図に脳がショートしたらしい。

 使用人たちも石化している。

 あたしは応接室へ通された。素朴だけどあったかみのある内装。意外なことに、公爵邸は質素だった。スパイ組織のドンなら金持ちのはずだし、もっと金かけられるだろうに。

 でもこのほうがあたしは落ち着いた。父は金ぴかド派手か、逆にどす黒いオカルト趣味。あんな恐怖の館よりこっちのほうがはるかにいい。

 城はナチュラルに昼間、肝試しできるからね。本物の怨霊そこらにいるし。

 ギロチンやアイアンメイデンが置いてない部屋って最高。

 出されたお菓子をほくほくして食べた。おかずはもちろんルシファー様だ。

 うふふふふ。

 我ながら不気味な笑みが止まらない。

 公爵はあたしが落ち着くのを待ってたようだけど、ちっとも落ち着く気配がないのであきらめてきいた。

「繰り返しになりますが、リリス様は陛下の命令でなく、ご自身の意志で息子と結婚したいとおっしゃるのですか?」

「もちろんです!」

「あ、ええと……私どもは臣下なので、敬語は使わないでください」

 あら、そう。お義父さまになる人だから敬語にしてたけど。

 まぁそうよね。あたし一応王女だった。

「分かったわ。私がルシファー様を好きだから結婚したいの」

「僕に様をつける必要もありません」

「あ、そうね。じゃあ……ルシファー?」

 心の中ではずっと様づけで呼んでたから慣れない。ぎこちない感じになった。

 ぽっと頬が赤くなる。

 きゃああああああ、ルシファー様を呼び捨てにしちゃったー!

 あたしの中の心の声がフィーバー状態だ。

 うふふふふふふふふふふふふふふ。

「もうお分かりのようですが、これは政略結婚です。僕は人質です。ちゃんと理解しておられますか?」

「もちろん分かってる。それにあたしはルシファーを人質なんて思ってない。協力者と思ってるわ」

「協力者?」

 眉をひそめる公爵。

 あたしはキリッと真面目な顔で二人に向き直った。

「あたしは五年後クーデターを起こし、父を倒す。あなたたちに協力してほしいの」

 公爵親子はあっけにとられていた。

 脳が理解の処理能力をオーバーしたらしい。

「……今、ものすごいことが聞こえましたが、幻聴ですか?」

 幻聴なわけあるか。

「幻聴じゃないって。あのバカが王である限り、この国に未来はない。いずれ滅ぼされるわ」

 あたしの息子の代に、勇者に滅ぼされる運命にある。このままでは確定事項。

「バカって、父上では……」

「あんなのが父親なもんですか。あたしの母親を自殺に追いやり、人々を苦しめてる極悪人じゃないの。あたしが王なら、あんなろくでもないやつ、速攻処刑してるっての」

 あけすけな言葉に二人とも言葉もない。

 なによ、事実じゃない。

「あなたたちは父の反対派なんでしょ? だから人質を取ってでも言うことをきかせようとしてるんでしょ? だったら味方じゃない。あたしに協力して。一緒にあのクソ親父を倒しましょ!」

「…………」

「…………」

 あら?

 反応が薄い。

「反対なの?」

「いえ……反対というか……。こちらとしては良い話ですが、まさかリリス様がそんなことをお考えとは」

「バレたら殺されるから、隠してたに決まってるじゃない。前々から仮にも王女として何とかしようとは思ってたわよ。でも子供のあたしにできることなんかなくて。何人も助けられなかった」

 ドレスのすそを握りしめる。

 見殺しにしたも同然だ。

「罪はあたしにもある。だから。せめてこれから起こる悲劇は避けたいの」

 そのためなら、実の父を倒して女王になってやる。

 そしてこの国を改革し、ヒロインたちに攻め込まれないようないい国にしてみせる。

 いずれ生まれる子も魔王になんかさせない。賢帝になるよう教育する。

 魔王をいい王へ育成計画。

 自分の『魔王の母』化と推しメンの『魔王の父』化阻止!

 ―――それがあたしがこの世界へ来た使命よ!

 メラメラメラ。

 あたしは燃えていた。

 ルシファーが頬をかきながら、

「はあ……それはいい心がけですが、なぜ五年後なんです?」

「即あのアホを倒せるとは思ってないもの。あたしだってそこまでバカじゃないわ。今のあたしは子供だし、あのバカ親父もバカなりに頭は働くから、今の力のないあたしじゃ返り討ちにあって潰されるでしょ。あたしが気に入られたのは特異な容姿のせいであって、愛情がないことは分かってる」

「アホって……」

 アホじゃん。バカでもクソ親父でもいいけど。

「あたしが成人するのは五年後。十五歳。この国じゃ十五が成人でしょ。大人になった王女が悪王を倒して女王に、ならだれもが納得する」

 子供が女王になっても、摂政をつけなきゃならない。そこでまた権力争いが起こる。

 だから目標を五年後に設定した。

「仲間を増やし、あたしの影響力を浸透させるにはそれくらいかかると思う。五年の間に準備を整え、十五の誕生日にクソ親父を倒して女王になってやるわ」

「五年ですか……。確かにそれくらいあれば可能ですが……」

 でしょ?

「だけど、あたし一人じゃ無理。そこであなたちの力が必要なの。組織の力があれば、クーデターは成功すると思う。あなたたちにとっても悪い話じゃないはずよ。あたしはこんな恐怖政治はしないし、あんたたちの身の安全も保障する。この国を国民だれもが幸せな良い国にしてみせるわ」

 胸を張って言った。

 あたしだってヒロインカップルに殺されたくない。

 『魔王の母』なんてやめてやる!

「……リリス様はずいぶん熱心ですね。お母様の敵を討ちたいのですか」

「ん? まぁ、なくはないけど。顔も覚えてないから、母がいたって実感はわかないわね」

 ゲーム内でも『魔王の母』の母親については自殺したっていうだけで、顔も名前も出てきてなかったし。

「というより、このままだとあたしいずれ殺されるのよね。隣の国の王女が成長した時、勇者と一緒に攻めてくる。アタシもルシファーも、将来生まれる息子も殺される。それは避けたいのよ」

「はい?」

 公爵親子は目をぱちくりさせた。

「何ですかそれ? なぜそんなことを知ってるんです?」

「え? それはだって……」

 あ。

 しまった。

 ここはゲームの世界で、あたしは外の世界から来たんでした。

 だから知ってるんだよ~なんて言っても、信じてもらえないよなぁ。

 とっさに答えた。

「予言。そう予知なの!」

「予知……ですか?」

「そうそう。あたしには予知能力があってね。ちょっとだけだけど未来のことが分かるの」

 ごまかそう。王家の特殊能力だって。

「予知能力……ですか」

「ほら、あたし、容姿が特殊じゃない? だから普通じゃない力を持ってるみたいなのよ!」

 二人とも納得したらしい。あたしの姿が特異なのは事実だ。

「なるほどね。……って、何ですか、僕とリリス様が結婚すると息子が生まれて、それが魔王とか言ってましたね?」

「うん。このままだとあの親父以上のヤバい奴ね。世界を恐怖のどん底に突き落とす魔王になるわ」

 悪役、ラスボスだもん。

 だから断固阻止! お母さんは息子をそんなふうには育てません!

「それなら、僕とリリス様は結婚しない方がいいんじゃありませんか?」

「それは嫌!」

 ぎゅんっ!

 光速で移動してルシファーの隣に陣取り、手をつかむ。

「あたしはあルシファーが好きなの! 結婚しないなんて選択肢はなし!」

 超真剣な逆プロポーズ、はて何回目。

 ルシファーが上体を少し後ろへ引く。

「……あ、うん、そうですか……」

「そうなの!」

 あたしだってルシファーと結婚しないのが一番簡単な回避ルートだって分かってる。でもやだ。

 彼と結婚しないなんてありえない。

 ルシファーの笑みが引きつってきたので、さすがのあたしもトーンダウンした。

「やっぱりあたしじゃ嫌か……。こんな不気味な外見だから?」

「いえ! そんなことはないですよ。リリス様はたまたま瞳の色が生まれつき違うだけでしょう? 猫みたいでかわいいですよ」

 かわいい?!

 かわいいって言われた! ルシファーに!

 バックに花が咲き乱れまくったのは気のせいじゃないと思う。

 公爵が妄想に突入しかけたあたしを現実に引き戻した。

「はい、はい、分かりました。リリス様の真剣さはよーく分かりました。おっしゃる通り、私どもにとっては悪い話ではありません。本当にそうされるなら、協力は惜しみません」

「本当?!」

 ぱあっ。

 明るい顔で叫ぶ。

 よっしゃあああ!

「じゃあ、さっそくやってほしいことがあるんだけど、いい?」

「はい、何でしょう? 重臣たちを手なずけることですか?」

「それも大事よ。もちろんやってもらう。それはそれとして、あなたたちの情報網を使って探してほしい人がいるの」

「誰ですか?」

「あたしの異母兄弟たちよ」

 親子は顔を見合わせた。

 何で驚くことがあるの。異母兄弟が存在することは知ってるわ。

「父は好みの女性に片っ端から手をつけて、何人も子供を生ませてるでしょ。認知されてるのがあたしのみなだけで」

「ええ、そうですが……リリス様、本当に十歳ですか? まるで大人と話しているようなんですが」

「あたしは十歳よ。環境的な問題から、大人びちゃったけど」

 前世の記憶も戻ったから、中身は十六だし。

「スパイであるあんたたちなら、すでに居場所は把握してるんじゃない? 父のことだもん、監視させてておかしくないわ」

 歯向かってこないかどうかってね。

「おっしゃる通りですが」

「なら話が早いわ。異母兄弟が何人いるかあたしも知らないけど、みんな父を恨んでるはず。つまりあたしの一番の協力者になる」

 兄弟力を合わせて愚かな父王を倒す、なら大義名分もたつ。

「……協力してくれるでしょうか? あなたに代わって王になろうとするかもしれませんよ」

「別に。良い王様ならいいのよ。なにもあたしでなくてもね。今のところ王の子と認定されてるのがあたしだけだから、反発されにくいってことであたしが女王になるって言ってるだけ。あたしより優秀な兄弟がいたら、喜んで譲るわ。いったんあたしが形だけ女王になって兄弟だと正式に認定、すぐ譲位すれば法律上問題ないでしょ」

 女王が父王に求められなかった兄弟を王族と認定することは可能。

「リリス様はそれでよろしいので?」

「何で? それでもあたしが『魔王の母』になるルートは回避されるんだもん、いいわよ」

 兄弟が王になっちゃって、あたしが権利放棄して臣下になればあたしの子は王になれない。これでも破滅ルートは回避できる。

 公爵親子はアイコンタクトで何やら会話して、うなずいた。

「分かりました。すぐ手配しましょう」

「本当? ありがとうっ、ルシファー!」

 どさくさまぎれに抱きついた。

 はあああ、ルシファーに抱きついちゃったー! いい香りっ。

 不審者みたい? いーじゃん。

 ルシファーは精神的衝撃が大きすぎて動けない。

 ひとしきり堪能したあたしは急に顔を上げ、

「あともう一つお願いがあるの。あたしに稽古をつけてくれる?」

「は? 稽古ですか?」

「そう」

 魔法でも武術でも。

「魔法と武術は父が禁止してて、教えてもらえないから」

 理由は簡単だ。あたしが力をつけると危険だから。

 あたしの容姿は気に入ってる父だが、信用はされてない。自分の子なのに寝首かくんじゃないかって、信用してないってのはどうだかね。

 ま、実際クーデター起こそうとしてますけど?

 自業自得でしょ。

 暗殺を恐れる父は城内での魔法の使用を一切禁じている。どうやってんだか知らないけど結界を張り、誰かが魔法を使えば探知できるようになってるんだ。召使いに至るまで城内では魔法が使えない。

 当然あたしは習ったこともなく、魔法の使い方も分からない。

「いざ父を倒す時、あたしも戦えなきゃ意味がない。一発あの親父をぶん殴ってやりたいの。だからあたしが戦えるよう、稽古をつけて」

「……ずいぶん武闘派の王女様だったんですね。大人しい姫かと思ってましたが」

「強い女は嫌い?」

 ちょっとしょんぼりしてきいたら、ルシファーは首を振った。

「いえ、そんなことはありません」

「本当? あたしもルシファーがどんなに性悪でも大好きっ!」

 ぎゅ―――っ。

 また抱きつく。

 腹黒でも毒舌でも性悪でもなんでもいい。そんなんであたしの愛は消えたりしないんだからっ!

「で、ではリリス様、さっそくやってみますか?」

「うん!」

 敷地内にある訓練場に案内された。

 さすがスパイ組織の長。敷地内に訓練施設があるとは。

「フィールドの作りは魔法でいくらでも変えられますが、今は単にリリス様の実力を測るだけなおんで、普通の運動場にしておきます。とりあえず的を」

 どっから出してきたのか、人形を置く公爵。

 女の子が遊ぶ用のお人形じゃなく、車の衝突実験で使うような人型のやつね。

「では、あれを攻撃してみてください」

 いきなりか。

 説明とか何かないの。

「えーと……あたし、一度も魔法使ったことないんだけど。たぶん知ってるよね?」

 王の後継者であるあたしのことは調べているだろう。

「はい、存じてますよ。まぁ適当に、思うままにやってみてください」

 適当だな。

 つーか、本音はやりたくないんだな。

 あたしの勢いに負けただけであって、心から協力するつもりはなくても仕方ない。すぐ信用しろと言うほうが無茶だ。あたしの真意を測りかねてるってことだろう。

 さしずめこれはテストか。

 無条件で信用してもらえるとは思ってない。なら、がんばって認めてもらおう。

 ……とはいえ、どうしたらいいやら?

 首をかしげる。

「あたし、本当に一度もやったことなくて。どうすれば使えるかも分からないんだけど」

「攻撃なら簡単ですよ。魔力をためて放出すればいいんです。そういうイメージを描いてみてください」

「簡単に言うけどねー……」

 あたしは的を見た。

 うーん。

 怒りのパワーを使えば上手くいくかな?

 怒りっていうのは強烈な感情だから、力をためやすいかも。

「そうだ、あの人形を親父だと思えばいいね!」

 あたしは人形をにらんだ。

 あれはクソ親父。アホで極悪非道で好色で最低ヤロー。

 ぐっ。

 右手で拳を作る。

 あ、なんかいい感じにパワーがたまってきた。

 殴ってやりたいあのバカ。そう、こんなふうに。

 キイイイイイイイン。

 拳が光をまとう。

 容赦はいらない。思いっきりぶん殴ってやる。

 怒りゲージが上がってきた。

 あああムカつく。嫌なことありすぎて、どれからなじっていいやら分かんない。ちくしょおおおお。

 ぶちっ。

 怒りがゲージをぶち破った。

「クソ親父めええええええええええええっ!」

 ズドガアァァァァァア!

 思いっきりグーパンをたたっこんだ。

 大地が割れ、岩がふっ飛ぶ。一瞬で人形が消し炭になった。

 ドガガガゴゴゴゴドドドド。

「うおわあああ?!」

 公爵親子が必死でフィールド外に逃げ出す。

 周囲は結界が張ってあるから安全……。

 ……じゃなかった。

 ドッカ―――ン!

 あたしの攻撃はバリアを撃破し、ハルマゲドンが起きたのかってくらいの大爆発を生んだ。

「あ、やばいっ!」

 とっさにバリア張らなきゃって思った。あんまり大爆発起こしたら父にバレる!

 やり方は分かんないけど、とにかくできろ!

 念じたらバリアができ、被害の拡大を防いだ。

 騒ぎがおさまった時、大地には大穴があき、辺りにガレキが散乱してた。

 あとにはぺんぺん草も生えないってこんな感じかな?

「あー、ヤバかったぁ……」

 胸をなでおろす。

「初めてだったけど、やればできるもんね。大爆発起こしたのバレたらヤバいもん。とっさに音も光も封じる結界張れないかって念じたらできたわ」

 あたしすごい。

 『魔王の母』ってキャラだからかな。

 使ったことなかったから知らなかったけど、けっこう力強かったのねー。

 公爵とルシファーは青い顔で口の端ひきつらせてる。

「あ、公爵、今のでどう?」

「はい……リリス様、とんでもない魔力をお持ちだったんですね……。魔力をコントロールする修行しましょうね……」 

「ああ、そうね。きっちりコントロールして、思いっきりあの親父だけにぶつけないと」

 他の人がとばっちりくわないようにしないとね。

「死ぬと思いますよ……」

 え、何か言った?

「よっし、クーデター、やってやろうじゃん」

 意気揚々と宣言する。

 待ってなさいハッピーエンド。

 ぶち壊してくれるわバッドエンド。

「破滅フラグはこの鉄拳で粉砕するわ!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ