一四戒 回収
「あーおい!なんでお前が逃げるんだよ!」
猛スピードで男は逃げていく。よく見るとその男は血まみれで、まるで縦にぶった斬られたかのような切り口もあった。
俺の走りは尋常じゃないくらい早く、ぶん殴って止めようとした。
「あー!待てえぇ!!」
飛びかかりながらぶん殴るが、男はぶっ飛んでも逃げるのを止めなかった。
「どきな!」
蒼猪さんは背中の刀に手を置き中腰になっていた。
「命死」
蒼猪さんはめちゃくちゃ速いスピードで逃げた男に近づき、袈裟懸け、男は真っ二つになってしまった。
「あー!蒼猪さん!なにしてんの、そいつ何もしてないのに!」
「虎閃、使千!早くそいつ持って帰るぞ!お前らの前に倒れてるのはこいつに殺られたヤツだ。こいつが十二支だ!」
「な、なんで分かったんだ…。」
「臭ぇんだよ、血の臭いが。お前は兎だな?北夕鮮で何があったかは知らねぇけど、使千器は貰うぜ。」
蒼猪さんは念入りに男を痛めつけ、追跡不可能の状態にした。俺達は蒼猪さんの支地干天に乗り政府庁へ帰った。
「おかえりなさい。」
政府庁の会議室に到着し、鼠乃に出迎えられて任務の報告をした。そのはいつも通り簡素な返事と、怪我の有無、使千器の状態を確認してリオンを呼んだ。
「はいは〜い。結構早かったね。使千器は回収出来た?」
俺は眠兎のギターを渡した。
「おや、これは眠兎ちゃんのじゃないか。十二支のは?」
「兎ぶん殴ってきた。」
谷西露の状況と十二支と会った時の話をすると、リオンはあっさり信じギターを受け取った。
「ほんじゃ、次君に行ってもらうのは谷西露の下にある上華下民共和国だ!あと、鼠乃からなんかあるみたいだよ。」
「はい、あなた達に移動手段を渡すのを忘れてました。送った場所に顔を出しておいてください。」
WEphoneの地図にピンが立った。便利だなぁ。
「あーちょっくら行くか。使千は?」
「俺も一応行こう。」
俺は使千と送られてきた場所まで歩いて行った。
思えば、俺はこいつの事をあまりよく知らない。強いて言えば、こいつは少し痛いヤツでコーラが好きで右腕が使千器って事ぐらいだ。おそらく、次の任務にも着いてきてくれるだろうから、少しでも打ち解けて戦いやすくしておきたい。
「あー、なぁ、お前って何探してんの?」
スタンダードにここから聞こう。そもそも、こいつの探してる物が何かも分からずに一緒に行動するのは少し怖い。
「残りの身体だ。」
「は?」
「俺は右腕が本体なんだ。この肉体は元々いる人間の外見をコピーしたにすぎない。」
?????
「あーちょ、ちょっと待て。つまりお前は人間じゃなくて使千器って事か?」
「ああ。」




