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モンペな神様のお陰で悪役フラグが消滅しました  作者: 深沢心
幼女時代

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17/22

15話.自分にとって優しい人が他人にも優しいとは限らない

いつの間にか自分が神子という存在になっていることに驚愕し、そしてその原因と思われる神様(エルピス)にローズが心の中で文句を叫んでいる頃、周りはその様子に気付くことなく話を進めていた。



代表してトマスが、神託を受けるに至った経緯をロバート達に説明し始める。


神子が生まれる前日にスキルで神の声を聴いたこと、その次の日に教会に降臨したこと、神子が神にとって大事な存在だということ、神子についての掟を厳守すること、両親についてもそれに含まれること、そしてローズが神子としてだけではなく特別な存在だということを詳しく語った。


しかし過去の神子が残虐に殺されたことや、神が悪人を何千人も消したことはこの場では伏せられた。


過去の神子に関してはあまり深くは知られてないが、元々有名な話だ。今更何があったか詳しく説明すれば、現神子の家族は不安になるかもしれない。


それからオリヴァーは神が悪人を消した事をまだ世間へ公表していないし、ローズが神子として生まれたことも未だ一部の人間しか知らされてない。


実は神託が終わった後、無事ローズが生まれた瞬間を見届けた(エルピス)がトマスに伝言を託したのだ。


『神子の公表だけど挨拶した後にしてね。すぐ公表したら喜んだ人達が神子の家に人が集まるかもしれないだろ?私は悪人じゃないと対応できないからさ、そこら辺は君達に任せるよ。だから必ず神子の安全を守ってね。それじゃ、よろしく』


と一方的に喋った後、すぐに声は聴こえなくなった。それを聴いたトマスは慌ててオリヴァーの元へ向かった。何故ならオリヴァーもトマスも直ぐに公表するよう手筈を整えていたからだ。

トマスが神の伝言を伝えた時、オリヴァーは周りの者に神子のことを公表する前であった。トマスが急ぎ伝えてくれたお陰でウィルソン家に神子が生まれた事は無事広まることなく、その事実は一部の者達だけで共有された。

勿論、その者達が広めてしまう可能性があるため、神託の内容を知っている者全員が誓約魔法をかけられ秘密が漏れないよう徹底された。


驚くべき事にオリヴァー達は、この一連の騒動を神託を受けたその日に全て終わらせのだ。疲労で全員顔色が悪い。


___それもこれも全て(エルピス)のせいである。アイツ()は最後までオリヴァーとトマスを振り回して帰っていったのだ。上に立つ奴は無茶な指示を出すだけ出して下々の大変な気持ちを一切理解しようとしないのある。……トマス達は本当によく頑張っていると思います。



それからオリヴァー達は神に言われた通り神子の安全第一で行動した。何せ神子が誕生するのは約500年振りだ。周りがどういった行動にでるかあまり想像ができないでいた。


一応オリヴァーは、神子の存在を知った貴族や国民が純粋に祝福のためにウィルソン家に押し掛けるかもしれないための対応を。


一応トマスは、神子の存在を知った信者が歓びのあまり暴走するかもしれないための対応を。


お互いそれらを防ぐ為に、国と教会は幾度も話し合った。神子を守るための規則を互いに作り、より神子の安全性を高めるために奔走した。それだけではなく、オリヴァーは国の消えた者の処理をトマスは教会の消えた者の処理をその合間を縫って対処していた。


この半年、二人とそして二人に近しい者の睡眠時間は平均約3時。そろそろ過労で倒れる頃である。


そのトマスは現在、意気揚々と神託について語っていた。その顔には今までの疲労が消えたように意気揚々と神の話が出来る事を喜んでさえいた。きっと神様(エルピス)に与えられる難題はトマスにとって修行であり、ご褒美なのだろう。聖職者とは凄いタフである。ちなみにトマスより若いオリヴァーはというと、目の下に隈をくっきり作っている。その草臥れた姿はブラック企業の社畜に酷似していた。


トマスの主観と神への想い(信仰)を多大に含んだ説明を聞くロバート達の顔は真剣で、そして表情には感動を滲ませていた。


〈ローズを大切に想いそこまで守ってくださるなんて〉

〈しかも、私達にまで気をまわしてくださるなんて〉


そんな思いがありありと顔に出てる。



その頃のローズはというと、


…………ドン引きしていた。


ローズはロバート達とは違いトマスの説明に困惑し、そして神様(エルピス)に引いている。



この教会のお偉いさんが言ってる神ってえるたんの事だよね?私が会った時の様子と全然違うんですけど。私が会ったえるたんと本当に同一神物?だってめっちゃ可愛いわんちゃんだったよ?……しかも優しくてお茶目でノリがいいそれはもう可愛くて可愛すぎるくらいのわんちゃんだったのに。なのに今聞いた感じだとなんかこのえるたんちょっと冷たくない?周りの人に厳しいよね?


もしかして、神って実は双子で私が会ったのは善神エルピスだったとか?

___優しさは貴方(ローズ)だけのオプションです。


そして今回降臨したのは邪神エルピスだったのでは?

___この状態が(エルピス)の通常モードです。


エルピスは双子ではなく、人によって対応を変えてるだけである。しかも素で。だからあの優しさはローズだけにしか向けないし、あの厳しさは決してローズへは向けない。


究極の依怙贔屓である。



神子贔屓のエルピスにローズは心底引いていたが、この話は他人事ではなく自分自身の事である。すなわち贔屓されてるのがローズだということだ。



……頭痛い。ほんと贔屓はだめだよえるたん。贔屓っていじめの原因になるかもしれないんだよ。そんなあからさまな贔屓されてる私は絶対いじめられるよ。


あ……だから掟で身を守ってるんだね?掟がなかったらきっと利用されたり最悪命を狙われたかもしれないもんね。私の命を守ってくれてありがとう!


でもさ、この掟って身は守ってくれても心は守ってくれないね?


だって、そんな依怙贔屓感満載の人と友達になりたい人いる?それって私ずっと一人ってことになるよね。え……異世界にせっかく転生したのに友達一人もできないの?私、永遠のボッチじゃん。


ちょっと待て、友達もできないって事は恋人なんて夢のまた夢じゃん!それって結婚も無理ってことだよね?


あああああ!!!!この世界線(異世界)では絶対結婚できると思ったのに……。


えるたん私を孤独死させるつもりだね?


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