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ぐーぱんカタパルト  作者: 焼きモンブラン
一章 ヒトになる
9/46

9 黒 おんなじ

「ぱん」「パン」


 大きく口を開ける青毛の口の中に、最後の丸いおいしい物を入れる。


 パンの丸いおいしい物、なくなった。

 どうやら青毛は自分よりお腹がすいていたみたいだ。


 これからどうしようかな、と考えているとまた青毛に持ち上げられた。


 さっきから、寝床があった場所の方で戦利品(ドア)をいじっている茶色毛の方に何か音を出して、青毛は別の戦利品(ドア)のでっぱりを『押した』

 まわして押してる……押すのもある?


 口が開いて通れるようになった、と思ったら、その口を元に戻して、こっちを見ながら「ドア」と音を出す青毛。


「ドア」あける「ドア」しめる

 持ち上げていた自分を降ろして、じっと見てる青毛。


「どあ」あける「どあ」しめる

 できますよ?さっきもできましたよ?


 なにか頭を上下にふりまわしてる青毛は、そのまま

「ヨクデキマシタ〜」と言いながらこちらの頭をいじって来た。

 真似をしようとしたけど、手が届かないので音だけ真似する。


 青毛は、どあの木のカタマリを開けて、またこちらを持ち上げて外に出た。

 どあの口を抜けたらまたこちらを降ろして、こんどは前足をこちらの手にくっつけて来た。


……あれ?なんか、おなじ?


 ワタシの手と、青毛の前足、指、5つある。

 自分の手と青毛の手を見較べながら、指を開いたり閉じたりしているこちらを、なんか見ている青毛。


「テ、ユビ」「て、ゆび」


 こちらの手のひらと指を触りながら、また音を出す青毛。


 ワタシと青毛は、て、のカタチが似ているように思う

 ゆび、もおなじ。

 毛も頭からしか生えてない。

 もしかしたら、おなじ種類の生き物なのかな?


 ワタシは、ヒトリじゃないのかな?


 青毛と、右の手を合わせる……おんなじ

 青毛と、左の手を合わせる……おんなじ

 見下ろした皮も、……だいたいおんなじ。


 そっか、おんなじだから青毛はワタシを、ワタシは青毛を、こわくないんだ。



 森に、帰るつもりだった。

 青毛には茶色毛が居て、茶色毛には青毛が居るから。


 でもおんなじだったら、ワタシも居てもいいのかな?


 ここに居たいな、そう思いながら

 青毛に手を引かれて、ワタシは朝の陽射しの中を歩いた。

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