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ぐーぱんカタパルト  作者: 焼きモンブラン
一章 ヒトになる
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19 青 やきとり

 サクヤに頬ずりした瞬間、後ろで大きな音がした。


「というわけで最初はレディファーストで問題ないよな」

「腕力で要求するレディファーストってどういうモノだよ……」


……聞かなかったことにしよう、そして逃げよう、サクヤを連れて。

 でもわたしの決断は一歩遅かった。

 背後で無情に開くドア。


 2メートルの巨女、という一言でだいたいの説明が済んでしまうその人はスズメさん。

 いつも染めてる、根元の黄色い赤い髪で、炎のスズメと呼ばれてるとか。

 焼き鳥じゃないんだから、いくらなんでもそれはないと思うんだけど、本人は気に入ってるらしい。

 性格は、豪傑。でもわたしにはとてもやさしくて、いつも気遣ってくれる。

 剣術の稽古と称して、良く遊んでくれるんだけど、いざ剣術としてやる練習内容はだいたい走り込みばっかりなのよね。


 あと、危険な事に、可愛い物大好きなのです。



 スズメさんの脇にもう1人、たぶんレディファーストで便乗したんだと思うけど、モズさんも居た。

 モズさんはわたしの魔法の先生。

 こちらはパパとおなじ茶色い髪。背はわたしより若干大きいくらいかな。

 綺麗な人なんだけど、魔法の研究以外にはあんまり関わりたくないんじゃよ、って良く言ってる。

 齢はわたしのパパと同じくらいなのに、おばあちゃん言葉で喋りたがるへんなひと。

 歳をとってからのために今から慣れておくんじゃよ、って良く言ってたり。


「おー、やっぱ改めて見るとやっぱちっさいなぁ、この子がコノハの連れてきた子かぁ」

「おー、やっぱてこのこはちゃいちゃいも」

「よしわかった、お前は今日からうちの子になれ」


 サクヤをヒョイと抱き上げて、頬ずりするスズメさん


「いやだめですうちの子ですよ」

「こういう物は順番じゃろう、先ずはきちんとルールを決めてから、じゃな」

「いやどっちもだめですうちの子ですよ」


 抱き上げられたサクヤの足を引っ張ってるモズさん、たぶん自分も抱きたいんだと思うけど、スズメさんも離そうとはしない。

 あんまし力入れないでね?


「ふゃぁ〜!」

 今まで聞いたことない声を出すサクヤ、痛がってる!?


「スズメさんモズさん!サクヤが痛がってるでしょ!」

「あ、すまん」「すまぬのう」


 サクヤに謝って下ろすスズメさんとモズさん。

 没収です。と、わたしが抱っこして、ちょっと様子を確認してみる。よかった、怪我とかはしてないみたい。


 わたしがサクヤの様子を見てる時に、なにか視線とかで戦いがあった?

 なにか構えてるふたり(スズメさんとモズさん)

 こ、この構えは!


 ジャンケンで順番を決める事にしたらしい2人。

 うん、平和的でいいとおもいます。


 ジャンケンしてる2人を見て、「じゃんけんぽん」と言いながら両手を、指まで全部前に伸ばしてるサクヤ、それはさすがにちがいますよ。


 あいこが続いてる間に、サクヤにジャンケンについて教えてあげた。

 ゆっくり、短い単語で教えてあげれば、大体の事は理解してくれるのです。

 というか、明らかにグーが気に入ってるサクヤ、いやパンチで決着を決める物じゃないから、ね?


 激しいジャンケンバトルを制したのはスズメさんだった。

 数えてないけど、20回以上はあいこだったと思う。


 村に勝利の雄叫びが轟いた。


 お風呂小屋のそばの河原で何かするつもりらしく、わたしとサクヤを抱きかかえてのっしのっしと歩くスズメさん。

 敗者のモズさんは、先にいろいろ準備をしてくるらしく、「1時間じゃぞ!」と言い残して帰っていった。


 移動の間、若干ひまになるので、スズメさんの名前をちゃんと教えておこう、たぶん自己紹介の時のは覚えてないと思うし。


「この人はスズメさんよ、スズメさん。言ってみて?」

「すずめさん」

 身をよじらせるスズメさん。


 小屋の前の河原に着いて、わたし達を下ろしたスズメさん。何をするのかなー。


「さて、何して遊ぼうか?どうせならなんか身に付く遊びがいいんだが」


 まさかのノープランでした。じゃあ、わたしがなんか決めてもいいよね。

 少し考えて、結論。


「じゃあ、この子ちょっと力が強すぎるみたいだから、手加減のしかた、とか教えたいかなあ」

「そういうのは得意だぞ、実体験的に」

 そうだろうと思いました。


 ちょっと考えてから、その辺の石を拾い上げて、上に投げながら

「できるかな〜?」と、サクヤに真似させようとしてる

 真似して石を投げるサクヤ。

 落ちてきた石をちゃんとキャッチするスズメさんと、石がどこかに飛んでったサクヤ……誰かに当たったりしてませんように。


 キャッチできなかったのがショックだったらしく、何回も石を投げるサクヤ。

 おー、さすがスズメさん、これなら石投げがうまくなりそうですね。

 で、手加減のしかたは?と思ってると、サクヤ的には楽しいらしくて、わたしにも石を持たせてきた。


 よーし、おねえちゃん頑張っちゃうぞー。


 しばらく色々と石を投げて遊んでいると、モズさんが迎えに来た。

 たしか1時間じゃぞって言ってたから、もう1時間経ったのね。

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