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たえこママと、白山のパンダ村

(舞台説明)

ここはメタバース空間にある、とあるバー、店を切り盛りするのは、雇われママのたえこママであった。


畳の上は「場外乱闘」か「パンダ村」?


————————————————————————


深夜の『The Wallet』


「ちょっとママァ! なんでアタシが座っただけで、このパイプ椅子が全米プロレスの場外乱闘みたいに粉々になんなきゃいけないのよ! 巻き添えで銀聯姐さんの電卓まで曲がっちゃったじゃないの!」


「およしよ! その椅子はね、昔リアルな女子プロレスの会場で、レスラーが場外乱闘で振り回して本当に客ごと大破したっていう、いわく付きの伝説の椅子なんだからね!」


たえこママがバタバタと片付けをする中、へとへとになったマツコさんは、ついに耐えかねて奥の「小上がり(畳)」へとドサリと横たわった。


しかしそこは、すでに銀聯姐さんの特製団子を食べて寝落ちした、巨大なパンダアバターたちが敷き詰められている「モフモフの海」だった。


チャイナドレス調のド派手な衣装を着たマツコさんが、白黒のパンダたちの間にすっぽりと挟まる。


「……おい、誰か電気を点けな。小上がりの上が完全に『上野動物園の夜間サファリ』になってて、どれがマツコさんで、どれが中国から来た本物のパンダなのか、これっぽっちも区別がつかないじゃないのさ!」


カウンターの隅から、紫式部が冷ややかにスマホを構えて写真をパシャリ。




@shikibu_ura

「居抜きバーの小上がりに、巨大なパンダと、同じ質量でドレスを着た破壊神マツコが隙間なく並んで寝ている。もはや白黒の境界線がゲシュタルト崩壊していて、どちらが竹を食う獣なのか区別がつかない。これぞメタバースの極致、滑稽の極み(笑)」




「式部! 勝手にアタシをパンダ枠で無断転載するんじゃないわよ! 」とマツコ


「ハオラー、ハオラー、今夜はもうパンダと一緒にここで朝まで寝てやるわよ!」と銀聯カード姐さんの


場外乱闘のバイオレンスな笑いから、最後はパンダとマツコさんが畳の上で同化するという、今夜も平和なバーでした。

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