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チート売りの少女/女神は最近の転生者が「普通すぎるチート」に飽きていると嘆き、斬新なアイデアを求めて私のところにやってくる!  作者: 弌黑流人


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【Cheat Ability No.66】等価消費型・富豪の財布(エンプティ・マネー)

ルミナリエ様を外に放り出した後、入れ替わるようにして、やつれた顔のメトリー様がワゴンに滑り込んできました。


「フェアカ……助けて。今月の神殿維持費と、限定フィギュアの予約代で、私の財布が砂漠化してるの……」


「……。神様がフィギュアの予約で破産しそうにならないで。いいわ、要望は『お金に困らない』でいいのね?」


フェアカさんは呆れつつも、金色の縁取りがされた禍々しい財布を取り出しました。


「これは『等価消費型・富豪の財布』。これがあれば、どんな支払いの時でも、中から必要な分だけの金貨が出てくるわ。代償として、あなたの『運』を少しずつ削らせてもらうけれど」


「運なんて後で神殿でお祈りして回復すればいいわ! 買うわ、それ!」


メトリー様はひったくるように財布を奪うと、満面の笑みで去っていきました。その直後、ワゴンが置かれた転生前広場では、次なる異世界への旅立ちを待つ勇者たちが、我先にとフェアカさんのもとへ詰め寄ってきました。


「俺には『走るのが速い』チートをくれ! 誰よりも早く魔王の城に乗り込んで、伝説の武具を総なめにするんだ!」


鼻息を荒くする勇者志望の男に、フェアカさんは事務的な手つきで一振りのブーツを差し出しました。


「はいはい、そちらは『光速突破・超加速アクセル・スター』ね。空気抵抗を無視して、瞬時に目的地へ到達できるわよ。ただ、代償としてあなたの『摩擦耐性』を消すことになるけれど……」


「最高だ! これで俺は伝説になるぜ!」


男はフェアカさんの説明を最後まで聞かず、ブーツを履くなり、広場の端にある転生ゲートへ向かって光速で突撃していきました。しかし、彼が音速を超えた瞬間、激しい発火とともにゲートの向こうへ消えていきました。


フェアカさんは、遠くで「うわあああ熱っ!?」と悲鳴を上げながら、真っ裸で転生していった男を冷ややかな目で見送り、紅茶を一口啜りました。


「……あら、話は最後まで聞くものよ。その『走るのが速い』チート、走る速度は光速ですが、摩擦熱で伝説の武具どころか今着ている初期装備まで全部燃え尽きて、全裸で異世界に降り立つ仕様ですので、返品不可ですよ?」


フェアカさんは溜息をつくと、帳簿に「成約」の印を力強く叩きつけました。


「チート、チートはぁ、いらんかねぇ……。空っぽの財布、燃え尽きた初期装備、さらけ出された本性。速すぎるのも、恵まれすぎるのも、身を滅ぼす毒になるわよ」


ご拝読ありがとうございます。

いかがでしたでしょうか?

メトリー様の「運」がどれくらい減っているのか気になるところ、お祈りの効果の範囲外だったらどうするんでしょうね。

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