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【210万字!】ロベルタ・ロサリタ ~ランジェリーデザイナーになった転生勇者が女の子たちに求婚され苦悩する?~  作者: しじみ汁
第四章二部 王都へ向けての旅

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第六十九話 セルギウスの強大な古代魔法

 2026.4.22 全体的に見直し、加筆修正を行いました。

「ふわぁ~あぁ あ~ぁ…… マヤ君おはよぉ~」


 私が部屋にある浴室でシャワーを浴びた後、裸のエリカさんが起きていた。

 二日酔いではなさそうだ。


「あのねエリカさん。ゆうべ俺に何かしたでしょ?」

「えっ? あぁ…… 帰ってきたらムラムラしてきて…… なんか美味しそうだったから摘まみ食いしちゃった。てへぺろっ」

「はっ……」


 私の分身君はテーブルの上に置いてあるおやつなのか?

 怒る気にもなれないので、それで終わりにする。


 ――エリカさんは裸のまま、シャワーを浴びに行った。

 彼女がシャワー室へ向かう後ろ姿を見ていると、黙っていればすごく綺麗なんだがなあ。

 まるで都会のシティホテルで迎えた、大人の朝のような気分になる。

 そんなのってドラマか映画でしか見たことがないけれどね。


---


 宿の食堂で皆と朝食。

 生ハムパンとコーヒー。パティだけチュロス。

 彼女はチュロス好き過ぎるよな。

 私は生ハムが特に美味くて、帰りもここで泊まってみようかなと思った。

 さてと―― 王都へ向けての旅、二日目だ。

 預けていた馬車は何事も無く、高いチップをあげた宿の馬車係に頼んだ監視の甲斐があった。

 私はセルギウスを召喚する。


「えーっと、エロエロヲッサンエロエロヲッサン! やって来い来いセルギウス!」

「マヤ様、それ何の呪文ですの?」

「気分的なもので大して意味は無いよ。おっ 出てきそうだ」


 ――ボムッ


『おいっす~!』

「おーいす!」


 この挨拶は、昔の有名コメディアンがやっていたので懐かしく思った。

 ほんの時々であるが、日本を思い出せることがあると何だか嬉しくなる。


「とりあえず、人参食ってく?」

『おお、もらおうか』


 人参と一緒に、切っておいたかぼちゃもあげた。


『このカボチャってやつも美味えな! なんで人間ばかりこんな美味いもん食ってるんだ?』

「アスモディアで育てれば食えると思うが、しないのか?」

『だいたい農作物はオークが作ってることが多いんだが、あいつら向上心ってものがあまり無いんだよ。でもあいつらがいないと俺らは草を食うしかないから、文句を言えないんだよな』

「大変だな。まあ召喚すればカボチャや人参ぐらい、いつでも食べられるよ」

「うむ、よろしくな」


 エルミラさんを呼んで、セルギウスを再びハーネスで馬車に繋いだ。

 よし、出発だ。


---


 オラージャの街を出発し、セルギウスが軽快に走らせる。

 出発から僅か十数分でカルサという小さな街を抜けると、何かすごく嫌な感じがした。


「エリカさん、この嫌な感じわかる?」

「ああっ もうジンジン来てるよ」

「マヤ様、私も感じます。もしかして魔物ですか?」

「だろうね。しかも大群だ」

「みんなわかるんだ…… すごいなあ。私にはさっぱり感じなかったよ」

「エルミラさん、臨戦態勢だ。セルギウスを停めて槍の準備を!」

「わかった!」

『それには及ばん』


 セルギウスがそう言うと、彼は進行を止めた。

 馬車の外へ出てみると、一、二キロ先に魔物の大群がいる感覚がある。

 その上空には、いつの間にか気持ち悪いくらいの真っ黒な雲がかかっていた。

 そしてセルギウスはブツブツ何かを言っていた。

 私には全く聞き取れない言葉だ。


「あれは魔神語よ! 人間の口では発することが出来ない、魔族の古代語だよ! セルギウスは何かやるつもりだから、気をつけて!」


 エリカさんはそう言うが、どう気をつければいいんだ。

 あの雲は雰囲気的に雷雲っぽい。

 馬に発音出来て人間には出来ないというのも不思議だなあ。

 そしてセルギウスが口を止めた瞬間……


 ――パカンッ パカンッ パカンッ パカンッ パカンッ パカンッ……


「「「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」」


 常識外れの稲妻の連続が、魔物がいると思われる場所に落ちている。

 女の子たちは耳を塞いでうずくまっているけれど、やっぱり雷は怖いよね。

 エリカさんが二十六歳でも、おっさんの私から見たら女の子だよ。


『ざっとこんなものだ。フッ……』


 攻撃が終わったようだが、雷鳴のこだまがまだ響いている。

 地面に落雷する瞬間の映像を見たことがあるが、あれは今の私でも逃げられない。


「あれはたぶん【コンティヌア・フルガル (Continua fulgur)】だよ。私も見るのは初めてだけれど、闇属性の古代魔法だね。まさかセルギウスがあんな魔法を使うなんて思いもしなかった……」


 エリカさんが地面に大股広げ、へたり込んでそう言った。

 ああもうっ グレーのぱんつ見えてるよ。

 セルギウスを呼ぶ召喚魔法の消費魔力が大きいから、以前のエリカさんではなかなか呼べないので見る機会が無かったのだろう。


「それより残った魔物の掃討と、恐らくデモンズゲートが近くにあるはずだ。エリカさん行くよ。パティとエルミラさんはここで馬車を護っていてね」

「わかりました。マヤ様気をつけて下さいね。」

『嬢ちゃんたちには俺がいるから、気兼ねなく行ってこいよ』


 そうして私とエリカさんは該当域へグラヴィティで飛んでいった。


---


 現地へ着くと、背丈三メートル以上の巨人が三十体ほど倒れていた。

 一つ目の巨人…、これはサイクロプスか!?

 某RPGでは終盤に近い強いモンスターでデザインも可愛らしかったが――

 これは本当に一つ目の巨人で、とてもグロテスクな姿だ。


 遭遇する度、だんだん強そうな魔物になってきている。

 この先はもっと強い魔物が出てくる可能性がある。

 周りを見渡しても掃討すべき魔物は見当たらず、サイクロプスは全滅していた。

 セルギウスの魔法はなんという威力なんだ……

 魔素探査を掛けてみると近くの林に強く感じるものがあったので、二人で行ってみた。


 ――デモンズゲートがすぐに見つかった。

 三メートル以上あるサイクロプスが出てきただけあって、でかい。

 こんな時に、ジュリアさんのお股パックリを思い出してしまった。

 確かに似ているが、とても失礼なので考えるのをやめよう。


 私はクローデポルタムを掛ける。


『我、彼方より来たる魔を討つ者也。美しき世界を我は望む。地獄の不浄なる門を清め給え。再び開くこと無かれ。クローデ ポルタム!!』


 でかいデモンズゲートはシュッと消えて無くなった。

 次はサイクロプスの死体を片付けなければいけない。

 エリカさんと手分けして、グラヴィティを使ってサイクロプスの死体を一カ所に集めた。


 いったんセルギウスの所へ戻り、火属性の魔法が使えるパティを抱えて連れてきた。

 彼女は最近覚えたという火属性の超上級魔法【ヘルファイア】を放つ。

 地獄の業火とも言うべく強力な火力で、ゴォォォ――という音とともに死体を焼き尽くして処理をした。

 あんな大火炎は前世でも見たことがない。じりじりと熱が私たちに伝わってくる。


 人型の魔物の焼却処分はとても見ていられないし、ニオイも酷い。

 荒野で周りに燃え移る心配は無いが、落ち着いたところでエリカさんが凍結魔法で遺体の灰を凍らせる。

 それからパティが土属性魔法で道から離れた場所へ穴を掘って灰を埋めた。

 時間にして約三時間足止めをくらってしまったが、致し方ない。

 片付いたところでパティを抱えて馬車まで飛んでいく。

 僅かな距離であるが――


「あ、あの…… マヤ様……」

「――ん?」

「いえ、何でもありません。仕方ないですからね…… モジモジ――」

「そっかぁ」


 パティのお腹のあたりを抱えて飛んでいると、彼女の胸が大きいから下乳がどうしても腕に当たる。

 わからないふりをして彼女の成長っぷりを感じているうちに、セルギウスの元へ帰ってきた。


「セルギウス。エリカさんが言っていたけれど、あの魔法はコンティヌア・フルガルって魔法なのかな?」

『当たりだ。察したとおり魔族にしか使えない魔法だな。雲を動かす天変地異の魔法だから、魔力量も一万くらい使う。燃費は悪いが、楽でいいだろ。はっはっは』


 あんな大魔法を使ってケロッとしているセルギウスは、実はかなり上位の魔族なのか、それとも魔族の基本体質は桁が違うのか。

 あれだけの力があれば人間の国を支配出来るだろう。

 だが、前にも聞いたとおりずっと昔は魔族が人間を襲っていたらしいが、今はそういうことが無くて、人間の文化が上がりお互いの精神的進化もあって利害一致関係があるとのことだ。

 未だ戦争一つやめられない地球の人間はどうしたものか。

 コンティヌイフルガル、クローデポルタムとも、ラテン語を使ってます。


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