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別世界

初めてで拙い文章ですが読んでいただけるとありがたいです。

 20xx年、あるVRMMOゲームが世界で流行していた。

 そのゲームの名前は『Another World』。

[異世界]と名付けられたそれは、世界で今までに発売されていたフルダイブVRMMOとは一線を画した人気を誇り、瞬く間に世界に広まった。

 『Another World』略して『AW』が他のVRMMOと違った点。

 それは、全てのプレイヤーが同じサーバーでプレイ出来ること、異世界をモチーフにした[職業]が無数に存在すること、戦闘職や生産職、補助職etc...のプレイの自由度。

 では無い。

 この『AW』が最も人気を博した点は、「リアルさ」と「現実時間の4倍で進むゲーム内時間」この2点である。

 これまでのゲームという物は、どうしてもシステムと言うものを「プレイヤー」に感じさせてしまう物だった。

 それは「NPC」との会話であったり、物を作った時であったり、戦闘中であったりと様々だったが、『AW』はそれらを解決してみせた。

「NPC」との会話では、同じ内容であっても全く違う話を聞いたり、冗談を言い合ったり出来たし、物の「製作」には本人の技量や遊び次第でいくらでも違うものが作れてしまうし、「戦闘」でも同じ事が言えた。

 他にも風や匂い、味覚、触覚などの全てが現実と遜色無い「リアルさ」だった。

 そして、4倍で流れる時間。

 これはゲーム好きの心を動かした。

 ゲーム内時間4倍速という奇跡がこの[異世界]をよりリアルにした。

 そう、多くを語る必要は無い。

 これは奇跡である。

 そして、今では入手する事さえ困難なこのゲームに、本日5月1日にある新規プレイヤーが降り立つーーーーー。






 などとナレーションを頭の中で思い浮かべながら、俺は初心者装備のプレイヤーが複数いる区画で、ある人物を待っている。

 その相手とは何を隠そう俺、「佐藤 隆二」の兄、「佐藤 圭一」である。

 俺は、兄貴が一人暮らしの準備で泡を吹いている隣で、ずっとこのゲームに兄を誘い続けていた。

 俺は余りゲームをしたことが無かったし、得意でも無かった。

 そんな俺がずっと勧めてくるゲームを、ゲーム好きの兄がやらない訳が無く。

 今日からやっと一人暮らしの生活が安定を見せた事で、このゲームに初ログインする運びとなった。

 そこで最初だけ手解きをして欲しいと言う兄の頼みで、自身も初心者に紛れて兄を待っているのだが、余りにも暇すぎて妙なナレーションが完成してしまっていた。

 ナレーションに嘘は無いが、色々抜けているし面白く無かったし、何だかもうだれてきている。

 と、そこに見覚えのある顔が近付いてきた。

「よう」

「おう」

 短い挨拶だが、まあ家族なんてそんなもんだろう。

「場所移すか、ついてこいよ」

 他所から見るとケンカにしか見えないが、まあ良いだろう。

「じゃあよろしく」

 そう言って兄貴がついてくる。

 手解きと言っても、俺ではそれ程教えられることもないのだが。



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