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ドッペルゲンガー1

 ドッペルゲンガー


1.


 悟が部室に入ってきた時、超常現象研究会の部室では部員の三人が前日に見たDVDの話をしていた。


 「私、昨日さ着信ありって映画を見たんだけれどそれが怖くてさ。」


 瞳がそう話し出す。


 「着信ありって自分の電話番号から電話がかかってくるっていう話だったよな。最近同じようなことが俺あったぜ。」


 瞳の話から急に思い出したように弘が話を始めた。数日前、弘のスマホに身に覚えのない番号から着信が入っていたらしい。誰かと思いかけなおそうとするも話し中で電話はつながらず。よくよく番号を確認してみたところそれは自分の電話番号だったというのだ。


 部室に入ってきて、彼らの話を聞いていた悟がそういった事例はたまにあるということを話し始めた。だがその大半は犯罪性の高いものが多く携帯の番号を偽装したものが多いとのこと。ついさっき話に出ていたような着信アリのような心霊現象のようなことがないとは言い切れないとも付け加える。


 「そういえば、似た話にドッペルゲンガーってあるよね。それもさっき弘くんが話していた話に似たものがあるね。」


 少し怖がりな沙織は苦手なホラー映画の話からすり替えるようにドッペルゲンガーの話を持ち出した。


 「あれもいろいろ説はあるのだけれど。」


 と悟が話を始める。今日の悟はどこか饒舌である。超常現象研究会とはいえいつも部室でダラダラと過ごしている四人である。たまにこうやってその類の話が出ると悟としてはいつも以上に饒舌になるのだ。ドッペルゲンガーとは自身の姿を自分で見る幻覚、自己像幻視とも呼ばれている。そのほかには同時刻別の場所で同じ人物が第三者から目撃される現象としてのほうが有名かもしれない。その起源は古く十八世紀末から二十世紀にかけ作家たちの題材として自己の罪悪感の投影として描かれることも多かったそうだ。また、ドッペルゲンガーのDoppelとはドイツ語であり二重、生き写し、コピーという意味を持ち、二重の歩く者、二重身と訳することができる。


 「ドッペルゲンガーを自身で見た人間は死に至るまたは災難にあうといった不吉の象徴でもある。まあ、今回の弘の着信に関しては携帯電話の誤作動もしくは、なりすましによる着信だろうね。」


 と悟は締めくくる。その途端、部室の空気は軽いものとなり弘を心配するというよりもどこか茶化しているような流れとなっていた。


 それから悟を除いた三人は馬鹿話をはじめにぎやかな部室の中、悟だけは部室のパソコンの前に座り、何事か考えに耽るのだがあまりにも自然なこと過ぎて三人は気づくことができなかった。あまりにも悟の顔が真剣なものとなっていることに。

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