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てんせい☆  作者: MAKI
156/230

【156話】地底都市2

石と化したミリア。


かばうような姿勢のまま固まっている。


「ミ、ミリアさん。。。」


マキは自分をかばう為に石化したミリアを見つめている。


「くそっ!よくもミリアを!」


「はっはっはっは、貴様もすぐに石にしてやる。」


そう言い放つと提督は再度剣を振りかざす。カオスはかつて見たことのないくらいの魔力をいつでも放出できる状態にしている。


「カオスさん…下がって…。」


小声でマキがポツリと呟いた。


カオスはすぐに冷静になり、素直に引き下がる。マキが怒っているのだ。


「なんだ貴様、こんな小さな女の子の後ろへ隠れるとは、赤い魔族とは情けないものよのう。」


剣を振りかざしたまま、そう言い放ち、マキに向かって先ほどと同じように剣を振り下ろした。


「まとめて石となるがいい!」


マキに襲い掛かる青い光線。だがマキは避けようとせず真正面から光線を浴びる。


「マ、マキさん!」


いくらマキでも真正面から光線を浴びるとは思っていなかったカオス。だが次の瞬間答えはでた。


「な、なんだ貴様は。なぜ石化せぬ。」


「それよりミリアさんを元に戻せ!今すぐ戻せ。」


提督は光線を浴びせたにもかかわらず、平気な顔をしているマキに再び光線を浴びせる。だが、先ほどと同じくマキはなんともない。


「な、なぜだ。なぜ石化しないんだ。」


焦った表情の提督、だがしょせんマキは小さな女の子にすぎないので、片方の手で物理的攻撃用の剣を取り、マキに斬りかかった。


怒ったマキは魔王やミカでないと止める事はできない。提督は両手、両足を折られ倒れ込んでしまった。


倒れ込んだ提督に再度問いかけるマキ。


「ミリアさんを元に戻せ。」


「うぐぐ、貴様はなんなんだ!」


もはや提督は混乱している。だが、マキは問いかけに応じない提督に更なる攻撃を加える。折れた両手、両足をさらに粉砕し、首から下の骨を折ってしまったのだ。


「早く言え、言わないのなら死ね。」


もはやいつものかわいいマキの面影は全くない。ミリアが恐怖したマキがそこにはいた。


「わ…わかった。い、いう…から、も、もうやめ…てく…れ。」


マキは攻撃をやめ、提督の言葉に耳を傾けた。


「石化を、も、もと…にもど…せるの…は、帝王だ…けだ。」


「その帝王とやらはどこにいる!」


提督は答えない、提督はすでに意識を失っていたのだ。


「マキさん、そいつはもう気を失っています。」


「カオスさん、提督のいる場所へ行きましょう。」


マキの表情は髪の毛が邪魔をして見えないが、かなり険しく恐ろしい表情のように見えた。


「わ、わかりました。」


ミリアは石化してしまっているため、即座に氷で作った箱で保護し、マキは建物の中へカオスとともに入っていった。


提督が倒された時点で数名の青い魔族は建物内へ逃げるように消えていった。だがマキ達が中へ入ると、防具で身を固めた青い魔族の兵士達が続々と現れ進路を阻もうとしていた。


「なんだ貴様らは!提督を倒すなど只者ではないな!」


「帝王はどこにいる。」


「帝王はこの奥だ!だがここは通さん!」


一斉に襲い掛かる青い魔族の兵士。だが物理的攻撃などマキには全く通用しない。かなりの数の兵士は一瞬にして消滅させられた。


(わしでも一体を戦闘不能にするのがやっとだったのに、あの数を消し去ってしまうとは。。。)


後ろをついていくカオスは、これほど怒ったマキは初めて見たため、若干余裕がなくなってきた。


長い通路の奥に頑丈な扉があった。


カオスがあけようと扉へ向かう。


「どいて、カオスさん。」


棒読みのような感情のない声で、カオスにそこをどくように告げるマキ。カオスが扉から離れると、扉はあっというまに溶けてなくなった。


帝王がいると思われる部屋は広大で、どこかの野球場並みの大きさがあり、天井には青い結晶が照明の変わりにぶらさがっている。シャンデリアの巨大版のようだった。


部屋の入り口から中央にかけて、青いカーペットが敷かれ、その先には階段があり壇上には大きな椅子があった。


カーペットを挟むように兵士が並び立っていて、まるでマキとカオスを出迎えるような雰囲気だった。


壇上の大きな椅子に座っている魔族がおそらく帝王だと思われる。


だがその部屋にはユキ達の姿はなかった。


マキは臆することなく帝王の元へ進みだす。虹色の粒子を撒き散らすその姿は、魔族でも天使でもないのだが、なぜか高貴なイメージを彷彿させる。


「お前が帝王か!石化したわたしの仲間を今すぐ元に戻せ!」


「そうだ、我が帝王アーサーだ!石化を戻せだと、それはこの者達のことか?」


「デ、ディオ!そ、それにユキ様、メアリー様!」


帝王アーサーの側近と思われる者たちがすでに石化していた三人をひきづってマキとカオスの前に並べる。


「こいつらはこの帝王に逆らった為にこうなったのだ。お主らはどうする?我に忠誠を誓うのならば奴隷としてこの地に留まる事を許可するが。」


「ユキ。。。メアリー。。。ディオさん。まってて、いますぐ元の姿に戻してあげるからね。」


帝王の話には耳を貸さず、石化してしまった三人に話しかけるマキ。


「ふふふ恐怖のあまり、おかしくなったか。仕方がない、ならばお主らも石となりこの地の礎となれ!」


帝王の両手が青く光り輝く、先ほど提督が使っていた剣と同じであるようだ。そして両手から青い光線を発射しマキに浴びせた。


マキは耐性があるのかは不明だが、青い光線に対して全く反応しない。


「こ、こんなバカな。なぜ石化しておらぬ。」


提督と全く同じセリフを言い放つ帝王。この地底内では青い光線の線量が地位と結びつくようだ。赤い魔族に例えると魔力の大きさで地位が決まるのと同じなのである。


「能書きはいいから、はやく元に戻せ!でないとあんたもひどい目に遭わせられるぞ!」


カオスが帝王に向かって叫ぶ、通路に並んでいた兵士達は一斉にカオスに襲い掛かった。


だが物理的な攻撃しかできないため、あっけなく戦闘不能となり、部屋にはマキ、カオス、帝王の三人と、石化し並べられたユキやメアリー、ディオだけが残っていた。


「赤い魔族の分際で、青い魔族に逆らうとは、ここから生きて帰れると思うな!」


帝王は通じない攻撃を何度も繰り返しマキに放つ、何度やっても通じない為、やはり提督と同じように物理的攻撃に切り替え、マキに斬りかかった。


「うぎゃあああああああああ。」


剣を握り締めた手首から先が飛ばされた。さらに両足の足首を切断され、その場に倒れ込んだ。


「早く元に戻せ、今すぐ戻せ。」


今度は片方の膝から切断。


「うわあああぁぁぁぁ、やめろぉぉ!やめてくれええ。」


「早く元に戻せ、今すぐ戻せ。」


肘を切断。


「わ、わかった、戻す、戻すからもうやめてくれ!」


このままではバラバラにされてしまうので、元に戻すから辞めて欲しいと懇願する帝王。すでに威厳の欠片もなくなっていた。


元に戻す方法は簡単だった。赤い光と緑の光を同時に石化した石に照らすだけでいいらしい。方法がわかれば帝王などに用はないのでマキはすぐさま帝王を消滅させてしまった。


方法を聞いたマキは光を作り上げ、ユキ、メアリー、ディオに向かって光を照らした。


石化はあっという間に解かれ、元の姿のユキ達があらわになった。


石化していても意識はあり、目の前で起こっている事は見えており、ただなにも動かせずなにも話せないのである。それは恐ろしい程の恐怖であり、石化が解かれた瞬間ユキとメアリーは泣きじゃくった。ディオは恐怖で立ちすくんでしまっている。


「カオスさん、ミリアさんを早く連れてきて。」


マキは石化が解かれたと同時にいつものマキに戻っていた。カオスは急いで氷で保護されたミリアを担いで運んできた。ミリアにも光を浴びせ、石化が解かれた。


「ミリアさん、わたしをかばってくれて本当にごめんなさい。」


マキはミリアに深々と頭を下げる。だがミリアは石化してからマキには青い光線を浴びても石化しないことが解り、自分のしたことはなんだったんだろうと思っていたので、頭を下げるマキが申し訳なく思えた。


「マキ様、配下として当然のことです。お気になさらないでください。」


「私はミリアさんを配下だと思っていません、大事な仲間だと思っています。」


大事な仲間だと告げられたミリアは、恐怖の対象でしかなかったマキを見る目がかわった。そしてとても嬉しかった。


「もったいないお言葉。これからもマキ様には忠誠を誓います。」


跪き忠誠を誓うと告げるミリア。


「マ、マキさん、ミリアも、そんなことよりどうしますか。」


魔界四天王の二人が子供のように抱き合って泣いてる姿を見たカオスは、どうしようかとマキに相談する。ディオは放心状態で床にへたれこんでいた。


「ユキ、メアリー、怖かったんだね、だけどもう大丈夫だよ。これからは知らない場所へ勝手に行っちゃだめだからね。」


二人の頭に手をかざし、その手からは金色の光が2人を包み込み、ようやく二人は泣き止んで落ち着きを取り戻した。


(い、いまのは魔王代理であるミカ様の能力では。)カオスはミカの能力さえも操るマキに驚いていた。


「ディオ、大丈夫か?」


「あ、ああすまん、迷惑をかけたな。おかげで助かったよ。」


カオスの声を聞いてようやくディオも正気を取り戻した。


「一旦引き上げよう、みんな帰るよ。」


とりあえず全員無事だったため、詳しい話を聞くためにも一度城へ戻る必要があると判断したマキは、地底から最下層へ向かおうと促した。

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