【154話】地下迷宮2
*****地下迷宮*****
建物のあった場所から地下通路へ降り立った3人。緑の苔が光り輝き通路を緑色に照らす。
「ここってどう見ても人工的に作られた場所だよね。」
「まあ自然にできた場所とは思えませんなあ。」
遠まわしに説明しろと言ってるように聞こえたミリアは、この通路や迷宮のことについて語り出す。
「私も詳しい事はわかりませんが、この通路はこれより参ります洞窟の入り口を繋ぐために作られたと思われます。ですがこの先にある洞窟は自然にできたのではないかと思っているのですが。」
「たしか地下500階層まで続いているんですよね。過去になんらかの目的で誰かが作った可能性だってあるかもしれないね。」
「マキさんの考える事は、わしらでは思いもつかないことばかりですわい。」
「まあいいじゃん!とりあえず進もうよ。」
一際小さい女の子が嬉しそうに魔物だらけの迷宮へ進んで行く姿もある意味恐ろしものがあった。
そして入り口にさしかかる。
「これより先が洞窟でございます。最下層にさしかかるほど魔物も強力になっていきますので、ご注意ください。」
「はーい。」
先生が生徒に返事をするような言い方にしか聞こえなかった。
洞窟は複雑で、地下1階から地下2階に行くには相当な距離があり、ゆるやかな坂で下層に降りる場所もあれば、穴だけ開いている場所もある。なにが出てくるかわからないので、カオスを盾代わりにし先頭を歩かせ、マキ、ミリアがそれに続く。
地下400階までの魔物は、カオスが持つ魔力のおかげで、魔物が寄ってくるだけで勝手に消滅する為、3人はただ洞窟を歩いているだけだった。
「なんも出ないね。こんなところにユキ達はなにしにきたんだろ。」
「マキ様、これより先が地上でも見られないような危険種が多数存在致します。」
「そうなんだー楽しみだ。カオスさんが魔物に食べられるところが見られるといいなあ。」
「わしなんかよりマキさんのほうが美味しそうですがね。」
冗談なのか本気なのか、マキの事をあまり知らないミリアには理解できなかった。もちろん冗談であるのだが。
以前メアリーと共にこの洞窟に修業にきたミリアもこの先はかなり苦戦し、かなりの日数を費やしたのだ。メアリーが付いていながら苦戦を強いられるほどの魔物だったので念をおしたのだが、それも無駄に終わった。
マキの出番もなく、カオスが全て始末してしまったのだ。わざわざ3人でこなくてもカオス一人で楽々最下層まで辿りつけるくらいカオスは強かった。
「カオスさんステキ。一人で全部倒しちゃうなんて。」
「ですが、最下層に近づくほど上級悪魔クラスの魔物がでてきましたよ。」
「そんなに強かったんだあの魔物。」
「はい、ですがユキ様やメアリー様はなぜいまさらこのような場所へきたのでしょうな。」
「だよね、しかも私の友達のディオさんまで連れてっちゃって。」
最下層に辿り着いた3人。学校の体育館くらいの広さがあり、壁以外何もない。なのでそこから先へは行き止まりの為進めない。だがこの場所だけ瞬間移動できるらしい。
「そちらにございます四角い岩から瞬間移動が可能になっております。」
ミリアは四角い岩を指差す。
「この岩から瞬間移動できるのに、この岩に瞬間移動することができないなんて不思議だよね。」
「そういわれればそうですな。」
結局ユキ達の発見には至らなかった。四角い岩周辺を見渡すマキ。一瞬だが何かが壁の向こう側から光って見えた。
「ん?なにか光ったような。」
壁に向かって歩くマキ、壁の奥から何かが光っているように見えた為、手を壁に差し出す。
「ああああああああ!こ、これって。」
マキの手は壁に吸い込まれた。
「なんと、このような場所にも。」
カオスはマキの吸いこまれた手を見て思い出した。過去にマキに案内した入ったら出られなく洞窟を。
「ここは最下層なんかじゃなくまだ先があったんだね。」
「ま、まさかこのような壁があるなんて。」
ミリアはどう見ても壁に見えるその壁が、実は魔力による錯覚だと全く気が付かなかった。
「これじゃわかんないよね。」
「ユキ様はこの先に進まれたのでしょうね。」
「うん、さっき光ってた物がここに落ちてるし。」
マキは一瞬光った物を手に取る。ユキがいつも頭に付けてる飾りだった。雪の結晶をかたどった飾りだ。
「そう言えばユキもあの洞窟にいたんだったけ。」
「そうですな、もしかしたらユキ様も壁の向こうから何かが見えたのしれませんな。」
3人は壁を潜り抜けた。以前カオスに案内された魔力で作られた壁とは比べ物にならないくらいの厚さの壁だった。
壁を通り抜けた3人は、目の前に現れた信じられないような光景に驚き立ち止まる。
「なんだこれは!」
「まさかこんな所にこのような場所が存在するとは。。。」
3人が見たものは、恐ろしいほど広い空間だった。
地上で例えれば3人が今いる場所は崖の頂上にいるようなものであり、そこから広大に広がる大地を見降ろしてしるような風景であった。
青く光り輝く水晶などで、その空間は青一色に染まっている。下の方はとんでもなく深いようでなにがあるのかさっぱり見えない。
崖から下を覗き込むとまるで魔界の果てにいるような錯覚さえ起こりそうなくらいだった。
「ここにユキ様はこられたのでしょうか?ですが下に行くには飛び降りるしかありませんし。」
「うむ、だが魔界に3人が戻っていないということは、やはりここしか。」
「あっ、見てみて!あんなところに階段があるよ。」
青一色で染まっている為、よく見えなかったが、確かに階段らしきものがあった。3人がそこに駆け寄ると、ユキが作ったと思われる氷でできた階段が延々と下のほうまで延びていた。
「やっぱここだったんだね。」
「ユキ様の好奇心にもこまったものですな。」
「何事もなければよろしいのですが。」
3人は魔界ですら知られていない未知の世界へユキ達を探すために階段を降りて行った。




