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用語・世界観設定

・精霊の箱庭・パルム(以下「パルム」)

 同シリーズ作品の舞台となる世界。地球や現代日本とは異なる世界で、時空の壁とかで分かれている完全な別世界。小説家になろうで通りのよい呼び名は「異世界」。

 世界の形状は、地球などの惑星と違って真っ平ら。トレイのように大地が広がり、ところどころに海や川があり、明確な〝世界の端〟が存在する。正しく箱庭である。

 精霊が作った世界であり、現地の人間はこの「精霊の箱庭・パルム」という呼び名を知らない。精霊王とまで呼ばれるこの箱庭を作った精霊が名付けた名前で、彼らと接点のある人間であればこれを知ることができるだろう。意味は「精霊の掌の上」。理由は後述の「キャラクターの名付けの法則」にて。

 地球で言う〝宇宙〟の概念がなく、〝空の向こう〟にはなにもないと言われている。同じように星もなく、空には太陽と月が浮かぶのみ。空というスクリーンに丸い照明が浮かんでいるようなもので、あくまでその照明の性能が太陽や月と同一であるというだけ。

 また、月の満ち欠けという概念もなく、同じく日食や月食の概念もない。これは世界が惑星の形をしていないためで、「宇宙がないのだからそんな現象は起こらない」という理屈である。

 地上には、凡そ考えられる全ての地形があり、平原や森林の他にも永久凍土や溶岩地帯まである。温度差も地域によって様々ながら、人が住む場所はすべからく肥沃な土地と資源があり、気候も生物に優しいもの。

 致命的な天災や疫病が起こることはなく、そこに住まう生物にとことん優しい世界となっている。これは精霊王の設計によるもので、地球の日本にあるような四季が存在する地域もある。

 言語はパルム全土で共通した様式のものが用いられており、国や地域によって様々だが識字率は概ね高い。

 言語形態は、英語圏のようなものではなく、日本語や韓国語のような音節言語。とりわけ日本語に酷似している。平仮名、片仮名に似た概念の二種類の文字を使い分け、文法などもほとんど同じである。

 このように、気候や地形、根付く文明や知性体、生態系などなどが地球と似ている。地球にはない要素でさえも、地球にある要素から想像・連想できるモノであり、これにはきちんと理由がある。



・救世主

 パルムを災厄から救い、守る存在のこと。先天性と後天性の二種類に分かれ、それぞれ法則や定義がある。

 先天性の救世主とは、生まれつきの救世主のこと。苗字に特徴があり、彼ら彼女らの一族が救世主の一族であることを示している。詳細は後述の「キャラクターの名付けの法則」にて。

 生まれつき、即ち、生まれた時から「救世主であれ」と世界に定められた存在であり、唯一無二の超能力のようなもの(以下「救世主の力」)をそれぞれが持ち合わせる。この救世主の力は家系によって様々で、しかしどれも強力なもの。

 ただし家系や一族云々は当人たちには自覚がなく、同じ血族の中から救世主が生まれるということを理解していない。苗字の特徴も地球の言語由来のもののため、それに現地人が気づくことはないだろう。

 後天性の救世主とは、救世主の力を持たないながらも、魔法の才覚や鍛錬によって先天性の救世主とも並び立てるほどの実力を持つに至った者。

 曰くつきの武器と契約することで超人的な力を手にし、救世主として呼ばれるに至った者もいるため、こちらの定義は曖昧。

 後天性の救世主は称号のようなもので、厳密な定義を定めるのなら「世界を滅びから救えるほどの実力がある者」。要は「魔王を倒せるなら救世主」とざっくばらんに言い表すこともできるが、〝滅び〟の種類によっては腕っ節ではどうにもならないことがあり、あまりアテにならない。

 また、先天性ながら救世主とは関係のない親から生まれた者もいて、そちらの法則は不明。突然変異と言うのが正しい。



・滅び(もしくは魔王など)

 世界の滅び。

 人や世界、精霊を恨んでパルムを壊そうとする輩がいたり、異世界から災害や怪物を喚び寄せてしまったり。はたまた、現地人がまかり間違って魔法を暴発させたり、人を襲う怪物が暴れたり。規模や被害も大小様々だが、総じて「人や世界に害をなす存在」と定義できる。

 逆に言えば、人や世界に害をなすのならなんでも〝滅び〟なので、ただの野盗や山賊などもこれに含めることができる。ただしそちらはまちまちであり、これの定義もそれなりに曖昧。

 後天性の救世主と同じく称号のようなものとして「魔王」があり、これは「人や世界を滅ぼせるほど力を持った存在」のこと。

 過去に何度も魔王が出現しており、彼らの動機や〝滅び〟となった手段は様々だったが、いずれもその時代の救世主たちが駆逐している。ただ、救世主側が全戦全勝というわけでもなく、魔王により壊滅に追い込まれた救世主たちもいる。



・キャラクターの名付けの法則

 作中に出てくるキャラクターたちには一定の法則がある。

 フランス語の人名辞典から引用する・先天性救世主の苗字は例外とする・「人類最強のお嫁さん」のノワールは例外とする・国名は造語とする……である。

 各作品の人物紹介にてキャラ名のアルファベット表記を記載しているが、これはフランス語の人名辞典からの引用。アルファベット表記の中に「ハイラキア」と「ブリッシュ」がないのは、作者の造語であるためアルファベット変換が不可能だからである。

 フランス語の人名を用いているのは、各国の人名辞典をパラパラ見ていた時に作者の琴線に触れる名前が多かったのがフランス語だから。

 加えて、男性名を用いた女性キャラは男らしく、男性名ながら女性っぽい名前を用いた男性キャラは中性的に、など。名前がキャラクターの性格に多少影響している場合もある。

 また、キャラクターの愛称は作者によって考えられたため、外国人の方から見るとおかしいかもしれない。

 先天性救世主の苗字はフランス語ではなく英語で、それも意味のある単語にしている。世界からの加護を持った救世主には「Bless(祝福)」、憎悪の力を用いる救世主には「Curse(呪い)」、箱庭を作った精霊の申し子には「Innocence(無垢)」……という具合である。

 各作品の人物紹介に、先天性救世主の場合は必ず「名前にフランス語と英語が混ざっているが気にしないこと」などという旨の記載があるが、それはこの辺りの事情が関係している。

 また、この世界の名前が「Palm()」となっているのは、この「先天性救世主の苗字は英語にする」という法則が関係している。

 ノワールの名前が例外――人名ではなく、フランス語の「黒」という単語――なのは、彼が突然変異の救世主だからである。

 国名を造語にしたのはメタな事情が絡んでくる。

 国名を馬鹿正直に「フランス」などとするわけにもいかず、かといって人名辞典から持ってくるのもどうかと思い、己の直感とセンスに頼った結果「ハイラキア」と「ブリッシュ」などが誕生したためこれを採用したのである。



・精霊

 シリーズの作品の内の一つ、「人類最強のお嫁さん」にて主に使用される設定。

 地球における精霊や、お伽噺に見られる妖精、日本の八百万の神、神話の創造神などをごちゃ混ぜにした概念。

 「地球における精霊」とは元素に連想されるエレメントなどのことで、「お伽噺の妖精」とは西洋で見られるフェアリーのこと。日本の八百万の神は言わずもがな、唯一神も同じくである。

 光精霊がいるのに闇精霊はいないのは、物質として光はあっても闇がないせい。

 精霊に人格があるのは、作者が抱くフェアリーへのイメージより。

 草精霊や木精霊という奇怪な精霊がいるのは、日本の八百万の神に準えて。たぶん米粒の精霊とかもいる。夜精霊もこれと似たような扱い。

 パルムを精霊が作ったという逸話は、神話の創造神から。精霊王がその創造神の概念に近く、彼は絶対的な力を持っているらしい。

 また、精霊には〝格〟がある。精霊王を頂点とし、単純な〝力〟の規模で決まるようだ。この〝力〟とは、救世主の力にも、生物が持つ魔力にも似ており、それらの中間のようなもの。

 力が大きくなればなるほど世界へ及ぼす影響が強くなる。例えば、ある程度の火精霊であれば火を熾すことができる、など。

 加えて、力の規模が一定まで大きくなれば知性を持つようになり、人間と同様に学習もするようになる。極めて人間に近しい思考回路を持っているらしく、〝人並み〟の情や性格がある。

 〝外見〟に類する概念を持ち合わせない存在。そも、視覚を初めとした人間の五感では捉えられない存在が精霊であり、知覚するには特定の救世主の力や特別な素質が必要。

 精霊を知覚できる数少ない人間の所感によると、彼らは煙やモヤのような見た目をしていて、それは目で捉えたものというより、「「そこになにかがある」という直感を中途半端に視覚に反映している」などという表現が正しいそうだ。



・精霊王

 上記の精霊の、その頂点に立つ存在。古くはパルムを創造した掛け値なしの創造神。

 存在の概念としては上記の精霊と似ており、精霊の持つ力を世界規模まで拡大して〝存在の格〟を一ステージ上げれば、新しい精霊王が誕生したと言える。そんな存在。

 人間が大地を見ても〝世界〟の姿がわからないように、たとえ精霊魔法の素質があろうとも精霊王の存在は知覚できない。人間とはスケールが途方もなく違う、月とすっぽんならぬ銀河とすっぽんレベル。

 とにかくすごい存在で、創造神の名に違わぬ力や権能、実績を持つ。

 また、〝世界への優先権〟を保有する。これは「子が親に勝てない」といった類いの絶対法則に等しく、精霊王にパルムの者が逆らえる道理はない。

 人間の基準で推し量ることができないだけで一応自我はあり、神様目線ではあるが物事を考えているらしい。

 パルムの人間はこれの存在を知らず、精霊魔法使いであっても知る機会はそんなにないと思われる。

 ――宇宙という概念で形を成した世界、その中にある無数の惑星の内の一例、地球と呼ばれるモノの写し身。

 そのせいか、精霊王の持ち得たリソースは、地球と同程度の世界を成せるだけの規模だった。



到竜(とうりゅう)

 精霊王が「精霊ではない、しかし自身と同格の生物を創る」という目的で全力を尽くした結果創造された、〝生物としての極点〟。個として完成した生き物。

 いわゆる西洋のドラゴン。

 パルム創造の前に、前述の目的によって創造された精霊王の被造物。

 頑張ればパルムと同レベルの世界を創造できるだけの力(実際に世界を創ることは不可能)、飲まず食わずでも生きられる構造、生まれながらに神の叡智を所有し、並大抵では傷がつかず病という機能はなく、殺されない限り死なない不老、生命力は一つの世界と同じだけ、世界の外側でも活動できる肉体……精霊王と同格なだけあり、洒落にならないとんでも生物である。

 〝生物としての極点〟という名は伊達ではなく、命あるものが目指すであろう至高の到達点。完成された生き物。

 パルム創造の時より存在しているため、精霊王と同じく〝世界への優先権〟を持つ。これは「子が親に勝てない」といった類いの絶対法則に等しく、到竜にパルムの者が逆らえる道理はない。

 パルムの世界の下、つまり世界の裏側に寝そべっているとされ、完成された生物故に行動を起こすことがなく、無気力なまま微睡んでいる。

 パルムに存在する竜種は到竜の影響によって生まれたもの。人間や動植物が〝世界の付属品〟としてオマケで精霊王に創造されたものならば、竜種は到竜の存在が世界に及ぼした波紋である。

 〝波紋〟の如く、竜種は到竜に近しいほとんど完璧な存在から、飛竜や果てはトカゲのように不完全に過ぎる矮小なものまで幅広い。

 到竜の存在は人間には知られていない。もちろん精霊王は知っているので、それらに関わることがある人間であれば知る機会があるだろう。

 また、竜種はすべからく到竜の存在を本能で悟っており、彼らならば到竜のことを知っている。



・神

 地球における、多神教の神話に出てくる神のような概念。ギリシャ神話やインド神話、北欧神話や日本神話などなど、そういった古い多神教に似ている。

 当時の人間の創作なのか、その時代にあった災害などの〝解釈〟なのか、はたまた神が実在したのか……それは定かではないが、ともかく神の物語を記した神話がパルムにも存在し、それを元にした神を信仰する宗教もある。

 パルムを作った精霊王とは別の存在で、恐らくは人々の空想。だが多くの人々がその空想を「真実だ」と信じることで、虚構は本物になるもの。名だたる神々は実在したと信じられ、実際に彼らから神託を受けたり加護をもらったりした聖女もいるらしい。

 救世主とはなんら関係がなく、精霊の類いとも関わりがない。人々が空想によって生み出したと思われる何者か。信仰を集めたことによる神格化、それを受けたなにがしか。これを「神」と定義する。

 出番の予定はない。



・魔法

 理論や過程を無視し、なにかしらの〝結果のみ〟をその場に発現させる技術、または現象のこと。

 一般的には、一部の生物が持ち合わせる「魔力」と呼ばれるエネルギーを用いて行う〝術者のイメージの投射〟こそを「魔法」と呼称するが、あくまで定義は前述の通り。

 なので、救世主の力を用いてなにかをなすことも、定義だけなら魔法とされる。精霊魔法や光の御子の技、黒勇者の力なども魔法である。

 救世主の力ではなく一般的な魔法なら、魔力を持つ者ならなんでも使える。人間だけでなく、竜種なども魔法を使えるらしい。

 一般的な魔法は、「魔力を体外に放出しつつ、放出した魔力を己のイメージする形に変形・変質させ、〝魔力そのものを結果にする〟ことで発現する」というメカニズム。例えば、魔力を放出しながらその魔力を水にすれば、魔法によって水を生み出すことができる、など。

 これはイメージと魔力の操作技術がキモとなるので、明確な修行方法が存在しない。ちなみに、術式や魔法陣などの概念は、一般的な魔法には見られない。

 基本的に、自分に合った修行でイメージを強固にし、数をこなして慣れることで魔力の操作技術を向上させていくことで上達する。ただし先天的な才能の類いもあり、向き不向きが顕著。持ち得る魔力の規模も人それぞれで、才能による違いが明確に現れる分野。

 また、「過程をすっとばして結果だけ出す」のが魔法なので、屁理屈ではあるが、「相手の死」という結果を魔法で用意することなども可能。ただし並々ならぬイメージの強度と魔力の力強さが必要で、常人にはまず不可能である。



・魔法具

 上記の魔法により、通常では考えられない効果・効能を付与された物品のこと。

 魔法の効果を物に封じ込めたり、それを使用するだけで誰でも魔法が使える、などといったものではない。

 例えば、石に「光を発する」という効果を魔法で付与し、それによって「光る石」を作る……それが魔法具である。

 物によっては、使用者や契約者が魔力を供給しなくてはならなかったり、魔力以外のエネルギーで稼働したり、自らで魔力を自給自足したり。魔法具ごとに、性能だけでなく特性や原理も千差万別。

 製作者の技量やセンスがダイレクトに反映されるもののため、魔法と同じく魔法具製作でも才能の差が顕著である。

 一般的には、夜間に用いる照明や、高級料亭や貴族の自宅の厨房などにある特殊調理器具、一部貴族や王族が所有する自動馬車などが存在する。

 また、制作に使われる技術は魔法と変わらない原理のため、魔法が使える者であれば誰でも作ることが出来る。



・魔族領域

 地球では見られない生態系や異形種が生息、または発生する、人類の踏み込めない領域。

 パルムの大気には、動植物に害がない濃度の魔力が漂っている。一説には、人間などの魔力を持つ生物は、この大気の魔力を吸収して自身に蓄えているのだとか。

 その大気中の魔力濃度は地域によって様々で、人類の生活圏の中でも差がある。その濃度が一際濃い領域が魔族領域であり、そのせいで異形種が生まれやすいのだとも言われている。

 ちなみに、その魔力濃度により、魔法を使用する際の感覚が微妙に異なる。微かな違和感を覚える程度のものだが、繊細な魔力コントロールを必要とする類いの魔法であれば無視できない問題だったりする。

 異形種は大抵が巨大な体躯を持つ傾向にあり、それは本来自重を支えきれないほどのサイズだが、魔力による肉体強化でこれを成り立たせている。この「魔力による肉体強化」が、魔族領域で生まれる種族に見られる特徴であり、また専売特許でもある。

 この魔族領域における独自の生態系は、平たく言えば「既存の生態系のスケールを大きくしたもの」。体長が大きくなっていたり、獰猛になっていたり、魔族領域の環境に合わせた異常な進化を遂げていたりと、スケールの大きくなり方は種によって様々。

 本来であればそのような生態系は実現不可能なのだが、魔力という不思議物質が全てを解決している。

 魔族領域とはつまり、〝魔力で超進化した怪物たちの坩堝〟。

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