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花凛:  作者: ぽん太郎
1:
12/12

花凛2‐4:

◇2‐4‐1:



さて、それより前に話は戻るにゃごけども……。花成(かせい)姉ちゃんの助手で花恵ちゃんの従姉妹にあたる(かなえ)さんはとある日の昼下がり、遠宮本家に(おもむ)いてたにゃご。



本館の地下管制室に通された鼎さんは、いくつものモニターに映し出された画像に目を()りながら【遠宮本家の管理人】東子さんからの苦情を道端(みちばた)のお地蔵さんのようになりながら黙々と受け止めてたにゃご。もちろん、その場には花京ママも花静さんも一緒にいるにゃご。



東子:お前さんに言ってもどうにもならないのは先刻承知だが……。1番ゲートはご覧の通り、周囲は雑木林になってるわ、車での侵入は無理だわ、挙げ句、哨戒(しょうかい)用のドローンを下げるとなると……逆に、この一帯は【訓練を受けてる】追手にとっては包囲網を展開できるから有利な場所となる。そんな中を大した訓練も受けてない女子高生が突破して辿(たど)り着けると思うか?



花成姉ちゃんも鼎さんも本家の御当主様から渡された図面とその一帯の地図だけで決めちゃったにゃごから……まさか、こんな困難なコンディションだとは想像もしてなかったにゃごね。



鼎:ホントにすいません!ご迷惑をおかけします!



鼎さん的には謝ることしかできなかったにゃご。これでどうにかやってもらうしかなかったにゃごから……。



◇2‐4‐2:



屋敷の管理人の東子さんも花京ママも花静さんも、見た目はマジで美人さんにゃごけども……。スッピンの顔に長い髪を後ろで(しば)ってタンクトップに短パン姿という、オマケに3人とも鍛えてるから意外とゴツイわ筋肉質だわで……とてもとてもブルジョワな家の高貴な婦人のイメージとはほど遠かったにゃご。鼎さんはその時点ですでにビビって尻込みしそうだったにゃご。



花京:花桂姉様もまた【プロ】なのであります。色々なプランを用意してると踏んでおいた方が良いでありましょう。屋敷のセキュリティーを(ゆる)くしておいて瑠華ちゃんたちをココまで泳がせて、この地に(あらかじ)め配置しておいた部隊で一網打尽(いちもうだじん)にして捕獲するみたいな……。ココで捕らえられる方が瑠華ちゃんのメンタルには相当ダメージがあるのでありましょうから……姉様的には『瑠華ちゃんが二度と屋敷を出て花凛ちゃんのところへ行きたい!』と思わせないような方策を採ってくると思うのであります。



花静:花桂姉ちゃんは【下の妹二人】にはずいぶんと手も焼いたし苦労もしてきてるもんな……。だもの、一人娘の瑠華には親の敷いたレールを行かせたいって思うのは【親の情】ってヤツだよな……。



鼎さんは【戦は心理戦から始まる】って、この時、思い知らされたにゃごね。胸の内では感心しながらも、分析の緻密(ちみつ)さ、思考の精度の高さをチャッカリ吸収してたにゃご。



◇2‐4‐3:



東子:と、なると……戦場はココになるな。でも……あたしらは一切、手出しすることはできない、哨戒(しょうかい)ドローンは全機、下げなくちゃならない……それでは援助の仕様がないだろ?お嬢様たちの幸運と無事をココで神に祈るのか?



一番の問題はソコだったにゃご。花京ママたちは手出しができないにゃごから、勝家叔父さんのBMWごと地下通路まで運べる7番ゲートを使うわけだったにゃごけども……。



花京:ここはひとつ……【プロじゃないけどプロに近い】二人に頼むしかないのであります。



鼎:プロじゃないけど……プロに近い?



鼎さんは花京ママたちと一緒にそんな二人の帰宅をリビングでお茶をしながら待つことになったにゃご。



◇2‐4‐4:



時間は午後4時を少し回ったあたり。リビングでお茶をしながら鼎さんは、上司にあたる花成姉ちゃんの昔話を色々と聞かされ、時に腹が(よじ)れるほど爆笑しながら、その時を待ったにゃご。



瑠依子:奥様、ただいま戻りました。



大きな開き扉の玄関が開くと同時に瑠依子ちゃんの声といくつかの足音が一緒に聞こえるにゃご。



花凛:つか、何なんだよ、急な用事って!?せっかく今日は部屋着を買いに行くわけだったんに……。



恵依:確かに……。花京ママが花凛たんに急な用事とかって、今までなかったもんな……。



その、すぐ後には花凛ちゃんたちの声が。



綾子:もしかして……お見合い話だったり?




紗世:……えっ、マジですかー!?もしかして……お相手は本家の瑠華お嬢様だとか!?



花凛:バカなこと言ってんな、紗世!女のあたしが瑠華とガチなお見合いしてどうするんだよっ!?だいたい、花桂叔母さんがそんなの、許すわけないだろーがっ!



◇2‐4‐5:



【いつもの陽気な面々】にプラスすることの新たにお側つきになった綾子ちゃんがそれぞれ手にエコバックを持ちながら、無造作に通学用の靴を足だけでポイッと器用に脱ぎ捨てて上がってきたにゃご。



花京:その、お見合い話……実は満更でもないのでありますよ、花凛ちゃん?



そんな花凛ちゃんたちの前にリビングから出てきた花京ママがイタズラっぽく言うにゃご。



花凛:はあーっ?そんなの、絶対にあり得ないだろーがっ?



花京:嘘ではないのでありますよ。現に、そのためのお客様が花凛ちゃんたちが帰ってくるのをずっと待ってたのであります。



それを聞いて、みんな、『マジかっ!?』って顔をするにゃご。つか、ここ、遠宮本家では夏休みがやってくるからボチボチあたしがやって来るんじゃないかって密かに(ささや)かれてたみたいにゃご。



厨房の業務用冷蔵庫に買い出してきた食材をしまったあと、リビングに(おもむ)いた花凛ちゃんに起立した鼎さんが深々とお辞儀をして挨拶するにゃご。つか、花凛ちゃんたちは鼎さんのことを知らないし、オマケに本家のSPみたく黒のパンツスーツ姿だったものだから、花京ママの言ってたことを思わず間に受けてしまったにゃご。



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