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第一章 特別な薬

連載します。

新選組のお話です。


新しい新選組の話は沖田さんの

治療の話が主にとなるかも知れません。

たまに、戦闘シーンがあるかもです。

再開したばかりなので


どう進むか判りません。

もし、良ければまたお付き合い

お願い申し上げます。


文久三年春。




桃の花が桃の節句を祝うように

綺麗に咲き誇っている。

あたしは今沖田さんと医者へ着いたところだ。中は薬を貰う患者や見舞いに来る

人達で混んでいるように見える。





『桃の花が綺麗だなぁ〜あいつにも見せてやりたいなぁ…』





振り返ると一人の老人男性が

切なそうに呟いていた。

沖田さんが思わず声をかけた。





『やぁ、今日和。いやね婆さんが今

身体を悪くしてしまってね…こいつが”綺麗に咲いたら花を見ながら茶でも飲みたい”って謂っていたのを思い出してな…』


『酷いんですか?』

『歳だからね…最近やけに掃除ばかりしていて…そうそう、滅多に散歩帰り

友達の家へ行かないでそのまま帰るんだが…寄っては茶を飲んで来るんだ…』


『…それって…』


『考えたくないけどね…』





あたしは沖田さんとお爺さんの

話を黙って訊いていた。

死期が近付くと人は身の回りを綺麗にすると、訊いた事がある。

友の自宅へ行くのも、”さよなら”の挨拶なんだとも…。沖田さんも切なそうだ…。





『久し振りに他人様と話をしたよ。有り難う…あんた、名前は?』

『沖田です』

『沖田君か…あんたも病気には気をつけるんだ。まだ若い…此処へ来たって事は

どこか悪いんだろう?』


『……まぁ…』

『大事になぁ…』






あたしはお爺さんと目が合った。

お互いお辞儀をすると、お爺さんは

帰って行った。





『何だろうね…あのお爺さん…』

『……?』

『親指に傷があった。古い傷じゃない…。けど…また彼には何処かで会うんじゃないかって…』

『何処かで…?』

『何だろう…何を謂いたいのか判らない』







沖田さんは背を向けて歩き続けるお爺さんを切なそうな目で見ていた。





『…桃の花か…』

『沖田さん…』






あたし達は中へ入る。

診察が終わったのか子供が泣きながら

お母さんの手にひかれ出て来た。

沖田さんはあたしお手製マスクをしているため表情が判らない。




『智香ちゃん』

『はい?』

『飽きた』

『え?』

『ぼーっとしてるのつまらないよ』

『それじゃつまっていて下さい』

『えー』






子供の沖田さん降臨…。

何で医者に着ても往診頼んでも

こうなるのかなぁ…大人しくしていれば

紳士的?に見えるのに…。






『皆は今頃何してるのかなぁ?やっぱり隊務に追われてるよねー?平助辺りは土方さんに怒られてるのかなぁ?一君は稽古好きだから剣の練習に励んでるんだろうなぁ?近藤さんは基本忙しい人だからそっちこっち歩き回ってるだろうし、あ、そういえば樋口はちゃんと僕の変わりやってるのかなぁ?』






沖田さん、少し黙りましょうよ!

ペラペラペラペラ喋りすぎですっ!

早く沖田さんの順番こないかなぁ?

隣りでずっと喋ってるし!



辺りを見ると患者さん達は疎らになっていた。そしてやっと沖田さんの順番が回ってきた。






『此処へ着て三月(みつき)ですが何か変わった事は有りませんでしたか?』


『んー?此と謂って何も無いですね』

『そうですか。血を吐いたりも無いですか?』

『無いですね』

『栄養の方は大丈夫そうですね?顔色が前より良い』

『彼女は色んな野菜を安く買ってきて

朝も昼も夜も野菜尽くしですから』


『健康的だね。確か沖田さんは釣りが好き何だよね?それなら魚も沢山採るといい。今の所優秀だよ』


『良かった。先生…僕は京へ戻る事は出来ますか?』

『君と君の病状次第としか…謂えんなぁ…』

『判りました』






沖田が立ち上がろうとすると

医師は止めた。




『一つ良いかい?』

『何です?』

『何か特殊な薬を飲んでいるかい?』

『いえ…どうしてです?』

『…いや…何でもない。呼び止めて悪かった。何か遭ったらいつでも謂って下さい。お大事に』





沖田はそう謂われると

診療所を出た。

医師の言葉が気になるのか

彼は智香へ何か特別な事をしているのか

訊く。智香は沖田の急な申し出に少し困った顔をした。





『どうしてですか?』

『うーん。実はさっき先生に謂われてさ。”何か特別な薬を”とか』


『それでですか。…此と謂って何も…。いつも通りに食事を作っているだけですけど…』


『そっか…ねぇ、あれ…』

『え?』




あたしは視線を沖田さんが

指差す方へ向けた。

そこには先程の老人と柄の悪い男の人が

何故だか口論していた。


沖田さんは仕事柄、とっさに二人の中へ

入って行った。






『何騒いでるのかな?良かったら僕に訊かせて貰えない?』


『あぁ?!なんだお前?!』

『僕?あんたに名乗るとでも?…このお爺さん、僕の知り合いなんだけど?』


『ほぅ…ならあんたが代わりに借金何処かで調達してきてくれるとでも?』


『ふぅん。どうせ悪い金貸し屋でしょう?インチキな奴らって沢山いるから』


『何を?斬られてぇのか?餓鬼が?!』

『僕とやり合うの?別に構わないけど?』




イケない!このままじゃ沖田さん

本当に戦闘体制に入っちゃうっ!

何とか止めないと…。



『駄目です沖田さんっ!今は休養中なんですよっ!』




あたしが止めに入った時だ。

後ろから聞き覚えのある声がした。




『総司、智香の謂うとおりだ』




あたしと沖田さんと先程の老人に柄の悪い

男が一斉に声の主へ振り返った。

そこには服隊を着た土方さんが険しい顔で

此方を見ていた。




『あれ?』

『あれじゃねぇよ!』





土方さんは沖田さんの胸ぐらを右手で

掴むと彼は両手を小さく挙げる。





『そういう土方さん…なんで江戸に…?』

『文に書いただろう?』


『あ…そうでした…ぇと…土方さん?逃げられちゃうんですけど…』





沖田さんがそう謂うと掴んでいた

手を離す。

一部始終訊いていたのか土方さんが

柄の悪い男に問い掛けた。





『何なんだよお前まで?!』

『何者か…そう訊いているのか?』

『はぁ?!他に何だって謂うだ?』



『俺か?俺は京の治安を護る、新選組副長土方歳三。此処へは仕事で参った次第。これ以上揉め事を起こせば奉行所やら何処かぶち込んでやるが?どうする?

正当な金貸し屋には見えんが?』


『新選組…けっ!お前ら新選組が恐いとでも思うか?!此処は江戸だ!京じゃねぇ!』


『江戸の奉行所には俺の知り合いが何人かいるが?』






そこへ江戸の奉行所の者が通りかかった。

あたしも沖田さんも勿論気づいた。

新選組の服隊を着た土方さんを見つけてのだろうか?それともこの騒ぎに気付いたのだろうか?


数名がやっていた。






『土方様では有りませんか…どうかしましたか?』

『おう。丁度良い所で着てくれたな。こいつが執拗以上に取り立てをしているらしくてな?恐らく、人の弱みに付け込んだたちの悪い金貸し屋だ』


『くそっ!』






男はこの場を、逃げようとした。

が、しかし土方さんの刀は鞘から抜かれ

男の背へ出されていた。


逃げるようなら斬る。

無言の言葉が男へ向けられた。






『観念するんだな』

『畜生っ…』


『こいつを頼む。それと一つ、こいつらをこれ以上泳がすと犠牲者が増えるだろう…主を見つけ出してくれるか?』

『はいっ!承知しました!』


『それと爺さん、あんたは借りた分だけ返せばいい』


『お恥ずかしい…有り難う御座います』






土方さんが居なかったら

どうなっていたのだろう?

そう思いながらあたしは連れて行かれる

男の背を見ていた。

一章目、如何でしたでしょうか?

ちょっと、土方さんを江戸へ呼んでみました(笑)


沖田さんの驚く様子を書きたかったのも

有ります!

次回は土方さんが何の用事で

訪れたのかを投稿します。



詠んで下さり有り難う御座いますm(_ _)m

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