第105話 ネタ魔法もどき
『『『コケコッコー』』』
あらゆる所から溢れ出てるニワトリ
「……冷静になればなんてことはない、こんなやつら」
『『コケっコケコッコー』』
「こんな鳥ど……」
『コケコッコー』
「なんてことは……」
『『『コケッコケッコケコッコー!!』』』
「うるせぇ! 鳴くことしかできないのか鳥ども!」
その通りだ、こいつらは鳴くことしとしかできない、ただただやかましいだけだ。
しかし、そのやかましさは精神面で多大なる攻撃を与えることができる。
「くそっ、……貴様! なぜこのやかましさで冷静を保っていられるんだ!」
そして、僕にはそのやかましさは効かない。
「ふっ、僕はこの状況でも、日常と同じように暮らすことができます」
そう、それは遡ること一週間。
早朝、僕はあまりのやかましさに目を覚ました。
『コケカッコー!』
「うるさ! 何こいつら! なんで当たり前のように僕の家の中の僕のベットの上にいるの!」
その少しあと、近くにある養鶏場で働いているおじさんが家に来て、事情を説明してくれた。
どうやら、最近、野良のヒヨコがよくおじさんの養鶏場に遊びに行っていたらしい。
そして、早朝に仲良くなったニワトリ達を連れて、集団脱走を開始。それを追いかけた先に僕の家に辿り着いたそうだ。
「その集団の先頭にいたのが…… そこのヒヨコです」
『ピヨ!』
「お前の仕業かぁ!!」
こうして、なぜか毎朝ヒヨコは養鶏場に行き、大量のニワトリを引き連れてくるようになった。
「結果、僕はニワトリの鳴き声なんか、朝のティータイムとなんら変わりないほどに慣れてしまったってわけです」
そして、そのニワトリをヒヨコに連れてこいと命令した。
1匹でも大変やかましいニワトリがこの数。冷静を保つことなど不可能だろう。
『コケコッコー!』
「うるさい! 焼き鳥にするぞ!」
そしてそれは僕も例外ではない。
「……全然冷静ではないじゃないか」
当たり前だ、このやかましさ、大変精神が削られる。
「まぁ、こいつを起こすのにはちょうど良いですけどね」
そう言いながら、悪友の頭を叩く僕。
「貴様、いつの間に! そこから離れろ!」
ニワトリに意識が向いていた内に、ぼくは冬至の所にたどり着いていた。
確か、洗脳の魔法を解くには、頭に強い衝撃を与えればいいんだっけ。
じゃぁ、日頃の恨みもこめて……。
「ぐはぁ! 何すんだこのヒヨコやろう……」
『コケコッコー!』
「……どうしたんだこのニワトリ? お前の新しいネタ魔法か?」
「まぁそんな所だよ。 そんなことより、はやく決着をつけておいでよ」
僕はすぐ隣に座り込む。
「……あぁ、少しまってろ」
そう言い、冬至は立ち上がった。
「すぐ終わらせてくる」
そう、このバカが本気なれば、誰にも負けるわけがない。
それを僕は知っている。だから僕以外にも分からせてやればいい。
あのくそジジイに、そして彼女に、証明してこい。




