表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺の女性不信が加速している件について〜美少女に取り込まれる地獄。それでも俺は一人でガンプラを組んでいたい〜  作者: 新詳カサト


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/17

第一話 俺の不信は始まった

期待するから、裏切られる。

 信じるから、傷つく。

 だったら、最初から全員『空気』だと思えばいい。

 誰とも関わらなければ良い。

それが俺の義務教育を経て学んだ人生観だった


桜の花びらが舞い散る、春の陽気。

 偏差値そこそこの共学校、道立 札幌北南高校の入学式。

 周囲の浮き足立った新入生たちの声が、耳に刺さるイヤホンのノイズキャンセリング機能でもカバーしき  

 れないほどの騒音がそこにあった 

俺、孤崎透こざき・とおるは、クラス名簿が貼り出された掲示板の前で、自分の名前を確認する。

 1年C組。出席番号12番。

出席番号から考えて3列目の前から二番目・・・黒板に近いな

「……はぁ」

小さく息を吐き、教室へと向かう。

 中学時代のあの出来事以来、俺の視界は色を失った。

 思いを寄せていた女の、眼を覆うほどの眩しい笑顔。

 親友だと思っていた男の、肩を叩く力強い手。

 そのすべてが、裏では俺を嘲笑い、陥れるためのフィックションに過ぎなかったと知ったあの日。

俺の中で何かが壊れ、そして代わりに一つの『フィルター(自己防衛手段)』が備わった。


教室に入り、予想通り3列目の前から二番目、前後が男、通路を挟んだ右隣が女、『ボチボチだな』

自分の席に座る。

「隣はまだ来てないのか」俺は周りを見渡す

隣のグループで笑い声を上げている右隣の女。『多分同じ中学の奴らが固まっているのだろう』

目は笑っていない。周囲の反応を伺い、自分の立ち位置を確認する計算高い眼光。


窓際で親しげに話している女二人。その一人の指先が、自分の髪を弄る回数が多い。

あれは自分を可愛く見せるための自己演出

または、自分の容姿が他人からどう見られているか確認しないと気が済まないのだろう。


ああ、鬱陶しい。

 どいつもこいつも、自己承認のためだけに生きやがって

 どんなエゴを、どんな打算を、その笑顔の裏に住まわせている?


「……うるさいな」

俺はイヤホンの音量を一段上げた。

 今の俺にとって、一番美しいのはメカの設計図や、整合性の取れたプラモデルのパーツだ。

彼らは嘘をつかない。

 組めば組んだ通りに形になり、無理な負荷をかければ素直に壊れる。

 人間のように、裏はないし塗装が剥がれることもない。最高だな。

俺はネットのB社のGプラの販売スケジュールを眺めていた。


「ねえ、君」


突然、鼓膜を震わせる声がした。

 音量を上げているはずなのに、すぐそばで響いたその声に、俺の肩が微かに跳ねる。

視線を横にずらすと、隣の席に一人の少女が座っていた

 整った顔立ちに、清潔感のある校章のブローチ。

 いかにも『優等生』を絵に描いたような、隙のない微笑み。

 俺が嫌いなタイプだ

「私、斉木さえき しずく えーと孤崎くんだよね、一年間よろしくね」

雫の目は、輝いている。

 純粋な善意。好印象の友達作り。そんなめでたい言葉が、彼女の周囲には渦巻いている。


だが、俺のフィルターは、彼女の微かな変化を見逃さない。

 彼女が足の、わずかな震え。

 そして、俺が「孤崎」という名前であることを、名簿も見ずに知っていたという事実。

もちろん俺は名乗った覚えもこの女と会った覚えもない


常人なら気にならないことを人間不信の俺は妙に考えてしまう

(……なるほど。もう始まってるわけだ)

斉木 雫 お前の目的は何だ?

 扱いやすそうな俺を駒にするための、最初のアプローチか?

 それとも いや考えないでおこう


嫌な予感が、全身の筋肉を支配し体が硬直する。

 心拍数が上がり、喉の奥が熱くなる。


誰とも関わらない・・・

俺はそう決めたはずだ。自分、そして他人を傷つけないために・・・


軽く息を吸い

「僕は孤崎 透 よろしく 斉木さん」

即興の笑顔、これ果たして笑顔なのだろうか


誰とも関わらない高校生活?

やっぱり最低限は人と関わらないといけないみたいだ。


ドアが開きスーツ姿の俺の担任であろう女教師が教壇に立つ。


さて俺はこっからどうなるのだろうか

早速、動き出した俺の女性不信メーターに憂鬱になりながら俺は姿勢を正す。


静かになった教室に女教師が口を開く。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ