Prologue
家族というものが瓦解したのは、僕がキッカケだったらしい。父、母、僕の三人家族だった僕の家庭は僕が産まれた事によって両親が離婚したんだとか。
だけど僕もなんだかんだで成長して17歳になった。
そんなある日、父の一言で現状が大きく変わる。
「あ、再婚するから」
「え???」
父親からの再婚宣言、驚かない方がおかしいと思う。だってもう再婚しないと思うってあんなに言ってたのに。
「再婚、するの????」
「うん、優希も大人になって来たしそろそろ再婚するのもありかなって」
「あぁ……」
「それに伴って義妹が出来ます」
「……え???」
拝啓神様、再婚しないと思っていた父が再婚すると宣言した挙句に義妹が出来る宣言を追加でして来た場合はどうすれば良いでしょうか。
「初めまして、優希ちゃん……よね?」
六月下旬の日曜日、その二人はやって来た。
新しく母になる人と、義妹。
新しく母になる人はパステルグリーンのワンピースに白い薄手のシャツを羽織っている。
義妹の子は紺と灰色のパーカーに膝までのジーンズ、紺色のシューズを履いていた。どちらかと言うと男の子っぽい服装をしている。
「初め、まして……」
声が上ずる、対人関係がどうも苦手な僕は初めましての人と話すと声が必ず上ずるのだ。
「私の名前は五月雨菖蒲です、今日から宇都宮菖蒲になるわね。これからお母さんとして頑張るわね」
「あ、はい……」
何処から見てもおっとりとした雰囲気の菖蒲さんはにっこりと笑うと隣に居た少女の肩を掴んだ。
「この子は五月雨史湊。今日からは義妹になるから仲良くしてあげてくれると嬉しいな」
「五月雨、史湊……さん」
カッコいい名前だなとおもっていると彼女が此方を見て、口を開いた。
「五月雨史湊です、よろしくお願いします」
礼儀正しく挨拶してくれる彼女達に対して僕も挨拶を返す。
「え、っと……宇都宮優希です、趣味は読書です。…よろしくお願いします」
ぺこりと頭を下げると菖蒲さんがくすくすと笑った、その笑いに悪意が無いことは分かっていても体が強張る。
「中に、父が居るので……どうぞ」
僕は深呼吸をして、彼女達を家の中に招き入れたのだった。




