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7/7

戦闘

さっきの音で目を覚まして臨戦状態になっているメグを担ぎ、窓を蹴破って外に出た。

2階だったが足に魔力を込めて着地。そしてナイフを構えたところで5秒たった。外はもうすっかり暗くてほとんど見えない。暗闇が見える魔法なんて使えない。まずい。かなりまずい。


「何?!なんなの?!」


メグは混乱している。一瞬のうちに移動しているのだ。無理もない。敵が降りてくる前にメグを下ろした。


「敵襲だ。ハンターが5人。」

「まずいわね。まだ寝起きでクラクラしてる。」

「おいおいおい、勘弁してくれ。」


ハンターも窓から降りてくる。

剣を持ってるのが四人。そして魔法使いが一人。さっき話しかけてきたやつは魔法使いで間違い無いだろう。多分かなりの手練れだ。


「傀儡く〜ん。君は今なら楽に殺してあげるけどどうだい?」


さっきの男が話しかけてくる。


「断る。」

「どうして?君はその魔女に協力する理由があるのかい?」

「ないな、そんなものは。勝手に生き返らされていい迷惑だ。」


メグがハッとこちらを向くのがわかった。メグは不安なのだろう。自分の魔法が完璧ではないことをわかっているからここで俺が裏切らない保証がない。


「ハッハッハッハ、聞いたか魔女よ。傀儡もろくに操れてないじゃないか。」

「ただ残念だったな。俺はお人よしでな、目の前の困った少女を見捨てれないんだ。」


ヘラヘラとした奴の顔が一気に真剣になった。空気がひりつく。


「交渉決裂ですか、、、それじゃあしょうがない。後悔しながら燃え死ぬといい。ファナド!」

杖を前に突き出し、先からうねるような炎がこちらへ飛んできた。お互い避けたが左右に分断されてしまった。

分断はまずい。さっきメグの手が震えているのが見えた。おそらくメグは戦い慣れてない。


「お前たち!魔女本体を狙え!」

そう声が聞こえた瞬間、魔法を発動。


剣士四人にナイフを投げて、魔法使いは切りつけたあと蹴り飛ばした。そして時間は進み出した。

理想は速攻で奴を無力化してメグに加勢すること。剣士と魔法使いはおそらく魔法使いが不利だ。でもさっき投げたナイフはおそらく足に当たっていて剣士の機動力を削げている。そして何よりメグではおそらくこいつに太刀打ちできない。明らかに魔法使いとしての格が違う。


「いてて、あんまり抵抗しないでほしいんですけどねぇ。」


奴はゆっくり起き上がって肩をはたいた。切った感触があったのにぱっと見、出血していない。服の下に何か着込んであったのか。


「どうしてネクロマンサーを殺そうとするんだ。同じ魔法使い同士じゃないか」

「あなたはまだ傀儡になりたてで知らないかもしれませんが、ネクロマンサーは呪いなんですよ。はるか昔、魔族が使っていた魔法が人間に呪いとして残ってしまったんです。死体を操る魔法、あの魔女が今後成長して軍隊を従えたりする可能性もある。そんな危険因子を見逃すわけにはいかないんですよ」

「あの子の魔力量でそんなことできない。だから見逃してくれないか?」

「無理な相談ですね。そんなこと関係なしに教会ではネクロマンサーを人間と認めてないので司祭ヤグルマス・エルメスとして、絶対に見逃しませんよ。」

「さっきの話はなんだったんだ。」

「絶対に逃しませんよというだけです。」

「そうかよっ!」


ナイフを一本思い切り投げつける。少しだけ魔力を込めて早くしたのに難なく避けられて、さっきの炎魔法が飛んできた。この炎魔法は威力こそ申し分ないが遅い。範囲もそこそこ。簡単に避けれた。

右に回り込みながらナイフを投げつける。最初で4本、今の戦闘で4本消費した。残りは2本。貴重な中距離武器なのでこれ以上使えない。

リベラは射程範囲ギリギリで時間停止を発動。リベラの算段ではここで足を斬りつけて奴を行動不能にしてメグに加勢するつもりだった。


誤算


ヤグルマスはリベラの魔法を高速移動もしくは瞬間移動と思っていた。でも、さっき2回からリベラ達が逃げた時、窓が割れていたため瞬間移動ではないと踏んだ。なので間合いを詰めてきたリベラを迎撃すると見せかけてリベラが魔法を発動するより先に炎の壁を全身に展開していた。リベラはこの壁を見て足が止まってしまった。

これが物理の壁だったら突破できずにカウンターをくらう可能性があったから。リベラは防御魔法を覚えていない。至近距離で傀儡の弱点である炎魔法を喰らったら死ぬと直感した。何もできずに時間停止が終了した。

10秒。もう一度時間停止が使えるまで10秒。


「あれ?魔法使わなかったんですか?それとも使えなかったんですか?」

「、、、使わなかった」

「嘘なのバレバレですよ。明らかに魔力減ってるじゃないですか。その魔法何回も使えないでしょうしこれからジワジワ削っていって魔力切れになって動けなくなったところを燃やします」

「べらべらとずいぶん余裕じゃないか。」

「当たり前ですよ。ここでゆっくり戦って、あっちが魔女を殺したらあなたも死ぬんですから。あなたはもう少し焦ったらどうですか?」

「焦るも何も、俺はあの子の加勢を待ってるんだ。」

「残念ですね〜あの子は人を殺せませんよ。戦うのも初めてでしょう。あの魔女を買い被りすぎです。分断された時点であなたの負けは決定したようなもんだったんですよ。」

「残念だが、あの子の強さを測り損なった、お前の負けだ。」


次の瞬間、暗闇から暗闇から棘の生えたツルがヤグルマスを拘束して壁へ投げ飛ばした。さらに投げ飛ばした場所へ、メグは杖を向けて『ラクド』と連呼。植物の種のようなものがヤグルマスがめり込んでいる壁へ飛んでいった。

増援が来る前に俺たちは逃げた。路地裏を抜けてこっそりこの街を後にした。

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