㉓奇人貴族
24時間1時間に1話更新これで最後です。
《ゲイブ視点》
冒険者ギルドがオットー商会と手を組んだことで、商機を逃した商業ギルドは裏社会の人間にオットー商会と【道化師の食卓】を始末するように依頼した。
「久々の荒事だと張り切ったのに、弱すぎないか?」
ジェイとマリーがキャンプ地に帰る所を待ち伏せしていた男達を拘束しながら言う。
「商業ギルドの命令をこなすだけの羽車の実力なんてこんなものっす。」
部下のアレクは淡々と答えた。
「他の報告は入っているのか?」
「報告はありましたけど、ここより退屈らしいですよ。」
ユアを狙うチンピラは魔法ギルドの精鋭に捕まり、コルトを監視したものはドワーフの一団に追いかけ回された。
スローを狙う奴はルドの目から見逃すはずがない。
「若は、殺しても死なないから聞く必要もないか(笑)」
昔、ギャングの元締めをしていた時代に若と揉めたことがある。
傘下の者が若の友人に詐欺行為をして、逆に賠償金を踏んだくり、その家族まで型にはめようとした。
ギャングの俺たちよりあくどいし、舐められたら終わりの世界だから、激しく衝突した。
お互いに知恵と暴力で対抗し、どちらかが死ななければ終わらない段階まで進んだ。
「全面的に降伏するから命だけは勘弁してくれ。」
若が全面降伏してきた。
正直な話、あちらは表の看板もあるから領兵の力も借りれたのでこちらが不利だったのにも関わらずだ。理由を聞くと
「面白い世界を見るためだ。」
それだけ語った。
若の顔は輝いていて妙に気になった。
多額の賠償金を支払うと言ったが一つ条件を出した。
「命知らずのアンタが惚れた相手に会わせてくれ。」
命の取り合いした男の心変わりした理由が知りたかった。若は悩んだが食堂に連れて行って唐揚げを食べた。
たかが食べ物が衝撃を与えるとは思わなかった。美味しくて、感動を与え幸せを与えてくれた。
「これを作った奴が私を変えたんだ。」
そう言うと笑顔で唐揚げを口に入れる。
「俺も変われるかな?」
「ああ、変われるさ。」
試合には勝利したが勝負に負けて、若の傘下に入った。
「屋台へ、次は従業員を狙うだろ。
後は手はず通りに。」
「了解っす。」
屋台の場所に行くとスローやルドは居らず、ニギアと子供達が並んで野菜の皮むきをしていた。
ルドは優秀だが本命以外をおろそかにする癖がある。
誰も配置しないのおかしいだろ?
それでも、微笑ましい光景だなと離れた場所で見ていると
チンピラが近寄ってきた。
「ちっ、らしくない考えをするから⋯⋯。」
自分の愚かさを後悔しつつチンピラを排除する。
子供の前でやり過ぎたかと考えていると
「おじさん!超強い!」
「おじさんは勇者ですか?」
俺は顔が怖いらしく、子供に泣かれるか逃げられる経験しかしてなかったから驚いた。
「ありがとうございます。助かりました、あの人私に気があるのかしつこくて⋯⋯。」
決闘関連の事ではなかったらしい。
「ルドの関係者だ、礼には及ばない。安全は守るから安心して作業してくれ。」
元の場所へ戻ろうとすると
「おじさんもやろ?」
「これ、簡単に皮むけるの!」
自慢げにスロー考案のピーラーを見せてくれた。この道具に興味もあったから4人並んで皮を剥く。
好奇心の塊の子供達の質問に答えながら、穏やかで平和だな⋯⋯。
「人見知りの激しいこの子たちが、最初から心を開くなんてオットー商会の人は皆こうなんですか?」
少し驚いて子供達を見ると2人は笑顔で俺を見る。
「さあな?昔ヤンチャしていたが、今は改心したの伝わったんじゃね?」
「パパたちも好き♡」
「パパ?」
未亡人と聞いていたけどパパとは誰だ?
何となく腹が立つ!!
★
《ナレーション》
水面下では色々な動きがあったが大した出来事も無く【決闘】当日を迎えることになる。
【道化師の食卓】は勝利できるのか!?
お読み頂きありがとうございます。
この作品はプロットには無いキャラが暴れ長くなりました(T_T)




