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⑯最弱ヒロイン登場

無謀企画進行中

《スロー視点》


「皆、久しぶり!スローだよ。」


「何を突然意味わからないことを言ってんだ?」


「自分でも良くわかんない(笑)」


「何だそれ(笑)」


 無事に契約も済ませて、マリーを迎えにもどる。

 昨日の【肩甲骨歩き】で疲れたのかマリーが全然起きなくて、置いていくか考えたら、獣人夫婦がやってきたので任せた。


「マリーの機嫌が悪くないと良いんだけどな。」


「最悪、甘い物作ったからそれで機嫌をとるよ(笑)」


「オレ、機嫌悪い甘味求む(笑)」


「それこそ、マリーの機嫌悪くなるだろ(笑)」


 そんな話をしながら戻ってくるとマリーの笑い声が聞こえて一安心。

 中に入ると戦慄!獣人夫婦は、男性特有の急所攻撃を指南していたからだ!


「人の妹に何を教えているんだよ!!」


「本当にそうですよ。マリーが【ゴールドクラッシャー】って呼ばれたらどう責任取るつもりですか?」


「マリー、ウルの娘にする。」


 背後でティマがウンウンと頷く。

 2人で文句を言っていると衝撃が!!

 女性には理解できない痛みにボクもジェイも崩れ落ちる。

 何とか振り返ると満面の笑みのマリーの姿が⋯⋯マリー恐ろしい子⋯⋯ガクッ。



 数分後、ボク達の尋常じゃない様子にマリーは泣きじゃくり謝罪していた。

 片隅には正座して反省する獣人夫婦。

 ちょっと強めに当たっただけで尋常じゃない痛みだから、余程のことがない限りしてはダメと力説した。


「マリーは、悪い奴にしかしないの!」


 それは正しい。でもマリーの機嫌を損ねたらまた、ホグたちも味合うのだろうか?


 こんな痛みは後にして、3人でテントを買いに行く。

 家賃収入は出来たが、若手特典を有効に利用すればジェイ達はお金が貯まるからね。

 他の若手と違って必死に稼ぐより、計画的に鍛えて技術を得た方が絶対いいもんね。

 ガバメントさんにオススメの中古屋を聞いていたのですんなり買い物は済んだ。


 いよいよ、2人は冒険者デビューする為に【ロブ】の街を出る。

 2人の職業適性が不明だから本当に簡易的な装備だ。

 後はナイフとスコップ。

 常時依頼の薬草採取とゾンビ退治をするつもりだ。

 アルデンテさんの言ったとおりなら、荒れ果てた薬草群生地は復活しているはずだ。

 楽しそうに歩く2人を見て、ゾンビを初めて見た時のリアクションも楽しみだね(笑)


「きゃー!」


 悲鳴が聞こえて駆けつけるとフルメイルを着た女の子が数話の兎(動物)にボコボコにされていた。

 この世界でも兎は草食で大人しく、臆病なはずなのだがなんでこんな状況なのか謎である。

 因みに魔物で兎タイプもいるけど、肉食で凶暴です。

 所詮、兎の攻撃力金属のフルメイルを攻撃し続けても死ぬことはないだろうけど⋯⋯。


「助けるか⋯⋯」


 魔物ではない最弱にやれているのを見て呆気にとられていたジェイが動く。


「マリーも助けるの!」


 2人が動くと本来は臆病な兎は逃げ出した。

 だがジェイの重力魔法で動きを止められマリーがナイフでとどめを刺した。

 初戦闘でなんなのこの連携!?

 ボクは【天才】と呼ばれるのが苦手というか、嫌いだけど2人は天才だと思う。

 さて、彼女に話を聞こうかな?



《最弱少女視点》


 ワタシの名前は【ユア】14歳。

 実家は代々、魔術師を輩出している。

 祖父と父は、貴族ではないが魔術関連の仕事で高い地位にいる。

 なのに、私は属性魔法の才能がない(T_T)

 魔力操作で無属性魔法がコントロールできるから魔法の才能がないわけじゃない。

 父はワタシに期待をしていただけに、大きく裏切られた気持ちだったみたい。

 才能がないとわかるとお見合いを勧めてきた。

 血筋は良いのだから、魔法適性の低い貴族なら喜んで貰ってくれる相手はいると言われた。


 捨てられるのだと落ち込んだ。

 そんなワタシを見て祖父が


「【職業】を得て魔法に目覚めた人もいる。ユアが成人するまでは見合いを待ってみないか?」


「父上【魔法戦士】伝説の話ですか?ユアには無理です!」


 魔法戦士伝説とは魔法のない一般の兵士が突然魔法に目覚め英雄になる。お伽噺だ。

 父が無理と言ったのは、ワタシの運動神経が壊滅的だからだ。

 何もないところでコケまくるし⋯⋯。


「ユア、見合いが嫌なら必死に足掻いてみろ!僅かな奇跡を手繰り寄せるのだ!」


 祖父の発言に父も折れて成人までに魔法に目覚めなかったらお見合いをする事で話がまとまる。

 後から話を聞いた母上は【軽量化】が付与されたフルメイルを買ってくれた。


「魔術師になりたいあなたの気持ちはわかるわ。

止めても聞かない子なのも理解しています。

コレを着て少しでも安全に行動してね。」


 母上は笑顔でいいましたが、隣で顔を腫らしている父上はどうしたのですか?とは怖くて聞けなかった。


 一応、冒険者登録はしました。【ロブ】を出入りするのに手続きが楽なのです。

 ワタシは弱いので、討伐依頼を受けると達成できないので違約金が怖いので受けません。

 狙うのは最弱の普通の兎です!魔物じゃなくても若干の経験値が入りますからね!


 意気揚々と兎と対峙しましたが、攻撃は当たらず転んでばかり(T_T)

 挙句には、最弱の兎に格下認定されたのか集団で攻撃されました!

 鎧のおかげでダメージはありませんが音が響いてうるさくて怖いです。

 悲鳴を上げながら兎が去るのを待っていると声がして音が止まりました。


 バイザーを開けると助けてくれたのは、白馬の王子様ではなく幼女でした。



お読み頂きありがとうございます。

プロレスも好きです。

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