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美少女嫌いの俺が女優の年上美少女と疑似交際を始めたら……知らない内に重くなっていた(困る)  作者: 9bumi


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第15話

 憧れの牛久先輩とお話しできて、昨日は本当に最高だった。冗談抜きで、人生で一番心が躍ったような気がする。

 そして今日は、その余韻を感じながら、ダラダラとした一日を過ごす予定だった。


「だったのだが……」


 時刻は、午前九時を少し過ぎた頃。

 いつもなら、ベッドの上でまだ惰眠を貪っている時間帯。


 俺は外に出るための着替えを済ませ、洗面所で髪型を整えていた。


「何、今日もどっか行くの?」


 寝ぐせのついた髪の姉貴が、洗面所の中へ入って来る。

 丸一日、熱海で遊んで帰ってきた割には早いお目覚めだ。


「金沢先輩に呼び出された」

「は、また……?」


 姉貴の表情が曇る。

 金沢先輩との交際が疑似交際であることを知っている姉貴からすれば、違和感を覚えるのは当然だ。


「ねえ、私から何か言ってあげようか?」


 珍しく、姉貴が俺に気を遣ってくれた。明日は雪でも振るのかな。


「何よ」

「いや、何でもない。特に姉貴が何かするようなことはないから」


 姉貴からすれば、俺が金沢先輩に連日付き合わされているように見えるかもしれないが、それは違う。

 昨日は、俺が金沢先輩に付き合ってもらったのだ。いや、撮影現場の件があるので一概にはそういえないけど……。

 牛久先輩とお話しするのが楽しくて、邪険に扱ってしまったこともあるので、俺としては早めにその分のお詫びをしたかったのは確かなのだ。

 まあ、休日続けてというのは勘弁して欲しかったが。


「それじゃ、行ってくるわ」

「ん、行ってら」


 姉貴に見送られる形で、家を出る。

 思ったけど、今日のも今までだったら完全に冷や冷や案件だ。

 寝起きというだけで、姉貴はいつプロレス技を仕掛けてくるかわかったものではなかった。

 それが今日は、普通に会話をして、お見送り。

 一般家庭ではそれが普通でも、俺にしてみればこれは奇跡という他ない。


 それもすべて、金沢先輩が俺を疑似交際相手に選んでくれたから。

 そう考えると、休日続けて呼び出されたくらいで、文句は言えない。


「と、感謝それくらいにしておいて」


 俺はどうマンションの敷地から出ようかと思想を巡らせる。


 昨日は油断して、りりあに捕まってしまった。 

 今日はそうならないようにしなければいけない。

というより、昨日邪険に扱ってしまった分、普通に会うのが怖い。


 マンションの敷地を出るには、エントランスからの正面突破か、階段を使って裏口から出るかの二択になる。


「よし、エントランスから出よう」


 特に深い理由はない。純粋に、二回連続で遭遇することはないだろうと、高を括ったに過ぎない。


 普通にエレベーターに乗り、エントランスに出る。そして――


 よし……っ!


 誰もエントランスにいないことを確認して、心の中でガッツポーズを取る。

 ちなみに、外に出てすぐのところで待ち構えているという線はない。

 外で待ち続けるというのは、傍から見たら不審に見えるし、季節によっては体調を崩しかねない。

 あんな感じのりりあだが、その辺はよく弁えている。

 そのため、この時点で俺の勝利は確定したというわけだ。


 俺は心の中で一息ついてから、待ち合わせ場所の隣町に向けて出発するのだった。


         ※※※


 ふふ、本当に見心は単純なんだから。


 私、仙川りりあは、マンションを出てすぐ近くにある電柱の物陰に隠れながら、安心しきった様子で駅の方向へ歩き出す見心を見つめる。


 あの様子だと、恐らく今日もあの女と会うのだろう。

 

 正直にいって、すごく不快だ。

 

 だけど、見心は悪くない。

 悪いのは、見心を無理やり付き合わせているあの女の方。

 何とかして、別れさせなければ、取り返しのつかないことになる。


 今日は、あえて見心には声をかけない。

 昨日の態度から、見心に別れるよう仕掛けても難しいことがわかった。

 だから、狙うのは女の方。


 そのために、今日は敵情視察だ。

 あの女が、どういう女なのか、見極めてやる。


 見心に気づかれないように、私はこっそりと彼の後をつけ始めた。

 ちなみに、今まで百回以上同じようなことして、バレたことは一度もない。


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