86/365
猫又の噺
人家に飼われつつ、歳を経た猫は『猫又』という妖怪に変化するという。
猫又になった猫は人語を理解したり、人を惑わす妖術を扱うようになると言われている。
伝承では飼われていた恩義を忘れ、飼い主を食い殺してすり替わるというものが多いが、金銭を与えたり、命を救ったりする話もある。
◇
とある商家に飼われている猫が猫又となった。だが、妖怪になったと喜んでいるところを運悪く家人に見られてしまった。
「長い間お世話になりました。猫又になったところを見られてしまったからには、もうこの家にはおれません。どうか、これからも健やかにお過ごしください」
「そんな悲しいことを言わないでおくれ。他の者には黙っているから」
「いいえ。尾の分かれているところを見られた以上、オワカレでございます」
読んでいただきありがとうございます。
感想、レビュー、評価、ブックマークなどして頂けると嬉しいです!




