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怪談 しゃれこうべ  作者: 小山志乃
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次第高の噺


 東京を江戸と申した時分のお話。


 ある町の外れに『次第高(しだいだか)』という化け物が出た。


 道を歩いていると、それは不意に現れる。行き遭った人の目線よりも少し高く、全貌を見定めようと見上げてみると、次第高もそれに合わせて大きくなっていく。


 そうして驚かされたり、引っくり返ったりする者が後を絶たなかった。


 中には見上げると害があるならば、下へ下へと目線を落とせばどうなるかと考えた者がいた。実際にそれを試すと次第高は消え去ってしまうことが分かり、近隣では次第高に出遭った時は、目線を落として難を逃れていたという。


 ◇


 ある時、そんな次第高の噂を知ってか知らずか、一人の侍がやってきた。


 やがて次第高に遭った侍は足を止めて、ぐいっと目線を上にやった。


 当然、次第高はどんどんと大きくなっていく。だが流石に侍というべきか、そんな次第高の姿を見ても一向にたじろぐ様子はなかった。そればかりか、ずいっと足を進めて一喝した。


「邪魔じゃ、どけい」


 すると次第高は、


「その豪胆さ、見上げたものじゃ」


 と言って消えてしまったそうな。


読んでいただきありがとうございます。


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