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塗壁の噺
突然、道の途中に壁のようなものが出来て一歩も進めなくなることがある。それは『塗壁』の仕業だと言う。前は勿論、回り込もうと思っても延々と見えない壁が続いていて、結局は徒労に終わる。
力ではどうすることも出来ないので、これに行き遭った時は適当な所に腰を掛けて一服すると、いつの間にか消えてしまうという。もしくは壁の下の方を棒などで払うと退かすことができるとも言われている。
場所によっては狸や鼬の悪戯だと言われているが、それは定かではない。
◇
Q 塗壁は目もないのに、どうして人がやって来たかが分かるのか?
A 耳があるから。
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