セコの噺
ゆるゲゲ面白いですよ
東京を江戸と申した時分のお話。
『セコ』という妖怪がよく出る山があった。
セコは二、三歳くらいの子供のような体格で芥子坊主のような頭をしている。山の中踊ったり騒いだりして狩人や山人を驚かして揶揄う。
もしもセコに遭った時は経文を唱えたり、「今夜は俺が悪かった」といい訳をしたりすると悪戯をしなくなると言う。またイワシを特に嫌うとも伝えられている。
◇
ある日の事。
狩人がよく人に悪戯をするセコの一匹を捕まえた。
「この悪戯者め。いつも俺たちが通るのを邪魔しおって」
狩人の狩場はもう一つ向こうの山にあり、いつもこの山道を通るのだが、その度に山に住まうセコたちから嫌がらせを受けていた。
「それはお前がオイラ達の嫌いな鉄の筒を持っているからだ」
そう聞いて、狩人の男はかつてセコは鉄砲の音を嫌がると言っていた事を思い出した。セコたちは鉄砲の気配を感じるだけでも気が立って、狩人にちょっかいをかけてのだと言う。
「そうか。ならば鉄砲を持ってこの道を通るのはよそう。これからは、もう一つ向こうの道を通ることにするから人間に悪戯をするのは止めてくれ」
セコたちはこの申し出を受け入れた。
狩人は近隣の住民たちにもこの事を伝えて、鉄砲を持ってこの山道を通らないように呼びかけたのだった。
それからというもの、セコたちは鉄砲に怯える心配もなくなり「つつがなく」暮らしたということだ。
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