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「悲しみ」はいつも隣に  作者: きみまろ
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新しい制服に身を包まれながら彼女はこれから3年間何千回と通るであろう坂道を下る。


道路の両脇には桜の木が人工的間隔で並んでいる。


この様を「私」は美しいと思えないのだが、世間では美しいと表現するようだ。







彼女の名前は原えりか。


今年から高校生になる15歳で、見た目的にもいたって普通。

黒髪のセミロングに中肉中背。

運動神経は人並みになく、どちらかと言うと文系少女である。

内面的には同年代より少し大人びているようで、世の中を憂う傾向が強い。

現実を見ているというか、夢がないと言うか。


そんな彼女もキラキラした同年代の男女に憧れとも取れる感情を抱く時があるが、本当の自分とのギャップを埋められる自信がなく、やはりこの性格に引きこもってしまうことが多い。


そんな彼女も高校の入学と同時に少しでも変わろうという気持ちがある。

同じ中学の人が1人もいない高校を選んだのはこの為である。

わざわざ親に頼み込んで他県の高校と一人暮らしの了承を得たのは、やはり彼女が本当は変わりたいと思っている表れだろうと、今となっては理解できる。


彼女の家は丘の上にあり、桜道を降ればすぐ学校がある。

いい立地に親が部屋を借りてくれたなぁと彼女は思う。

少しの期待と沢山の不安を頭の中でぐるぐる巡らせるといつの間にか学校に着いた。


公立西寒河江島高校。

彼女が3年間通う高校だ。

この学校は全国トップクラスの秀才が集まり、所謂官僚クラスの人材を輩出するエリート高校といっても過言ではない。

しかしながら彼女の成績は良くて中の中。

ダメな時は下から数える方が早い。


なぜ彼女がこの学校に入れたのかと言うとある「契約」の為なのだが、この話はもう少し後にする。


校門をくぐり掲示板に貼ってある、自分のクラスを確認する。



彼女のクラスは「劣」

この時点で普通の学校ではないのが分かってもらえるだろう。

この学校は1年生から3年生、全て同じ教室、クラス分け。

全校生徒が120人おり、上から「優」「秀」「劣」「悪」の4クラス。

彼女は下から2番目のクラスだった。


この学校は優秀だと言われているのに自分より下のクラスがあるのを若干不審に思った彼女だったが、予鈴が鳴っているのに気づいて、慌ててクラスを探し始めた。


1日目から遅刻はまずい。






教室に入るとギリギリに入ってきた彼女に目線を向ける生徒がちらほらいたが、それぞれ特に反応することもなく、ガヤガヤお喋りをしている。


先程書いた通り、1から3年生が一緒ということは、一年生以外は顔見知りが多いのか、数個のグループが出来ている。


彼女は入る学校を間違えたかとおもった。

花の高校生活は前途多難なスタートになりそうだ。




何も入っていないカバンを掲示板書いてあった自分の席であろう席にどさりと下ろした。


廊下側の一番後ろ。

一番人が出入りする場所だ。


ここでも自分は運がないな、と、たいして幸も不幸もなかった人生を振り返って嘆いた。


開始のチャイムが鳴ると同時に教室の前の扉が開く。

それと同時に身長が180ほどあるが、スタイルも容姿も淡麗な美女が教室に入ってきた。


美女は簡単な自己紹介を済ませ、今日1日のスケジュールを話していく。

どうやら今日は入学式と簡単なオリエンテーションと終わるそうだ。


15分後に体育館に集まるようにと黒板に地図を書いて説明する美女はとても絵になる。

私もあんな風になれたらなと少し思ったのは秘密。


体育館には生徒の列について行ってどうにかついた。

2.3年生が一緒というのは意外と楽なことなのかもしれない。


優しそうな校長の話と分からない校歌を聴き終えていつの間にか午前中は終わっていた。

とりあえずお昼は買ってきてないから座席で寝た。


午後は簡単なこれからの学校生活の説明があった。

多分聞かなくてもいい話なんだろうけど、現状ぼっちの私は真剣に聞かなくてはいけない。

これが15年間生きてきて得たものかと思うと少し寂しい人生のような気がする。


オリエンテーションも終盤に差し掛かり、大体の話が終わると、美女は少し間をおいて事務的を装うようにこう続けた。

本当に事務的だったのかもしれないが…



「最後に[特別契約生徒制度]を利用して入学した方は放課後教室に残ってください」


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