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国王に物申す女神

『魔眼がみつめるこの世界』も投稿していますので、ぜひ読んでみてください。

たくさんの人に読んでもらうと、私も元気に書こうという気持ちがわいてきますので、ぜひ読んでみてください。

王城までぶっ飛んできた俺は城の前で降りる。城の見張りをしていた騎士が慌てたように立ち塞がった。一応剣に手を掛けてはいるが、抜いてはいない。

なぜなら、ここにいる騎士いや騎士全員は騎士になった時に、女神にあっている。勇者への祝福ほどではないが、福音という形で、女神から言葉をいただく行事があるため、騎士は全員女神の顔を知っているからだ。


 全員、俺に剣を向ける事など出来るはずがないんだ。

 つーわけで。ほれほれ、抜いてみろよ?

 出来ないだろ? ん~?

 どうだあ、悔しいかあ?

 何も出来ないと分かり切っている奴の前を余裕こいて素通りしてやるのは実に気分がいい。


「お、お待ちください女神様!なぜいきなり城に来られたのですか?」

騎士の一人が俺に聞いてくる。

「国王に、私から言いたいことがあるからです」

「それでは、少々お待ちください。今確認を取ってまいりますので!」

「時間がもったいないので通りますよ」


 こんなところで、待ちたくないし。何より人目が多いからヤダ。

 強引ではあるが、行くか。


そのまま進もうとする俺の前に何人かの騎士が立ちふさがった。


 お、国に忠誠をちかう騎士といったところか。いいじゃん。


「女神様、どうしても通るというならば、我々を倒してからにして頂きたい!」

その言葉を聞き、ためらっていた騎士が覚悟を決め、俺の前に段々と立ちふさがる。



「愚かな!」



「伝令! この城に侵入者です!」


伝令兵が階段を駆け上がって走ってきた。

一体何事かと思ったが、どうやら侵入者らしい。

「侵入者とは、何者だ?」

国王が焦った声で、問いかける。

「それが、、、、女神様です」


「???なにーーーーーーー」

大きな声が広間に響いたその時、大きな扉がゆっくり開かれる。

扉が開ききると、今度は無音になる。そして、コトコトと一歩一歩歩く音が聞こえてくる。

最初は遠目で見えなかった姿が足音が近づくにつれ見えだす。


「あ、ああ、あ。女神様!」


国王が見間違うわけがない。その姿はまぎれもなく女神そのものだった。


◇ 


 弱いな、この世界の人間は、電撃魔法を使っただけで、騎士のみんな倒れちまった。

 死んでないよなこれ!


倒れた騎士を見ていると、新しい騎士が集まってくるが、倒れた騎士を見て、逃げ出す騎士や体を震えだす騎士が出てくる。俺が進みだすと皆が道を開ける。そして、国王がいる広間の扉までくる。本来一人の力で動くことはない扉だが、女神である俺は人間よりも力があり、簡単に開いていく。扉が開ききり、広間の奥には国王が慌てた顔で立っていた。


 慌てている国王の顔、面白!

 なんか青ざめていないか?


国王の近くまで歩いていくと、覚悟を聞けたかのような顔で国王が

「私を軽蔑しますか? 女神様。私は魔神を倒せと、あなたから神託を受け、未だに倒せていません。今まで多くの勇者を送りましたが、この50年間何の成果も出ていないことに」

「そうですね。別の意味でなら、軽蔑しています」


そう、ゲームの知識を知っている俺はこの国王がどんな奴なのか知っている。実は50年前に魔神が国王に賭けを持ち掛けたのだ。魔神の力でこの国に祝福を与える代わりに5年に一度は勇者パーティーを選び魔神の生贄にせよと。この国は弱小国なので、周辺の国から狙われ、戦火が絶えなかったため5年に一度の犠牲だけでいいのならと国王は魔神の賭けに乗ったのだ。最初から国王は魔神が倒せないことは分かっていた。魔神それは神に匹敵するものたちに与えられる称号のようなもの、人間が勝てるはずのないものなのだから。しかし、国王として、国を守るものとしてその賭けはまさに甘い蜜のように感じたと。


俺が言ったことがどういう意味なのか国王は悟ったようだ。

「我ながら愚かな事をしてしまった……あそこで断ていればと勇者パーティーが国を出るとき何度も思った。私は正直な話、諦めてしまったのだよ。ああ、もう無理だ。こんなに手を打って、それでも何も変わらない。結局、平和を維持するためには、犠牲が必要なのだと」


 そういう事じゃないだろう、

 なんでほいほいと魔神の言うことを聞いちまうんだよ。国王

 魔神頼みすることなく、自分たちで何とかしようと考えろよ。

 お前がもっと頑張らないから、バッドエンドになるんだぞ。


「国王、経験の指輪を」

俺が国王に要求する。『経験の指輪』これは今までつけていたものがレベルアップした分だけ、この指輪を付けたものもレベルアップするというもの、この50年、初代から受け継がれた指輪は、付けただけでレベルが30も上がる。

国王は勇者に旅立つときに渡すのだが、最終戦の前に国王から指輪を返すように言われ、『経験の指輪』を返して魔神に挑むのだ。このクソゲーが!!と怒り出したくらいだ。結局レベルを上げてもバッドエンドは変わらなかったが。

国王が懐から『経験の指輪』を出して、俺に渡す。


 こんなものがあるから、俺は、俺は!!

 レベルを上げなくてもいいと何度も

 握りつぶしてやる!このー


ゲームを4周もしなくてよかったとむかつきだし、バキバキと手の中で潰した。潰したのは、女神の俺が付けても効果がないためだ。だから持っていても意味がない。


「国王、今度は私が魔神と戦います。犠牲を出したくありません」

「め、女神さまが、御自ら?」


その言葉で国王は、多くの犠牲を生み、多くの弱き者を見殺しにし、その上で皆で血路を開いて、最後は勇者パーティーを魔神への贄にした、これまでの人生を振り返る。今まではずっと、そうだった。だから僅かな期間であろうと『平和』という奇跡を維持してきた。

だがそれでもよかった。どうせ老い先短い命なのだ。今更死など恐れるものではない。

それよりも、多くの国の民に『平和』を、国王にとっては重要な事だった。

国王としては、正しいと誰もが言うかもしれないが、外道の行いである事は国王もよく分かっていだから、

「よく、我慢しましたね。そろそろ自分を許してもいいのではないですか?」


優しく声をかけ何ら変わらない微笑みを浮かべる女神。

女神が言った言葉で、国王はどれだけ救われただろうか。今までの人生をずっと後悔し、誰にも相談できず、一人で抱え込む、そのつらさを。それが今女神の言葉で軽くなる。

「あ、あ、あ、あ……」

国王の顔が次第に威厳のない顔になっていく。


「あなたは、りっぱの国王ですよ。これからもこの国のために頑張りなさい」


国王の目にさらに大粒の涙が溜まり、溢れた、

「…ッ…ゔ…あぁ…」


その言葉と共に俺は出口に向きなおり、城を出ていった。

お読みいただきありがとうございます。

「面白そう」「続きが気になる」と感じましたらブックマーク、及び↓の星にて評価を頂けると嬉しいです。

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