マルセル・アルテナ
ローザ・アーバルトが階段から落ち意識不明の重体に。
その報告を国王の執務室で聞いた時さほど驚かなった。
なぜなら、知っていたから。
いずれこのようなことが起きると……
「おい、マルセル!」
執務机の上に山積みになっている書類と格闘しながらも心配そうに声を掛けてくるのはこの国王であり、幼馴染でもあるロバート陛下。
「なにのんきに書類を捲っている!早くローザの元に!」
「マルセル殿、ここは大丈夫ですから早く……」
宰相であるスターリオン様も顔を真っ青にさせて声を掛けてくる。
ロバート陛下もスターリオン様も娘のことを実の娘のように可愛がってくれている。
その娘が重体だと聞いて居ても立っても居られないようだ。
僕も心配していないわけじゃない。
だけど、僕はあの子が死なないことを知っている。
この出来事は起こるべきして起きた出来事だと知っていたから落ち着いていられる。
「ご心配いりません。あの子は戻ってきます」
きっぱりと告げる僕にロバート陛下は何かに気づいたようだ。
「『夢見』か?」
「はい」
「しかし、マルセル殿の『夢見』の力は……」
言いよどむスターリオン様に僕は小さな笑みを浮かべる。
「ローザのことに関してだけははっきり見るんですよ」
「そんなことよりも!」
バーン!
「まだここにいたのか!マルセル!」
勢いよく開かれた扉から駆け込んできたのはロバート陛下の弟君であり、僕の親友でもあるダミアン・アルフレッド公爵。
その後ろには彼の妻であるジュリアと僕の妻であるアメリアと孫のレオンがいた。
レオンはアメリアの腕の中ですやすやと眠っている。
ダミアンが大声を出しているのに眠っているとは……将来大物になるかもしれないな。
それよりも、王宮医師から連絡が入ってまだ数分しかたっていない。
なぜ、ここに揃っているのだろうか。
「王妃様のお茶会にお呼ばれしていたのです。レオンも一緒に」
アメリアが苦笑しながらこうも早く王宮に姿を現した理由を教えてくれた。
「ほら、すぐにローザのいる部屋に行くぞ!」
ダミアンは僕の腕をつかむと思いっきり引っ張った。
「ダミアン、ローザの容体がわかり次第、私にも教えてくれ」
「了解です、兄上」
僕はダミアンに引っ張られるままローザが治療を受けている部屋まで連れてこられた。
部屋の前にはフィリップが所在なさげに立っていた。
僕たちに気づくと未然に防げなかったことを土下座する勢いで謝罪してきた。
「フィリップ。お前の今日の仕事は第一王子妃サリー様の護衛だ。ローザを二の次にしたのは非ではない」
「しかし!」
「ローザはきっと自分を優先していたら『お兄様は第一王子妃様を……私の大切な友人を守るお仕事を放棄なさったのですか!?』ってドヤされるぞ」
僕の言葉にダミアン達もうんうんと頷いている。
ローザは昔から自分のことは後回しにする癖がある。
まあそれは、僕が施した教育のせいかもしれないけど……
ローザとエルヴィン君が初めて出会ったあの日に見た『夢見』
ローザに関する『夢見』はあの時が初めてだった。
僕の見る『夢見』は曖昧で、おぼろげで……霞がかかったようにぼんやりとわかる程度だったため神殿に押し込められることはなかった。
だが、ローザに関する『夢見』だけは鮮明に実際にその場にいるような感覚を伴って見ることが出来た。
僕が最初に見た『夢見』のローザは傲慢な我儘な娘に育っていた。
両親や兄からの愛情を当然とし、周りからも賛美しかた与えられなかったローザは権力を笠に威張り散らす『残念な令嬢』そのものだった。
だから僕は『夢見』通りの娘にならないように厳しく育てた。
何時かは国のためにこの国から出ていくのだからと自分の事よりも周りのことに気を配れと教えた。
誤算だったのはエルヴィン君だ。
『夢見』の中のエルヴィン君はまとわりつくローザを嫌悪していた。
友人の妹だからと嫌々ながら接していた。
だが、現実のエルヴィン君は真逆だった。
フィリップと一緒にローザをこれでもかってくらいに溺愛したのだ。
しまいには条件付きで国王からローザとの婚姻の許可まで取得していた。
僕としても国の外に出して会えなくなるよりも身近な…いつでも会おうと思えば会えるエルヴィン君に嫁がせるほうが嬉しいに決まっている。
だが、『夢見』の中でエルヴィン君はローザを裏切る。
とある舞踏会で知り合った伯爵令嬢と親密になり、ローザが事故で亡くなった後、喪が明ける前にその令嬢と婚姻を結ぶようになるのだ。
エルヴィン君を課題という名目で鍛えている時、僕はそのことが脳裏を掠めていた。
普通の人だった根を上げるような難題な課題も彼は必死に食らいついてきた。
彼が学院を卒業した後、ローザに求婚する許可を求めてきたが大人げなくローザが学院を卒業するまで駄目だと突っぱねた。
ローザも彼に好意を寄せていることはアメリアとの会話で僕も気づいているし、ローザには心の底から幸せになってほしいと願っているけど……複雑な父親心を察してくれ。
一瞬悔しそうな表情を浮かべた彼だが
「では、『副宰相』にお願いがあります。僕がローザに相応しくなるようにもっと鍛えてください」
「は?」
「僕はローザを諦めることはできません。あなたが認めてくれるまでしぶとく食らいつきます」
真剣な表情できっぱりと宣言した彼に内心僕は白旗を振っていた。
「わかった。君の仕事ぶりを見て許可を出そう」
それからのエルヴィン君は本当にすごいという言葉しか出てこないほどの仕事っぷりだった。
少しは休めと僕が声を掛け、心配するほどだった。
ローザが学院を卒業するまであと1年という日。
僕はエルヴィン君に婚姻の許可を出した。
しかし、何を思ったのか彼はすぐに求婚せず1年掛けてローザとの親交を深めていった。
僕たち周りの者は『早くくっつけ!』とやきもきしていたものだ。
ローザからエルヴィン君から求婚されたことを相談された。
びくびくしながらも瞳には喜びの光が溢れていた。
「ローザはエルヴィン君のことが好きかい?」
「はい」
「兄としてではなくて?」
「一人の殿方としてお慕いしております」
薄らと頬を染めながらもきっぱりと告げるローザに私もアメリアも笑みをこぼす。
「いいよ。ローザが望むのなら」
「でも……」
不安げな瞳に僕もアメリアも安心させるように笑みを浮かべる。
「陛下には私からお願いしておくから大丈夫だよ(そもそも、国王の許可はとっくに下りているから心配ないんだけどね)。それに、ここ最近は争いごともないし、平和条約が各国とも結ばれている。人身御供のように娘を国外に出すことは今後なくなるだろう(むしろ、諸外国の王家からすでにローザとエルヴィン君の二人宛に『結婚の祝福の品』が届き始めているくらいだし……まだ婚約すらしていないのに結婚って……気が早い国が多いな~)」
「じゃあ!」
「ああ、結婚を許そう。幸せにおなり」
ローザの頬を軽くなでると嬉しそうに抱き着いてきた。
マナーの教師が見たら目を吊り上げそうだがここには私たちしかいないからたまにはいいだろう。
ローザとエルヴィン君の婚約は瞬く間に社交界に広がった。
批判的な意見も出るだろうと覚悟していたが、ほとんど出ずむしろ好意的に受け入れられていた。
というより、やっとか!?という言葉の方が多かった。
まあ、エルヴィン君のローザへの態度を見れてもなお、横槍を入れてエルヴィン君自身(時々フィリップも手伝っていたっけ)に手酷く返り討ちにされた者たちが多数いたからかもしれないけど。
部屋に入るとジュリアがエルヴィン君を問答無用で殴った。
うん、平手打ちじゃなくて拳で殴っていたよ。
僕も昔……食らったことあるけど……彼女の拳は本当に痛い。
何やらわめいている彼らを横目に僕はローザが眠るベッドに腰掛けローザの頬に手を触れた。
すると、白い空間で男の子の人形を抱えて泣いているローザの姿が見えた。
『夢見』の能力を持つ者ができる夢(または精神世界)への侵入を無意識に行ってしまったらしい。
『ローザ』
僕が声を掛けると涙で濡れた瞳で僕を見上げるローザ。
『帰っておいで』
優しく声を掛けると首を横に振るローザ。
『エルヴィン君がとても心配している。あのままだと彼は倒れてしまう』
『エル様が?でも……』
『ねえ、ローザもエルヴィン君もちゃんと話し合ってないんじゃないのかい?だからすれ違いが起きた』
『…………』
『沈黙は肯定。早く目覚めてエルヴィン君と話し合いなさい』
『でも……』
『エルヴィン君は僕が認めた男だよ?ローザを不幸にさせるような男に僕が君を嫁がせると思うの?』
ちょっとおどけて言うと面白いくらいに瞳を見開くローザ。
『戻っておいで。もし、エルヴィン君と話し合って噂通りだと彼が言うなら……僕が……ね?』
僕の笑顔にローザの表情が強張ったけど、無視をする。
『僕たちは待っているから。早く戻ってきて』
それだけを告げると僕は意識を現実に戻した。
「エルヴィン君、ローザの様子は?」
「命に別状はないそうですが、意識が戻らないことには……」
「後遺症の心配は?」
「それも目覚めないことには何とも言えないと……すみません」
頭を下げるエルヴィン君に僕は頭を横に振った。
「君だけが謝る必要はない。ローザが君と話すという事を疎かにした結果だから」
「しかし……」
「君はローザに心配を掛けまいと秘密裏にあの者を処分しようとしていた」
「…………」
姉妹揃ってはた迷惑なとある伯爵令嬢に手を焼いていることは知っている。
だが、自分たちで何とかするとフィリップと共に頑張っているようだったから傍観していたけど……
「学院時代のようには上手くいかず、時間だけが無駄に過ぎてしまったようだけどね」
クスリと笑うとエルヴィン君は俯いてしまった。
「大丈夫、ローザは帰ってくるよ。君とレオンの元に」
ポンポンと肩を叩き顔を上げるように言う。
エルヴィン君が顔を上げると僕は力づけるように告げた。
「今のローザは自分に自信がなくて殻に籠っているんだ。きっと君の呼びかけに応えるから諦めないでほしい」
「お義父さん」
心なしかエルヴィン君の瞳に力が戻ってきたように思う。
「ダミアン、ここはエルヴィン君に任せるよ」
ローザの傍らから立ち上がり、ダミアンに視線を向ける。
「いいのか?マルセル」
「ああ、僕の『夢見』が正しければローザは数日後には目覚める。その間に僕たちがやるべきことをやろう」
「『夢見』って……見えたのか?」
「うーん、実はローザとエルヴィン君を会わせた時に見て知っていたんだよね。階段から落ちて怪我すること……」
正確には複数あった『夢見』の中の一つだけど。
最初に見た『残念令嬢』の未来はローザが5歳の時に消えた。
代わりに『エルヴィン君との幸せな未来(数々の試練付)』を時々見るようになった。
僕の言葉に全員の視線が集中した。
「僕が持つ『夢見』はひどく朧げでね。神殿に仕えるほどの力はないから文官職であくせくしていたら先王陛下と宰相殿から副宰相にって強制的に任命されて現在に至っているんだけどね、なぜかローザに関する『夢見』だけははっきりと見えるんだ。内容も当代の『夢見長』と同じだから間違いないよ」
ちなみに『夢見長』というのは神殿に住まう『夢見』たちの長のことで、一番『夢見』の力が強い者のことを指す。
『夢見長』が見た『夢見』は確実に現実のことになるため、常に神殿の奥で生活しているという。
そうなんだよね。
僕は本来しがない下級文官だったんだよね。
僕の母が陛下やダミアンの乳母だったから彼らとは幼馴染という関係だけど。
僕の実家は伯爵家。
僕はアルテナ侯爵家の婿養子。
アルテナ侯爵家の一人娘にして、彼女の祖母(先代国王の叔母・先々代国王の妹)が外に出すことを頑なに拒否していたアルテナ家の唯一の後継者だったアメリアとは学院卒業後にダミアンを通じて知り合い、縁を結んだ。
この出会いが、先代国王と宰相様が裏で糸を引いていたのを知ったのはアメリアと婚約する旨を報告した時だった。
僕を副宰相の地位に就けるために画策したことらしい。
「いや~、こんなに上手くいくとは!『夢見長』様様だな~」
と当時、神殿内で一番『夢見』の力が強かった方が僕とアメリアの関係を力強く押したことが発端だったらしいけど。
結婚当初そのことをアメリアに話したら
「あら、私は学院時代からあなたのことを知ってずっとお慕いしておりましたのよ?気づいていなかったみたいですけど。神殿の『夢見長』の進言は関係なく、私が殿下にお願いして出会いの場を作っていただいたんですのよ。陛下達の思惑とは全く関係ありませんわ」
という言葉が返ってきて驚いたほどだ。
おっと話がずれた。
「大丈夫、ローザはちゃんと目覚める。君が真剣に呼び続けてくれればね」
エルヴィン君の肩を叩いて僕は僕のすべきことをしようと部屋を後にした。
そのあとをダミアン達が追いかけてくることを確認しながら……
翌日。
フィリップから『被害届』が提出された。
厚さ5センチほどの『被害届』に受け取った下級司法官がめまいを起こしたという。
被害者は高位貴族から平民まで多種多様に対し、加害者はたった一人。
下級司法官たちは連日裏付け調査に走り周り、上に『被害届』と裏付け調査報告書を提出した。
彼らは後年『あれほど走り回ったのは後にも先にもあの時だけである』としみじみと呟いていたとか。
フィリップから提出された『被害届』に付随するようにエルヴィン君から『アーバルト伯爵夫妻の噂に関する調査報告書』も提出されのも彼らが走りまわる原因となったのであろう。
この時走り回った下級司法官たちの数人は後年、下級貴族・平民出身として異例の上級司法官にまで上り詰めることになるのだがそれはまた別の話。
下級司法官たちが走り回っている同時期に、ある集団から騎士団に貴重な証拠が提出された。
証拠を提出した集団は『裏』と呼ばれている正体不明の集団で、彼らは国王管轄の暗殺集団であった。
その事を知っているのはごく一部だけで、表向きは『何でも屋』と名乗って迷子の子猫探しから、夫または妻の不貞調査など様々な事を行っている集団として知られている。
『裏』としての仕事は誰彼かまわず依頼は受けず、独自の調査の後、国に多大な悪影響を与えると判断された場合のみ依頼を受諾する(つまりは、国王が許可を出す)集団である。
ケーシル伯爵令嬢がどこで彼らと出会ったのかは知らないが、ローザの暗殺を依頼していた。
『裏』のトップがうまいこと言いくるめて証拠品を残させたのはさすがである。
『裏』から提出された証拠品を元に、ケーシル伯爵邸を家宅捜査。
しっかり証拠品は彼女の部屋にきれいに分かりやすい場所に残されていた。
ケーシル伯爵は中身を確認すると「わが娘、セシル・ケーシルは罪を犯しました」と見つけた証拠品をその場にいた騎士団にすべて提出した。
ローザが目を覚ましたのは僕の『夢見』通り階段から落ちて数日後。
我が家に咲く、かわいらしいバラが一斉に咲いた日だった。
それは偶然なのか、ケーシル伯爵が『アーバルト伯爵夫人暗殺計画』の証拠品としてセシル・ケーシルの日記等を騎士団に提出した日だった。
その後、開かれた裁判でセシル・ケーシルは最後まで己の無実を訴えていたが、棄却された。
裁判の時、エルヴィン君が『死を簡単に与えないでほしい。生きて地獄を見せて欲しい』と訴えた時は驚いたけど、被害者の9割が賛同したためセシル・ケーシルは戒律が厳しい国立修道院に生涯幽閉の刑に処された。
セシル・ケーシルが修道院に移動した数日後。
ケーシル伯爵夫妻が国王の御前で『娘が多大な迷惑をかけた。死をもって償う』と言い制止を振り切り毒を飲み、自害した。
遺体はセシル・ケーシルがいる修道院の墓地に葬られた。
と表向きはなっている。
実際ケーシル伯爵夫妻は北方の国に平民として移住している。
これはケーシル伯爵の提案だった。
『爵位を返上するだけでは、多くの人たちが納得しないでしょう。
ならば、子供を教育(矯正)しきれず、王族に連なる方々を傷つけたらどうなるのかという戒めに私たちがなりましょう』
と満面の笑顔を浮かべて提案してきた時は僕も国王も宰相殿も思わずぽかーんとしてしまったものだ。
数か月後、ローザとエルヴィン君の仲睦まじい姿があちらこちらで目撃されるようになった。
ところ構わずいちゃつくようになったといった方がいいだろうか。
周りが目のやりどころに困るほどにイチャツくのは如何なものかと今度注意しておこう。
ケーシル夫妻からは月一で報告が来る。
北方の国の宰相が世代交代するという世間話から、北方の国の経済状況まで。
ある意味、諜報員のような役割を自主的に行ってくれている。
僕たちにとってはありがたいが、大丈夫だろうかと手紙を出すと
「大丈夫ですよ。娘婿から知られても大丈夫な情報流しか流していないからと許可いただいていますから」
という何とも言えない返事が返ってきた。
あの北方の国の宰相の息子……現宰相殿は以前、ローザに熱烈な求婚をしてきていたのにな~と国王とダミアンと酒を交わしながら裏に何かあるんじゃないかと疑っていたが、彼自身から「かわいい私だけの人形を送ってくださったお礼ですよ」という手紙が届き、それ以降表向きは何事もなく交流を続けている。
追記
城下町ではローザとエルヴィン君を題材にした小説や舞台が人気である。
その発起人が王妃だと知る者はごく少数だけどな。
「ふふ、地道に外遊先で二人の事を話しておきましたからね。外遊先の国でも彼らのお話は人気ですわよ」
扇の裏でほくそ笑んでいる王妃に誰も何も言えなかった。
「もう最高ですわ!ずっと見たかったローザ様の幸せな未来をこの目で実際に見れるなんて!!もしかしたら……とずっと思っていたけど、わたくしの予想通りでしたわ!惜しいのは息子の嫁にできなかったことだけね!いいわ、孫よ!まだ孫がいるわ!必ずローザ様の孫を我が家族に~~~!」
と私室で拳を高らかに掲げている姿を侍女たちが遠い目をしながら眺めることがしばしばあるらしい。
いったい、王妃は何を知って、何を考えているのだろうか。
それを詳しく知っているのはロバート国王ただ一人だけだろう。
僕たちには一切その情報が流れてこない。
完璧に隠し通している。
まあ、僕は家族が幸せなら別に知りたいとは思わないからいいけどね。
ローザとエルヴィン君は互いに話すことをしていなかった結果がすれ違いを生み、あんなことが起きた。
あれ以来、ローザとエルヴィン君は話せない時は手紙などを使ってコミュニケーションを図っている。
小さな喧嘩をすることはあるらしいが、エルヴィン君が先に折れるのが大半だ。
あれ以降、ローザに関する『夢見』は見なくなった。
代わりにローザの子供たちの『夢見』をちらほらと見ることがある。
どの『夢見』も幸せに笑っている笑顔ばかりだ。
この先、ローザたちは幸せな日々を積み重ねていくのだろう。
それを身近で見ることが出来る僕は幸せ者だと思う。
これにて一応完結です。
最後の追記は本当に蛇足程度です。
基本、マルセルは自分の家族(+心から信頼している者)以外には冷酷という設定があったりするが活かせていない(苦笑)
そういえばエルヴィンの兄を出すの忘れていた←書き終えてから気づいた。




