#201 ケーキの一幕、プレゼント渡し!
「それで、椎菜はどのケーキがいい?」
「え、あ、うーん……とりあえず、一番上?」
「一番上ね。千鶴ちゃん、生憎と私は背が低いから、代わりに切り分けてくれるかしら?」
「お任せくださいぃ~! 完璧に切り分けますよぉ~!」
千鶴、ものすごく嬉しそうである。
まあ、最大の推しの母親(しかもロリ巨乳のおまけ付き)からの頼みなので、仕方ないと言えば仕方ないのだろう。
さすが変態。
「こんなところでいいですかぁ~?」
「ばっちりよ~。とりあえず、みんなには一切れずつ渡していくので、好きなものを千鶴ちゃんに言ってね~。もちろん、おかわりもありよ~」
『『『やったぜ!』』』
「俺は二切れで十分だな!」
「俺は一切れで……正直、そんなに食べられない」
「わかるぞ、二人とも。というより、あそこの冬夜君が女性陣と一緒に喜んでいるのが素直にすごいと思う」
「まあ、冬夜は甘いもの好きの所謂スイーツ男子なんで」
女性陣がテンション上げてる一方で、男性陣(俊道、柊、聡一郎)の三名は喜ぶ女性陣を見ながらそんなことを話す。
一応、食事はかなりの量があったし、全員かなり食べていたのだが、やはりスイーツは別腹と言うことなのだろう。
というわけで、ケーキ実食。
『『『美味しい!!』』』
ぱくりと一口食べれば、全員美味しいと声を上げる。
そこから女性陣はパクパクとケーキを食べ進め、ケーキのおかわりをばんばんし始める。
と言うか群がってる。
ただ、一切喧嘩にならず、和気藹々と仲良くわけあっているので、問題は起こっていない。
「甘すぎないのがいいな! これならいくらでも食える気がするぜ」
「雪子さんのケーキなんて、久しぶり食べたな……」
「んー、柊君は食べたことがあるんだー?」
「まあ、幼馴染なんで、椎菜の家に来ることも多かったので。遊びに来るたびに、お菓子を作ってくれてたんだよ」
「へぇ、やっぱいい母親してんだなー」
「そう言う意味じゃ、お父さんって本気で幸せじゃない? 今の環境」
「そりゃあな。というか、今の桜木家の男女比が1:5になっているせいで、ある意味お父さんは肩身が狭い……だが、全員可愛いから何一つ苦ではないがな! というか、娘と孫が可愛い」
「それはそう」
聡一郎、にっこにこである。
割と強面な顔をしているため、ちょっとアレである。
信じられるか? これで二児の父(片方義理)で同時に祖父なんだぜ!
「ケーキがすごく美味しいぞ」
「ですわね! こちらのミルクレープ、フルーツたくさんでとてもいいですわ」
「チョコケーキもいいぞ!」
「わ、わたしは、一番上の、ホワイトケーキが……」
「ん、やはり甘いものは正義。……食べ過ぎは注意だけど。太るし」
『『『うっ……』』』
何気なく放った藍華の言葉に、女性陣(杏実、椎菜、双子、雪子、愛菜、寧々、美鈴)以外の女性陣の手が止まり、表情が固まった。
「……だ、大丈夫。食べた分運動をすれば問題はない……いや、問題があろうものなら、私はモデルとして失格と言っていい…………! つまり、運動をすれば問題な――」
「……そやけど、うちらさっきの食事でもえらい食べとるんやけど……」
『『『…………』』』
皐月の言葉に対する返答をするかのような栞の言葉によって、他の面子の表情がさらに固まる。
「ん~、まー、運動すればいいっしょ? とりま、俊道パイセンがいるジムにでも行けばいいんじゃ?」
「おっ、それならクーポンでも上げるぜ。客が増えるのは大歓迎だ!」
「た、たしかに、言われてみればかなり高カロリーな物が多かった……だ、大丈夫。今日は無礼講……! 特に気にしてはいけない。明日から気を付ければ……」
「そ、そやな!」
「だ、大丈夫ですよ大丈夫……というか、私なんて基本座り仕事なんで、余計危ないんですが……」
「わ、わたし、も、寝て、ばかり、なので……危ない、気が……!」
「あたしは鍛えるのが趣味だから問題なしだぞ」
「ん、裏切り者」
「だ、大丈夫ですよぉ~。どのみち、吐血すればその分減るのでぇ~」
「わたくし、つい食べ過ぎてしまいましたわ……! あ、明日から気を付けなければなりませんわね!」
「やー、うん、さすがのうちも今回はちょっと気にするぜぇ……」
寧々も混じってはいるが、色々と気にしてるメンバーたちは自身の体を見下ろす。
一部、胸が大きいのでお腹が見えないが、なんとなく、食べ過ぎた影響でちょっぴりお腹がぽっこりと膨らんでいるという現実を直視してしまう。
気にしてないメンバーについては、双子と愛菜以外は苦笑い。
「あらあら、みなさんケーキはもういいのかしら? もしお腹いっぱいであれば、お持ち帰りしていただいても構わないわよ~」
『『『持ち帰りで』』』
「うふふ、わかりました。そちらに持ち帰り用の箱を用意してあるので、そちらをどうぞ~」
「お母さん、準備いいね」
「こういうことも予測してこそのお母さんよ~」
「なるほど!」
「椎菜っち、それで納得するんだ」
この場で全部食べるのではなく、女性陣は小分けで持って帰ることにした。
まあ、生物なので、よくて明日までだろうが……。
「さてさて、ケーキを食べたら、いよいよプレゼントタイム! 全員準備はOK?」
『『『OK!』』』
と、ケーキを食べ終えたところで、愛菜がプレゼントタイムの開始を宣言。
既に全員準備は万端である。
元々リビング内に大きな布をかけて隠してあったのだ。
「えー、今回のプレゼントの順番ですが、シャトーブリアントリオは最初になります」
『『『死ねと!?』』』
まさかの初手シャトーブリアントリオと言われ、メンバーたちは思わず叫んだ。
それに対し、愛菜は真顔で説明。
「いや、普通に考えてもみてよ。あれが最後の方がなんか嫌じゃん。私は嫌だね。というか……最後はみまちゃんとみおちゃんって決まってるんだよッ! というか、今回に関しては私も事前に検閲してるからセーフセーフ」
「検閲って何!?」
誕生日プレゼントに対して普通は聞かない単語が出てきたことで、椎菜が思わず叫ぶ。
一体何が贈られるのか内心戦々恐々となり始める。
「まあ、その先の順番は早い者勝ちで。はいじゃあ、シャトーブリアントリオどうぞー」
「んじゃ、トップバッターはあーしがやるっしょー。というわけで、あーしからはこれ!」
まずは、杏実が椎菜に誕生日プレゼントを渡す。
杏実が持って来たのは、細長い箱だった。
丁寧にラッピングされており、中は見えない。
「えーっと、これは?」
「包丁」
「え、包丁???」
「そ、包丁! 椎菜っち料理をよくするから、そっち系の方がよくね? ってなって。事前の案が却下されたんで、代わりにこっち! ってな感じ!」
「なるほど! ありがとう! ちなみに、何の包丁?」
「三徳包丁っしょ。切れ味はお墨付き!」
「ほんと!? すごく嬉しい! ありがとう! 杏実お姉ちゃん!」
(((包丁で喜ぶ高校生かぁ……)))
大事そうに箱を抱きしめて満面の笑みと共にお礼を言う椎菜に、一同は何とも言えない気持ちを抱いた。
余談だが、杏実が手渡した包丁は、その道の職人が一本一本丁寧に作るような包丁だし、なんだったら何年待ちとかざらなところの包丁である。
当然高いし、価値が凄まじいことになっているが……椎菜は気付いていない。
「で、では、次は、わ、わたしが……え、えと、こ、これを、どうぞ……!」
次に渡すのは恋雪。
らいばーほーむメンバーにおいて、総資産がぶっちぎりでイカレてる恋雪の誕生日は果たして……!
「んっと、これは?」
恋雪から渡されたのは、小さな箱だった。
手のひらに収まるサイズであり、かなり小さいらしい。
「えと、な、何を贈ればいいのか、わからなかった、ので……と、とりあえず、アクセサリーを……」
「アクセサリー! どんなのが入ってるのかな?」
「あ、開けてみて、ください」
恋雪に言われて、椎菜は箱を開ける。
その中に入っていたのは、一対のイヤリングであった。
「あ、イヤリングだ! でも、僕穴はあけてないけど……」
「こ、これ、磁石でくっつくタイプ、なので、穴を開けなくても、大丈夫、なんです」
「ほんとだ! それに、なんだか綺麗だね! ありがとう! 恋雪お姉ちゃん!」
中央にマリンブルー色の玉が中心にあるひし形のような形状のイヤリングに、椎菜は普通に喜んだ。
尚、このアクセサリーも普通に高いものであると言うことは言うまでもない。
「それじゃあ、次は私ですねぇ~。私はこれをぉ~」
続いて、ロリコンの変態がプレゼントを椎菜に手渡す。
千鶴が手渡したというか……男性陣の手を借りて持って来たのは、やたらとデカい箱だった。
「え、えーっと……これは?」
「マッサージチェアですねぇ~」
「なんで!?」
まさかの誕生日プレゼントの内容に、椎菜はさすがにツッコミを入れた。
誕生日プレゼント自体貰えることそのものが嬉しいと思っている椎菜だが、さすがにマッサージチェアは嬉しいよりも先にツッコミが出るようであった。
ちなみに、常識人組もしかめっ面になっている。
「肩こりが酷いらしいですし、その解消にどうかなぁ~と」
「そうね~。私もこの娘も胸が大きいから、肩がこるし、よかったわね~、椎菜」
「た、たしかに……うん、そう考えるとすごくありがたいね。ありがとう、千鶴お姉ちゃん!」
「いえいえぇ~!」
喜んでもらえてよかった、と千鶴は安堵。
自分でもさすがにマッサージチェアはどうだろうかと思っていたのだろう。
これは酷い。
「シャトーブリアントリオが終わったところで、どんどん行こう! 次は誰ぞ?」
「なら、私が渡そうかな。椎菜ちゃん、誕生日おめでとう」
続いてプレゼントを手渡したのは、皐月である。
皐月から手渡された物は、これまた縦長の箱だ。
とはいえ、杏実の時とは違い箱は小さめ。
「んっと、箱の中身はどういうの?」
「腕時計。今はスマホなどで見れるけど、やっぱり時計があった方がいいかなと思ってね。とりあえず、時計にしてみたよ」
「開けてもいい?」
「もちろん」
「じゃあ……わ、可愛い! 狐さんが描かれてる!」
箱の中に入っていた時計は、水色が基本色となっており、ベルト部分にデフォルメされた狐のイラストが描かれているものだった。
よく見ると、時計の針なども狐の尻尾のような形状となっており、神薙みたまをやっている椎菜だからこそのプレゼントとも言える。
これには椎菜もかなり喜ぶ。
「ありがとう! 皐月お姉ちゃん!」
「喜んでくれてよかったよ」
喜ぶ椎菜に、皐月は軽く微笑む。
「んじゃ、次は俺が渡すぜ。つってもまぁ、生憎俺は何を贈ればいいのかわからなかったんで……お菓子の詰め合わせになっちまったんだがな!」
「あ、お菓子だ!」
次に俊道が椎菜に手渡すが、そのプレゼントはお菓子の詰め合わせといったもの。
中には色々なお菓子が入っており、椎菜も笑みを浮かべる。
ちなみに、椎菜は甘いものが苦手だが、食べられる物の存在もあるので、その辺りは愛菜に聞いているので問題なしである。
「一応、いい店のお菓子なんで、みまちゃんとみおちゃんと一緒に食ってくれ!」
「うん! ありがとう! 俊道お兄ちゃん!」
「あ、じゃあ、次ボク行きますねー。男で連続した方がいい気がしたのでー」
俊道の次は冬夜。
「というわけで、ボクはこれねー」
冬夜が手渡して来たのは、小さな箱。
「んっと、箱の大きさからして、アクセサリーとか、かな?」
「正解。中には髪飾りが入ってるよー。三つくらい入ってるから、みまちゃんとみおちゃんとは色違いでお揃いにできるよー」
「そうなの? すごく嬉しい! ありがとう! 冬夜お兄ちゃん!」
中身は髪飾りであり、尚且つ三人でお揃いにできるものと言うことで、椎菜は喜んだ。
「俺からはまあ、マンガだな」
「わ、珍しいね?」
「いや、みまちゃんとみおちゃんが今はいるからな。こういうのもあった方がいいかもしれないと思って」
「そっか。ありがとう、柊君!」
柊からのプレゼントはマンガだった。
内容としては、普通の恋愛マンガ(純粋ピュア娘な椎菜に最大限配慮した奴)である。
まあ、それを一年生の子供に見せるのか、というツッコミはさておき。
こいつだって、たまにズレることがあるのだ……!
長すぎたので、二話に分けました。仕方ないね!
ネタバレしますが、今回のプレゼントで一番イカレてるのは邪神です。
奴が一体何を贈るのか、次回をお楽しみに!




