配信#36-3 出張みたま家事サービスだよっ!《狼神いくま編》:3
「みたまっち、レバニラ炒めある?」
「えっと、リクエスト通り、お昼ご飯用で持ってきてるけど……お掃除よりも先に、お昼ご飯がいいかな?」
「うん、お腹空いたってゆーのと、貧血でヤバめ」
「じゃあ、お昼ご飯からにしよっか」
「やた!」
【何事もなかったかのように起きたと思たら、レバニラ炒め希望してて草】
【これは強いですわーw】
【ってか、らいばーほーむメンバーって、一旦死んでも普通に何事もなかったかのように蘇るのすごない?】
【まあ、らいばーほーむメンバーって人外に片足突っ込んでるどころか、どっぷり浸かってるようなもんだし……】
【っていうか、リクエストレバニラ炒めなんかいww】
【そう言えば、いくまっちの好物って??】
「ん? ウチの好物? あり、言ってなかったっけ?」
「そう言えば、聞いたことないような? 一応、今日の夜ご飯は、いくまおねぇたまがリクエストしたお料理にはなってるけど」
そもそも、いくまおねぇたま自身のことってあんまり知らないんだよね。
言われてみれば、好きな食べ物とかも聞いたことないような?
「ウチはあれ。綿あめが好き」
「へぇ~、綿あめなんだ」
「そそ。思い出の味ってね。あ、好物は牛丼」
「え、牛丼なの?」
「うん、牛丼」
【綿あめ好きからの牛丼好きww】
【ゴリゴリのお嬢様って聞いてたけど、すっごい庶民的で親近感持てる】
【わかる……】
【ただなぁ……いくまっちって、お嬢様だから絶対普通の食材で作られてなさそうでね……】
【そう言えば、イベントの時のいくまっちのメニューの牛丼って、結構肉がさ……】
「あの、いくまおねぇたま。今コメントで書かれてたけど……イベントの時の牛丼に使われてたお肉って……」
「あー、あれ? 別になんてことない牛肉だよ?」
「ほんと?」
「うん。なんてことない………………黒毛和牛の肉!」
「ちょっと待って!?」
今すごいこと言ってたよ!?
黒毛和牛? え、あの牛丼に使われてたの、黒毛和牛のお肉だったの!?
【ぶほっ!?】
【ちょっ、マジ? マジで言ってんの!?】
【道理でなんかおかしいと思ったよ!? だって、やけに肉質が柔らかい上に、謎にうまかったんだもん! そりゃ美味いわ!?】
【あれで1100円だったよね? 採算はどこ行った!?】
「あぁでもあれだよ? いろんな伝手を使ってお安く仕入れた肉だからセーフセーフ! ってゆーか、スーパーで買おうとしたら、2000円~4000円くらいの奴だから!」
「高いよ!? 普通に高いよ!? 一般庶民からすれば、ほいほいと手を出せないお肉だよ!?」
「みたまっちって、資産余裕で10億越えなのに、ちゃんとした金銭関係なのマジすごいっしょ」
「家計簿付けてたからね! あと、普通に高いもん! 一食で使う材料の一つのお値段じゃないもん! むしろ、複数人分のお料理を作るために使うくらいだよぉ! その金額!」
「家計簿付ける女子高生とか稀有すぎっしょ」
「そこじゃないよぉ!?」
【草】
【たしかに、高校生で家計簿付けてたのか……】
【んまあ、みたまちゃん、一人で暮らしてた時もあったから……】
【天空ひかり:普通に考えて、マイエンジェルシスター、いつお嫁さんになっても一切問題ないどころか、最高のお嫁さんになるよね、これっていう】
【雪ふゆり:お嫁さん力が強すぎますよねぇ~!】
【たしかに……いや、割とマジで理想的なお嫁さん像をまんま体現してません???】
【料理上手、優しい、尽くすタイプ(どう見ても)、金銭感覚しっかりしてる、家計簿付ける、家事万能、資産えぐい……あれ? 何この超優良物件】
【割と真面目に、みたまちゃんってお嫁さんになってほしすぎるよね】
【夜久嬢かざり:理想が過ぎますわ……!】
「まあ、あれはもう今更だから気にしないでいいっしょ! あと、いくらかウチのポケットマネーだし」
「もっとおかしくないかな!?」
「いいのいいの! あ、みたまっち、お昼はレバニラ炒め以外にもある感じ?」
「んーと、お味噌汁とおひたし、あとは鰤の塩焼きかな」
「え、マジ? 昼からそんなに豪勢でいいの!?」
「バランスよくしないとだしね。あと、鰤が安かったので」
「お、おおぅ、主婦的発想……」
レバニラ炒めはもともとリクエストがあったけど、さすがにそれだとバランスがあんまりよくないし、飽きちゃうかなぁと思ったので、何か別のおかずを足そうと思って商店街を見ていたら、鰤が安く売られてたので、一緒に塩焼きにしようかなって。
【マジでバランスを考えるし、安い食材を活用しに行くしで……これで高校二年生ってマ?】
【天空ひかり:これがマジでございます☆ いやほんと、みたまちゃんって能力高いからね。家事を任せるとパーフェクトになります】
【魔乃闇リリス:同棲などをした場合もすごいことになりそうじゃな……】
【春風たつな:うんまあ、本当にプロポーズしたくなるくらいのいい娘だよね、みたまちゃん】
【それは本当にそう】
【神薙いなり:なんか一応ママなうち以上にママじゃねぇですかねこれ。いや、家事能力はうち、そこそこですが】
【もともとみたまママとか言って脳焼かれてる奴いるし……ツンデレちゃんって言うんですけど】
【あれはもう、ね。人としてちょっと……】
「じゃあ、早速作っちゃうね! キッチン、お借りします!」
「どーぞどーぞ! あ、ちょっち散らかってたらメンゴ!」
「ううん、全然大丈夫! どこかのひたすらにお部屋を汚くする方々に比べれば、全然綺麗だよ! むしろ、そんなに散らかってる感じもないし!」
いくまおねぇたまのお家のキッチンは前二人に比べるとはるかに綺麗でした。
というより、あの二人と比べるのもおこがましいというか……。
【魔乃闇リリス:言われておるぞ、うさぎといるか】
【その二名いないんですがそれは】
【みたまちゃん、生活がだらしない人相手はほんと容赦ないよね……】
【心に来そう】
【天空ひかり:実際問題、社会人じゃない高校生にお説教されたら、そりゃ心に刺さるよねって話よ】
【夜久嬢かざり:本当に来ますわね……わたくしも気を付けなければなりませんわね】
【そういや四期生の部屋ってどんな感じなんだろうね】
【さぁなぁ……】
【少なくとも、いなりママはなんか汚そう】
【新人君は結構綺麗そう】
【メイドとお嬢は………わからぬ】
「じゃあ、ぱぱっと作って、お昼にしよ! えーと、材料材料……って、あ、いくまおねぇたま。冷凍庫に大量に入ってるこの箱って?」
「それお弁当。栄養士がガチ監修してる奴で、栄養バランスばっちり! 味も美味しい! って評判の奴! ほら、ウチってばVでプログラマーじゃん? だから、食事がおろそかになりそうになるから、その防止って意味で月契約してんよ」
「なるほど! すごくいいことだね! うんうん、仮にお料理ができなかったとしても、そういうのさえ食べてれば、わたしもとやかく言うことはないんだけどね」
「やー、あの二人はちょっちやべーから」
「うん。それはもう、身に染みてます」
二人の家事サービスの時に嫌というほどにね……。
ついでに、ちょっと前にやったお説教配信でも。
【あれはほんとにね】
【いくまっちってその辺マジでしっかりしてんのなぁ】
【お嬢様だから、てっきり生活力がないのかと思えば、普通に部屋綺麗だし、家事も出きるっぽいんだよなぁ……】
【その辺どうなん? いくまっち】
「ウチの生活スキル? んー、まー、人並程度? 料理は簡単な物しかできないし、洗濯も普通。掃除も普通って感じだし。ってゆーか、一人暮らしするんなら、それくらいのスキルは必須っしょ」
【天空ひかり:私もちょい前までマジで何もできなかっただけになんも言えねぇ……!】
【春風たつな:そう言えば君、普通にスキル低かったね】
【魔乃闇リリス:ほぼみたまがやっておったらしいからのう……】
【シスコンェ……】
【いや、この場合はみたまちゃんが自発的にやってると見た】
【わかる】
「うんうん、そうだね。高校生で一人暮らしをしてたわたしでもできたんだから、できてもおかしくないよね」
「みたまっちの煽り性能高くない? いや、これ煽り性能ってより、言葉のナイフ的な意味で?」
「ふぇ?」
【ぐはぁぁ!】
【ヤメロみたまちゃん。その言葉は俺に効く】
【……アラサーのおっさんが家事苦手ですんません……】
【安心しろ俺はアラフォーだが、マジで家事は苦手だし、後回しにしがちだ……いややっぱすっげえ心に刺さるゥゥァァ!!】
【い、忙しいから! 忙しいからまとめてやるようにしてるだけなのぉぉぉぉぉ!】
【これは酷い】
【春風たつな:家事ができてよかった……】
【魔乃闇リリス:じゃなぁ……】
【雪ふゆり:私も問題はないですねぇ~】
【こいつが問題ないの納得いかねぇ!】
「おー、みたまっちの口撃がすごい火力してるぞ」
「えーっと……?」
「あ、気にしないでー。みたまっち、ウチお腹すいちゃったから、なるはや! ……って、ウチはやってもらってる側だし、そう言うのよくないか。んー、ゆっくりでも問題なし!」
「あはは、大丈夫だよ。すぐに作れるから。待ってて」
「あーい!」
【怒らないみたまちゃんもいいけど、すぐに訂正するいくまっちもいいと思います】
【ほんまそれ】
【らいばーほーむには聖人しかいないのか?】
【邪神と変態とおぎゃリストはいるぞ】
【草】
【聖人とは真逆みてぇなのしかいなくて草】
【人外魔境なんだよなぁ……】
というわけで、お料理開始。
とは言っても、今日作るものの中にそんなに難しい物はないんだよね。
とりあえずは、ささっと鰤の切り身にお塩を振って臭み取り。
その間にお味噌汁とほうれん草のおひたしを。
あ、お味噌汁の具材は、なめことお豆腐です。
出汁を取って、お湯を沸かしている間に、レバニラ炒めの準備。
先にニラを食べやすい大きさに切って、ボウルへ。
それが終わったら、今度はレバーの塊も同じように食べやすい大きさにカット。
そしたら、ざるに入れて水が透明になるまで、何度か水を変えて血を洗い流す。
それが終わったら、水気をしっかりふき取る。
これだけで臭みもかなり減るけど、折角だしもうひと手間。
冷蔵庫から牛乳を取り出して、ちょうどいいサイズのボウルの中にレバーを入れて、そこにレバーが浸るくらいの牛乳を入れる。
これで下処理はおっけーです。
「みたまっち、マジ手際いいわ」
【わかる】
【手元の映像も見えるけど、マジで手際がいい】
【っていうか、全部並行して作ってるのがすごい】
【ここまでくると、マジでお母さんなんよ】
【そう言えば、なんでレバーを牛乳に?】
「みたまっちー、レバーを牛乳に漬けるのはなんで? ってコメ来てるよー」
「えっと、牛乳に漬けてるのは、単純にレバーの臭みを取るためです。レバーの臭みを牛乳が吸着する、みたいな感じかな? あと、塩と酢で揉んだり、お酒に漬けるのもありだね」
【なるほど】
【色々知ってんなぁ……】
【料理好きな人って、いろんなところから知識を吸収するよね。みたまちゃんもそのタイプだろうし】
「レパートリーが増えるのも嬉しいし、こういう知識はあるに越したことはないからね~。ちなみに、今の下処理の方法とかはネットで知りました」
「やっぱ色々あるん?」
「うん。昔はレシピ本なんかも買ってたけど、今はネットで気軽に調べられるのがいいよね」
お料理のレシピを投稿できるサイトやアプリなんかは、よく使ってます。
実はたまーに僕もレシピを上げてたりするけど、恥ずかしいのそれについては言う気はないです。
「なる。……んで、みたまっち。今は何してるとこ?」
「んーと、鰤とレバーの臭みが抜けるのを待ってるところ。お味噌汁はちゃんと昆布で出汁取ってるから、もうちょっと。おひたしはもうできるかな」
ほうれん草のおひたしはすぐに作れるから好きです。
あと、ほうれん草美味しいし。
【普通にバランスはいい方なんだよな……】
【魚に肉と野菜、全部とれるわけだし……】
【マジでいいお嫁さんになれるし、なってほしい……!】
【こんな可愛くて料理が上手なお嫁さんがいたら幸せなんだろうなぁ】
「いや、マジそれ。もうほんと、ウチみたまっちと結婚したいわー……」
「そう言ってくれるのは嬉しいけど、きっとわたしよりもいい人が見つかるよ」
「ねね、知ってる? みたまっち」
「ふぇ?」
「自分よりいい人見つかるよ! って言われた人ほど、マジで見つからないもんなんよ」
「え、そ、そうなの!?」
【それはガチでそう】
【お前いい奴なんだから、いい人見つかるよ、って言われても、出会いが無けりゃどうしようもないし、そもそもそう言われるってこと=ギリギリ恋愛対象として見れないってことだもんなぁ……】
【ぐはっ!】
【所謂いい人止まりって奴か……】
【これは酷い】
「そそ。でね、みたまっち。いい人が見つかるって言われる人ってね、言ってしまえばいい人止まりで終わることが多いんよ。ってゆーことは、恋愛対象としては見れてないぜ、って言うようなもんなの」
「そ、そうなの?」
「うん。ほら、いい人、ってだけじゃ恋愛対象として見るには一歩足りない、みたいな。そんな感じ。恋愛対象として見られるには、いい人もそうだけど、そこに+αで魅力を感じさせるような物がないわけでね」
「な、なるほど……」
「例えば、身だしなみを気を付ける+相手がいいなと思えるような……そうだねー、ウチが知ってるのだと、香水なんかを爪の間とか、くるぶしにつけるといい、みたいな」
「それはなんで?」
「例えばハンカチなんかを渡す時って、手渡しじゃん? その際にちょっぴりいい匂いがするわけ。で、くるぶしの方は、例えば靴紐がほどけて結ぼうとした時に、やっぱりいい匂いがする。つまり、自分のために気を遣ってくれてる、って思うわけね。あ、これ、男性がやることね」
「なるほど……」
たしかに、それはちょっといいなぁ、って思っちゃうかも。
「ようは、こういったことをしなきゃいい人止まりになっちゃう、ってわけ。まあ、他にも色々行動は必要だけど」
「ふむふむ……なんか、すごく勉強になりました」
【いやマジでそれ】
【な、なるほど、そう言う方法が……】
【たしかに、そう言う気づかいがあると嬉しいのはあるかなぁ】
【わかる】
【春風たつな:なんか、恋愛相談はいくま君にしたほうが一番いいような気がして来たね……】
【それはマジでそう】
【神薙いなり:さすが数多の女性を口説き落とした人ですねぇ】
【↑間違ってねぇけどそれなんか違う!】
【ギャルゲなんだよなぁ……】
「ならよかった!」
「そう言えば、いくまおねぇたまって、好きな人とかできたことあるの?」
「…………いたよー」
「えっと、今の間は……?」
「ってか、みたまっち、話しながらでも手の淀みないねー。話しながらの調理慣れてるん?」
「え? あ、うん。前にアルバイトしてたことがあったからね。その時は調理とフロア両方やってたよ」
「なる。そう言う経験マジ大事だと思う」
「うん」
今、はぐらかされたけど……あんまり聞いて欲しくないことだったんだろうね。
うん、触れないでおこう。
【露骨に逸らしたな……】
【まあ、いくまっち的にあんまし触れてほしくない話題なんでしょ】
【そう言うのは触れないに限る】
【そうそう。もしかしたら、トラウマかもだし】
【春風たつな:毎回思うんだが、うちのファンは民度がいいよね】
【天空ひかり:いいことだね☆】
【弩めい:大変素晴らしいことかと】
【場所によっては地獄のような民度だしねぇ……】
【それはマジでそう。アイドル売りしてるとこはマジヤベーって感じ】
【らいばーほーむの場合はライバーが抑止力になってるからね! 仕方ないね!】
【主にみたま警察がな】
【自浄作用が強いわー……】
マジで何が地雷になるかわからねぇぞ、このギャル。
あと、クッソどうでもいいことですが、なんかみたま×いくまの掛け合いは結構楽に書けます。他のキャラだと難しいんだけどなぁ、いくま。まあ、普通にいい大人だからかねぇ。




