11ダークエルフ爆誕
宿に帰った。
双星「ただいま。」
メイド「お帰りなさい!あの、今日初めて試合見たんです・・が・・え、怪我だらけじゃないですか!」
メイド「手も触れず勝ったように見えたんですが・・裏で凄まじい攻防があったんですね!」
いえありませんでした。勝者は蜂です。
双星「これはヒミカさんにやられたもので、試合とはまったく関係ないですはい。」
メイド「・・?なんで試合とは関係ないところで怪我しているんですか?」
双星「・・俺もわかんない。知らないところで恨まれてるのかなぁ・・」
メイド「活躍してるからとか?いい人でも目立つと絡まれたりするそうですよ。」
まぁ目立ってはいるのかな・・?
がちゃ。
?「失礼する。」
いきなり部屋に入って来たのは・・ダークエルフの綺麗なお姉さん!
きつそうな表情、豊満な身体。これはもう歩くわいせつ物だな(錯乱中)
双星「どちら様ですか?」
ダークエルフ「あんたに仕えることにしたから。まぁ当分厄介になる。」
そう言って椅子に腰かけた。
双星「・・はい?」
ダークエルフ「にしても、見てたが結構な”シゴキ”だったな。」
双星「俺がボコボコにされてたやつ?」
ダークエルフ「ああ。ここ最近あんたのことは調べさせてもらってたからね。」
ダークエルフ「頭の固い軍人ってのは嫌だねぇ。でもあれは・・Sに見えて実はMだと思うよ。」
双星「マジで!?」
俺はここ最近で一番の食いつきをした。
ダークエルフ「間違いないね。調教したらびっくりするほど男の嗜虐心を煽る子になるよ。」
双星「メモメモ。」
メイド「役に立つんですか?」
双星「間違いなく役に立つ(確信)」
メイド「・・ところで、いきなり押しかけて失礼だとは思わないんですか?」
あれ、最近いきなり押しかけて来た子がいたような・・
ダークエルフ「迷惑にならないようするよ。なにかしてほしいことがあればするしさ。」
双星「例えば?」
ダークエルフ「そうだねぇ・・夜のお相手とか?」
双星「マジ!?」
俺はここ最近で一番の食いつきをした。なのでさっきのは二番に降格。
メイド「ダメですダメです!双星様、このダークエルフは悪いことを考えているに違いありません!」
ダークエルフ「おいおい、私がなにをしたと言うんだ?」
ダークエルフ「男に対して身体を委ねるのは、悪いことじゃないだろう?彼は独身だ、気兼ねする相手もいない。」
メイド「ダメったらダメです!例え裁判官が許しても私が許しません!」
ダークエルフ「決めるのはメイドのあんたじゃない。そうでしょう?」
ダークエルフさんが俺を見て笑った。
双星「まぁとりあえずさ、なんで俺に仕えようとしてるのか教えて欲しいかな。」
ダークエルフ「あなたが私の主を助けた。だからかしら。」
双星「???」
ダークエルフ「前の主はブラストと言ってね、この街じゃ悪徳高利貸しとして有名だった。」
双星「・・あ、あの太ったおばさん!?」
何件も病院探して大変だったあの!合計110万使って治療までこぎつけたけど、後で行ったら関係者が引き取ったってあの!
ダークエルフ「そ。そのおばさん。嫌われ者だったのって知ってるだろう?」
双星「う、うん。病院断られまくったときに聞いた。」
ダークエルフ「ブラスト様はこう言ったわ”昔、戦争で負けたとき、私の両親が政治家だったせいで私はみんなから迫害を受けた”」
ダークエルフ「”両親は敵国に殺され、10歳だった私は食べるのにも困るほどだった”」
ダークエルフ「”誰も助けてくれなかった・・国を裏切り敵国に情報を与えていたやつらは政治家となり、私を迫害したやつらものうのうと暮らしている”」
ダークエルフ「”私がこの国を変えなくては・・”」
ダークエルフ「そしてブラスト様は、数十年かけて敵国を追い出し王政に戻し、政治にも口出しして国内の発展に尽くしてきた。この大会もブラスト様の肝いりだ。」
はーそうだったんだ。
ダークエルフ「金貸し業はただの復讐だ。あの方が悪徳高利をするのは、戦争当時ブラスト様を迫害した者たちの年代以上だけだ。」
ダークエルフ「若い者には利子を無くしたり、国に仕事を紹介するよう働きかけたりもしていた。」
ダークエルフ「あなたが聞いていたのはブラスト様の一部だ・・もうブラスト様は稼ぐ必要がないくらい金を持っていたからな。」
双星「・・」
ダークエルフ「あの方はずっと苦しんでおられた。国を建て直しても、悪徳高利をしても、心が癒されることはなかったとおっしゃっていた。」
ダークエルフ「だが・・自分のために見ず知らずの人が何軒も病院を回り、法外な治療費も払ってくれた。」
ダークエルフ「それでようやく気付いたそうだ。ブラスト様は・・子供の頃から今までずっと助けを求めていたと。」
ダークエルフ「敵国から自国を救っても、金持ちになっても、変わることなく自分を助けてもらいたかったのだ。」
ダークエルフ「あなたのおかげで少し心が癒されたと言っていた。」
双星「少しなんだ。」
ダークエルフ「そんな簡単に癒えるようなものではない・・もしかしたら一生無くならないものなのかもな・・」
ダークエルフ「だがおかげで安らかに逝くことができると、感謝しておられた。」
そうだったんだ。
ダークエルフ「私は・・エルフの里で生まれた。エルフとダークエルフのハーフだ。」
ダークエルフ「エルフの里に私の居場所はなく、ダークエルフの里も私を受け入れてくれなかった。」
ダークエルフ「色んな種族が住む人間の里へも行ったが、奇異の目でしか見られなかったよ。」
ダークエルフ「いるだけで不吉と言われ、どこにも居場所はなく、行き倒れになった私をブラスト様は助けてくださった。」
ダークエルフ「あの方は生きるのに不自由ないよう世話してくださった。働き口も紹介してくださったが・・私はブラスト様のもとでブラスト様を助けたかった。」
ダークエルフ「そんな私の申し出も快く受け入れてくださった。」
ダークエルフ「ブラスト様こそ私の知る限り、もっとも素晴らしいお方だ。あのお方のためなら私はなんでもして来た。」
ダークエルフ「・・そのブラスト様も亡くなった。どうしようかと思ったが、ふとあなたのことが気になってな。」
双星「俺?」
ダークエルフ「私ではブラスト様を救えなかった。救ったのは・・あなただけ。どんな人物かと思ってな・・もしかしたら、ブラスト様を超える人物なのかも・・と。」
双星「えへへ。」
ダークエルフ「調べてみたらただのお人好しで、なぜか強運で大会に勝ち上がっていて、部屋にはメイドがいる。」
ダークエルフ「もう少し統一感があってもいいんじゃないかと思うが。どうだ?」
双星「そう言われても・・んでそこにダークエルフさんが加わるの?」
ダークエルフ「なんでもする・・ふふ、ダークエルフは珍しいぞ。今ならあなたの意のまま従おう。戦場だろうとベッドの中だろうと。」
おお!・・おっと、メイドさんがまた怒り出しそうだ。
メイドさんの方をちらっとみると・・号泣していた。
メイド「うっ、ひっく、ダークエルフさん・・苦労なさったんですね・・」
メイド「私なんて・・ひっぐ、住むところと食べるものがあっただけでも幸せだったんですね・・あうー、涙が止まりませんー」
双星「・・あれ、ここで泣かない俺は心の冷たい人!?」
ダークエルフ「あなたはただのお人好しだ。」
そうなの?
双星「まぁ・・大体事情はわかったけどさ、俺そんな仕えてよかったと思えるような人じゃないよ?」
ダークエルフ「別に構わんさ・・ああ、話し込んでしまったな。だいぶ日も落ちた。」
メイド「なら・・ぐすん、夕ご飯の用意しますね!」
その後、泣き顔のまま宿の厨房を借りにメイドさんが行くと、宿の客たちが俺がなにひどいことしたのかと問い詰めに来た・・完全なる誤解。
・・・・
夕ご飯が終わり、寝る時間に。
さて・・ベッドがひとつ、布団がひとつ・・寝る場所は2箇所しかない。
突然すぎて忘れてた・・宿の人に聞いたけど、布団や毛布は全部貸し出ししちゃったそうだ。
メイド「ダークエルフさんが布団で、私と双星様がベッドで寝ます。」
おおお女の子と一緒!?
昨日は突然のことでなにもできなかったが・・あれ、俺の子孫できちゃう?
ダークエルフ「ご主人様ぁ、一緒に朝まで気持ちいいことしましょ♪」
コクコクコクコクコクコク。俺は何度も頷いた。
ダークエルフさんエロいぃぃぃ!
メイド「いけません!新人は布団へ。」
双星「あーじゃあ俺が布団で寝るから、二人がベッドで寝れば・・」
メイド「・・」
ダークエルフ「・・」
双星「あれ?」
なぜか二人がかりでベッドへ放り投げられた。
メイド「さー寝ましょうか。」
メイドさんがベッドに入った俺の右腕に抱きついてくる。
ダークエルフ「いい夢を。」
ダークエルフさんが俺の左腕に抱きついてくる。
え?ちょっと甘くていい香りがするんですが。
え?え?え?
なにこの状況・・俺はここ数日で一生分の運を使い切るペースなんだけど。
あれか?幸福の前借り。
いや待てよ、両手ふさがれて何もできないことを考えると、生殺し過ぎて地獄かも。
・・普通に寝よう。
目を閉じると、俺の心臓がバクバク言ってるのがはっきり聞こえていた。
・・
・・・・
次の日の朝・・目が覚めたけど・・
体中が・・昨日ヒミカさんにボコボコにされたところが痛いぃぃぃぃぃ。
ダークエルフ「腫れてるわね。」
体のところどころが赤くなっていた。
双星「明日試合なのに・・」
メイド「今日はゆっくり休んでください。」
ダークエルフ「添い寝くらいしかできないけど。」
メイド「ダメです。こういうときは治療と食事以外なにもしないのが一番いいんです。」
ダークエルフ「あなた医者なの?」
メイド「怪我くらいしたことありますから。実体験です。」
ダークエルフ「そう、わかった。」
そう言ってダークエルフさんは、俺の寝ているベッドに入って来た。
メイド「構えよし!」
モップの一撃がダークエルフさんにクリーンヒットした。
・・
・・・・




