104説得
中に入ることが目的ではない。
ここからが始まりなのだ。
働くことのすばらしさをどうやって伝えたらいいだろうか。
正直長いこと旅ばかりして、29になってようやく定職についた身としては、俺の話をしても説得力など皆無だろう。
息子「・・女子高生に一目惚れされてハッピーエンド・・」
ん?・・あ、まだエロネタ続いてるの?
双星「じゃあ、どうすれば女子高生と結婚できるかについて話そうか。」
息子「金持ちなら余裕だろ!」
双星「いや実際のところ、金持ちって社会的地位があって、女子高生と結婚すると色々言われて地位が危うくなるんだよ。」
双星「会社経営とかしてるとむしろ金持ちであることすら危うくなる。下手すりゃ会社の評判が下がって人生の破綻一直線だ。」
息子「マジ?なら・・女子高生とは結婚できないのか!?世界に希望はないのか!?」
たぶん部屋の外でお母さんが絶望していると思うよ。
双星「女子高生が結婚に同意してくれること、ご両親が結婚に同意してくれること。最低限この2点を満たす必要がある。」
息子「金以外に方法があるのか・・?」
双星「大事なのは”名目”だ。なぜ女子高生と結婚するのか?みんなが納得する理由。それが”名目”」
息子「いやでもさ、30のおっさんと女子高生が結婚する理由なんてないだろ。」
双星「まずは、出会わないといけないな。」
息子「こ、声をかけただけで捕まらないか?」
捕まる。
双星「自然な出会いを演出するんだ。例えば、女子高生が困っているのを助ける・・とかな。」
息子「金に困ってる女子高生とか?・・援交?」
双星「その出会いは”みんなが納得する理由”にはならない。正しい名目が必要なんだ。」
息子「金以外に困っている女子高生なんかいねーよ!」
双星「ちょっと非現実的なところで言うと、悪い人に絡まれている、自転車が壊れて立ち往生、転んだなど。」
息子「非現実すぎるわ!タイミングよく出くわしたりしねーよ!」
俺もそう思う。
双星「ではこれはどうだろう?突然雨が降ったけど傘を持っていない女子高生。梅雨や冬は天気が変わりやすく、帰宅時間を考えればある程度狙いやすいよ。」
息子「つまり傘をあげる代わりに身体を・・」
双星「いや渡すだけ渡すだけ。雨に濡れているのを心配して、傘を強引に押し付け、返さなくていいよと言って去る。」
息子「去ったらダメじゃん。次がない。」
双星「これは確率の問題だよ。もし100人に1人の確率で、次会ったときにお礼を言ってくれる女子高生がいたとしたら?」
息子「・・いたとしたら・・?」
双星「ここで紳士回路発動だ。困っている人を助けるのは大人の務め。いつでも大人を頼っていいんだよとだけ言うわけさ。」
息子「それで次につながるんか?結婚できるのか?」
双星「これも確率の問題だよ。もし100人に1人の確率で、例えば親が不仲だとか、ほしいものがあるとか、文化祭でお店やるけど売れなかったらどうしようとか言ってきたら・・」
息子「どうすんだよ。」
双星「もちろん紳士に対応する。うまくいくいかないは別だ。」
うまくいくまでチャレンジだ。なにせ、毎年新女子高生が登場するから。未チャレンジの女子高生がいなくなることはない。
双星「親が不仲なら、その女子高生には親を愛してあげるように言う。愛とは欲しがるけど与えたがらないもの。まずは誰かが愛を与えなければならない。」
双星「ほしいものがあるなら、その女子高生をアルバイトで雇ってあげるんだ。決してプレゼントしてはダメ、邪な気持ちだと思われる。」
息子「オレが雇うの?いや無理無理無理!」
双星「ほしいものがあるだけだから、短期でいいんだよ。それこそ草むしりとか畑に水をあげるとかペットの散歩とか。」
双星「そうやって、一緒にいる時間を確保しつつ、正当なお金を渡して親密度を上げていくんだ。」
息子「なんかゲームみたいだな。」
ゲームは現実の模倣だからな。妄想が加わるから非現実的な要素も多いけど。
双星「文化祭の売上を気にしているなら、直接行って貢献しまくれ。ただし、他の店のものも買って、楽しんでいる感じを演出した方がいい。」
双星「下手するとストーカー認定されるから。」
息子「超危険なミッションだな・・まず入場するだけでも大変そうだ。」
双星「飲食店なら普通に高いもの、もしくは店の利益の大きいものを聞いて注文。フリマなら終わりごろに行って、残ったものを全部買い取ってやれ。」
息子「結構金かかるんじゃねーか?」
来た!
双星「ああ。そのためにも働いておく必要がある。これは重要なファクター(要素)だ。」
双星「女子高生といい感じになっても、ご両親が許さない場合がある。」
息子「まーそうだろうな。女子高生の相手がおっさんとか、オレが親なら断固拒否する。」
双星「まずご両親に知られた段階で、女子高生との関係に不実があってはいけない。」
双星「困っているのを助けただけ。相談されたから対応しただけ。その結果・・偶然愛が芽生えました。という状況にしておく。」
双星「口説いたり、プレゼント贈ったり、私的な場所で二人きりになったり、身体に触れようとしたり・・というのはそれまで避けておく。」
息子「え、ダメなの?」
双星「誠実であり、紳士であり、あと”ついで”に働いて収入があります・・だから、娘さんを幸せにできます。と言えるわけ。」
双星「すると向こうのご両親が反論するネタは、歳の差だけとなる。そこは愛があるからで説得できる。」
双星「反論するネタが尽きたご両親を説得するのはそう難しくない。誠実に時間をかければいいだけだ。」
息子「それで結婚できるんだな!?」
双星「時間もかかる。手間もかかる。時には我慢も必要になる。だが男の夢だ。チャレンジ・・してみるか?」
息子「おうよ!一世一代の大勝負!賭けてみるぜ!!!」
ドアの向こうでお母さんが泣いているかもしれないけどな。
双星「さて、ある程度特定の時期に自由が利く方がいい。とはいえ休みすぎても収入に不安が残るだろう。」
双星「そこでお勧めなのが軍のお仕事。」
息子「軍~?危険で野蛮な仕事じゃねーのお?」
俺もそう思っていた。だが!
双星「俺さ、軍の馬を飼育する仕事してるんだけど、全然危険でも野蛮でもないし、仕事は安定してるんだ。」
双星「女子高生と出会うために、最初は傘持って女子高生待ちだろ?学校帰りを狙うなら平日自由な方がいい。」
双星「馬の飼育は年中無休。平日休みにしてもらって、休日仕事に出ればチャンスは多くなる!休日仕事に出たいとか喜ばれるよ。」
双星「・・と、このように、軍のお仕事にも色々あるから!」
息子「ん~でもなあ~働くのかあ~」
なんか・・仕事の話になったら途端に乗り気じゃなくなったな。
説得って難しい。
双星「そちらの要望とかある?」
息子「女子高生が職場にいたら最高だな。」
学校や塾の先生かな?でもこいつがなったら即逮捕されそう。
双星「女子高生じゃないけど、俺のところはヒミカさん(20歳)が上司だけど。」
息子「ひ、ヒミカ様!?え、ちょ、もしかしてヒミカ様と話したこととかあんの?」
双星「そりゃヒミカさんは上司だからね。」
息子「マジかうらやましいなあ。ヒミカ様が軍に来いって勧誘してくれたら行くんだけどなあ。」
双星「はぁ・・」
息子「オレさ、軍大学出てるんよ。」
あ、すごい。
息子「でもあの頃の軍って超男社会でさ。マジ行きたくなかったわけ。」
息子「それがヒミカ様が新星の如く現れて、あっという間に飛び級で卒業するわ、軍に入ったら出世しまくるわで、女の採用が見直されたわけよ。」
・・そういやヒミカさんってまだ20歳なんだよなぁ・・
それでいて軍の総司令任されたりするとか、もしかしてヒミカさんって超すごい人?
息子「まだ女性兵士まではいってないけど、色んな分野で女が軍に入るようになってさ。なんでオレのときはそうじゃなかったんだって思って・・」
息子「働くって、なんだろうな・・」
双星「働いてみればわかるかもよ。」
俺はまだわかりませんが。
そうだ、ヒミカさん手伝ってくれるって言ってた!
手伝ってもらおうじゃないか。
双星「じゃあヒミカさん呼んでくる。ヒミカさんが勧誘したら、大人しくケツ振れよ。」
息子「お、おう。」
なんかエロワードが強制的に出てきている気がするのは・・気のせい?
・・
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