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悪魔の問題、解決します!  作者: ぶたたけ
没 執筆速度の関係で下記の3章分を没にします。続きを期待されていた方は申し訳ありません。
9/16

没 異世界問題、解決します!初めての戦闘編

前書きようやく旅は始まった、と思ったらいきなり戦闘が始まった!

相手はオーク、僕は丸腰。

絶体絶命のピンチ!

しかしてその運命は⁉

かくして僕らの冒険が始まったのだが……


「で、まずどうすればいいの?」


魔王を倒して来いとしか聞かなかったから、道中の道筋が分からない。


「東南の方角に街がある。そこでイベントが起こる筈だ」

「じゃあまずはそこを目指すか」


ゲームシステムと

僕は東南の方角に向けて歩き始める。


「待て、ハザマ」

「ん、なに?」


アンドロマリウスに呼び止められると、何処からか気を急かすようなBGMが流れ出す。

聞き覚えのある感覚、確か戦闘の時の音楽ってこんな感じじゃないだろうか。

僕は長年の経験から来る予感から、すぐそばにいるはずの敵を探した。

敵はすぐ見つかった。

僕の前方数mの所にイノシシに似た二足歩行の魔物が立っていた。

オークだ。

さっきまで居なかった筈なのに。


「何時の間に魔物が⁉」


僕は思わず声を上げる。

するとさも当然と言う顔でアンドマリウスが僕に語りかける。


「このゲームはランダムエンカウント方式なのだそうだ」

「体験型ゲームなのに?」

「敵のグラフィックを作り込むのが面倒くさいと言っていた」


面倒くさがるなよと呆れつつも、敵が僕らに突進してきている。

ここは戦闘に集中せねば。

気を引き締める。


「マリー、武器はどうすれば装備できる?」

「そのことだが、戦闘中は装備出来ないぞ」

「はぁ⁉」

「馬車であらかじめ武器を装備しておかなければ戦闘中は使えない」

「じゃあどうやってあいつら倒すんだよ!」

「私に任せてもらおう」


ふわりとアンドマリウスが宙に浮かぶ。

体を大きく反り返えらせ、スッと息を吸い込むと彼は地を裂く矢のように鋭く敵の懐に切り込む。

オーク達は瞬く間もなく現れたアンドマリウスに反応できず、動く事も出来ない。

彼は爪を刃のように尖らせオークの胸を正確に突き刺す。


「ピギィィィィィィ‼」


オークの豚にも似た断絶魔が響き渡る。

胸からは血が噴出しアンドマリウスの顔を汚してゆく。

しかし彼の血に濡れた顔は何一つ変わることはない。

オークの胸からゆっくり腕が引き抜かれる。

彼の手の中では湯気だった心臓が脈打っている。


「ピギャッ⁉ピギッ⁉」


自身の心臓を見たオークが自身の心臓を取り戻そうと藻掻く。


「幻よ、幻に還るがいい」


アンドロマリウスがオークに告げると、一気に心臓を握り潰した。

オークは鳴き声を上げることなく膝を付き、地に倒れた。


「終わったぞ、ハザマ」


アンドマリウスが何事もなかったかのように、オークの死体を引きずって戻ってくる。

生臭さと鉄臭さとアンモニア臭の混ざった、生暖かい臭気が僕の鼻に這いずり込む。

命が消えた事実とその匂いに、胃から内容物が込み上げる。

我慢出来ずに僕は思わず吐いてしまった。


「気分を悪くしたか?」

「ごめん、御願いだから距離置いて」

「わかった」


アンドロマリウスは死体を引きずって、いそいそと僕から離れた。

3mほど距離を置いて、やっと落ち着いて息ができるようになった。



「戦闘があんなにグロいとは思わなかった」


ゲームだからライフゲージ的なものが減って、ゼロになったら消えるもんだと思ってたのだが。

何で変なトコだけリアルなんだ!


もう当分肉食いたくない。

戦闘もしたくない。

あと臭いからあいつの側に居たくない。


「アンドロマリウス!」


僕はあいつに向かって叫んだ。

 

「何だ?」

「これからは戦闘は禁止!あと体洗うまでは僕に絶対近づくなよ‼」

「戦闘しなければ経験値は溜まらんぞ」

「あんな惨劇毎回見せられたら、経験値が溜まる前に精神疲労で死ぬわ!」

「君が嫌なのなら従うが」

「よし、取り敢えず最初の街にいこう。モンスターに会ったら徹底回避だからな!」

「了解した」


僕は馬を引き連れ歩き出す。

アンドロマリウスも距離を保ったまま移動を始める。

手には死体を持ったままだ。


「何で死体持ってるんだよ」

「道中でつまもうと思ってな」

「今すぐ捨てろ」

「顔だけなら良いか?」

「顔は絶対ダメだ」

「では内蔵は?」

「余計駄目だ」

「豚足ならどうだ」

「駄目!そもそもお前は飯食う必要無いだろ⁉」

「糧は要らぬが、飯は食べたい」


アンドロマリウスは項垂れて死体を見て寂しそうにしている。

口からはヨダレがポタポタとこぼれ落ちている。

お預け食らっている犬だ。


「ほら、そんなの置いて行くぞ」

「ヴゥー」


不満そうに低く喉を鳴らす。

本格的に野犬になっている。

しょうがない。


「豚足一本だけだぞ」

「解った」


アンドロマリウスは嬉々として豚足を引きちぎり、肉に噛み付く。

……また気持ち悪くなって来た。


吐き気を我慢しつつ、僕らは東南を目指し歩んだ。









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