↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ふたりでなら、どこまでも  作者: 千子


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
16/24

第16話 お付き合い

そのままの帰り道。

僕は片桐さんに公園に寄ってくれないかとお願いした。

自転車から降りて、松葉杖をついて片桐さんに向き合った。

心が凪いでいた。

うん。今なら言える。

「好きです、片桐さん。僕と付き合ってくれませんか?」

片桐さんは静かに頷いた。

「はい、喜んで」

その言葉に僕の方が泣き出した。

「良かった〜!」

「な、泣かないでください。立花先輩。先輩が泣いていたら私もなんか……」

そう言うと、片桐さんの綺麗な瞳から涙が溢れてきた。

「わ!泣かないでよ!片桐さん!」

「泣いているのは立花先輩じゃないですか」

そうして二人して泣きあって、今日は並んで帰りたいという僕の要望で片桐さんが自転車を押して歩く横で僕は松葉杖をついてまだ少し赤い片桐さんを見ている。

「なんですか?先輩」

「うん?可愛いなって思って」

微笑んだ僕を見て、また茹蛸状態。

やっぱり可愛いなぁ、片桐さん。

「他の人にそういうこと言わないでくださいよ」

「うん。片桐さん専用だよ」

とうとう自転車のハンドルを握ったまま崩れ落ちた。

「大丈夫?」

「大丈夫じゃないです」

「えー!片桐さんの方が大胆な時があるのに!?」

「それは……それです」

良かった、頑張って告白して。

にこにこ顔の僕と、照れている片桐さん。

普段クールって言われている片桐さんがこんなに慌てるのは僕といる時だけ。

そう考えると、隣の存在がとても愛おしい。

「可愛いね、片桐さん」

もう一度言うと、片桐さんは僕を見て真っ直ぐに言った。

「可愛くて格好いいのは立花先輩ですけどね」

「可愛いは不本意だって。格好は……いいかなぁ?」

不意に自信がなくなる。

片桐さんはきっとどんな僕でも僕なら好きでいてくれるだろうと思ったのに、いざ可愛いとか格好いいとか言われるとしっくりこない。

僕は片桐さんに似合う格好いい男になりたかったはずなのに。

「なら、立花先輩らしい、ですね」

そう言って笑うから、やっぱり片桐さんって可愛いなぁって思ってしまう。

「ねえ、片桐さん」

僕もしゃがんで目と目を合わせてちゃんと気持ちを伝える。

「今まで言えなかった分の大好きと、これからの大好きを伝えていくから、覚悟していて」

僕が笑うと、片桐さんも負けじと微笑む。

「それはこっちのセリフですよ。好きですよ、立花先輩」

やっぱり敵わないなぁ。

ふふふ、とお互いに笑い合って、告白して良かったなぁと噛み締める。

そうして帰路について僕は片桐さんを自宅まで送ると、僕も自分の家に帰った。

スマホを操作してメッセージを送る。

「今日はありがとう。これからもよろしくね」

すぐに返信は来た。

「こちらこそよろしくお願いします」

その日の晩ご飯。

「あなた、片桐さんのお嬢さんとお付き合いするようになった?」

「ええ!?なんで分かるの!?」

母から言い当てられて驚く。

「だってなんだかとっても幸せそうなんだもの。あーあ。こんなことならお赤飯炊いておけば良かったわね」

僕は首を横に振った。

「やめてよ、恥ずかしい」

「ふふふ。警察でお会いしたけれど、良さそうなお嬢さんじゃない」

「まぁね」

「あなたにはもったいない。振られないように気をつけなさいね」

「分かっているよ!そんなこと!」

プンスカ怒りながらご飯を食べ進めていく。

まったく、縁起でもない。

その日の晩は、お互い眠たくなるまでメッセージのやりとりをした。

また明日、会えるのが楽しみだなぁ。

その晩は幸せな夢を見た。

僕の足が完治して、二人で海に行ったんだ。

暑い日差し、海の波飛沫。

夏休みはもうすぐそこだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。