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カミングアウト!

「はい、これで緊急任務はクリアです。いやぁ、流石のカレンちゃんでもドラゴン3体はキツいかと思ってたけど……やっぱりS級はとにかく規格外なんですねぇ……」


「ホンットに。私も時々ドン引きさせられるよ」


 カレン達は任務を終えてギルドへと戻ってきており、今は任務終わりの祝勝会の傍ら、リーネが受付嬢に任務達成の報告をしていた。


「ああそうだ、アンタには一応言っといた方がいいか。……カレンが、漸く決心したんだよ」


「……へぇ。端から見ていた身としては、本当に漸くって感じですけどね」


「なんだ、アンタもチコ側のヤツかよ。私はまだもう少し外堀を埋めてからの方がいいと思うんだが……」


「……リーネさんって、やっぱりカレンちゃんに対して過保護なトコありますよね。カレンちゃん以外の人間相手なら、絶対さっさと告白しろって言いそう」


「……否定はしないよ。アンタも分かるだろ? アイツはとにかく危なっかしいんだから、私がちゃんと支えてやらないと……」


「……フフッ、ホントに保護者みたいですね。カレンちゃんが困った時はあなたに頼るのも分かります」


「やめてくれ。私じゃカレンにとってマティアスよりも上の存在にはなれないよ」


「上とか下とかじゃないでしょ、あなた達は。マティアスさんは恋人、リーネさんはお母さん。同じ家族でも、向ける感情は違う。でも、大切な存在なのは変わらない……リーネさんとマティアスさんは、横一線ってところですかね」


「……そんなモンなのかい。恋人云々ってのは、私にゃ縁遠いモノだからなぁ……」


「大人ぶってても、リーネさんはまだ子供ってコトですよ。人間は恋を経験するほど大きくなれるともいいますし」


「……道理で、私じゃカレンを上手く導けなかったわけだ。でも、せめてこれからはアイツのためになることをしていきたいな」


「大丈夫ですよ。リーネさんは、いつだってカレンちゃんのために行動してきたんですから」






「……………………」


「……やはり、今日の祝勝会は静かなものになってしまうな」


「うん。まぁリーダーにとっては一世一代の大勝負なんだから、ちゃんと気持ちを作らせてあげようよ」


 一方、こちらはカレン、ジェシー、チコが座るテーブル。

 ギルド本部の中には、食事を楽しむための大型の食堂も備え付けられている。

 今のカレン達のように食事をするのもよし。

 書類片手にこれからの任務への作戦会議をするもよし。

 ただ雑談に興じるもよし。


 要は、食堂としても使える冒険者達の共用スペースみたいなモノである。


 カレン達は毎回任務が終わった後に、ここで祝勝会をしているのだが……今日は随分と静かなものである。


「………………」


「……取り敢えず、カレンさんの気持ち作りを邪魔しないように静かに食べよう」


「うーん……でもリーダーの性格上、集中させすぎても逆に……おや?」


 その時、チコの視界の中にこちらに向かってまっすぐ走ってくる人影が写った。


「あれは見覚えのある顔……えーっと、確かアンナちゃんだったっけか……」


「アンナちゃん!?」


 アンナの姿が見えたというチコの言葉を聞き、カレンは咄嗟に前を向いてチコと同じ方向を向く。

 

「カレンさん! お久しぶりです!」


「アンナちゃん! 元気してた!? うん、元気そうだねっ!」


 アンナの姿を見た途端、それまで深刻そうな顔をしていたカレンの顔はパアッと明るくなり、2人はその再会を喜び合った。


「……でもアンナちゃん、どうして急にこんなところに? マティアスの弟子になったんじゃないの?」


「今日はお休みなんです。どうしてもカレンさんに伝えたい情報がありまして!」


「……何ソレ?」


「……もうとっくに、カレンさんとマティアスさんは両想いだってことです!」

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