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はじめに  作者: 師走
89/629

89

辛い

苦しい

それを跳ね除ける

力はない

ヌムヌム沈んで

目も垂れて

誰の助けも入れられぬ

艱難辛苦

綺麗な熟語で

着飾ってみたって

何が楽しい?

馬鹿らしい

ヘナチョコだ

全部全部

この世界のありとあらゆる物共が

こぞって頭の中を

綯い交ぜにしていく

不可抗力と

口に出しても

寂しさ以外に

感じられる言葉はなく

自分は最早手遅れなのだと

痛感している

上手くいかない

なのに、さして

下手ですらない

何のアクションも起こらない

成功して誇ることも許されず

失敗に言い訳して反発することもない

平和が怖い

どこかへ行って仕舞えばいい

争いは醜い

これも飛んでいけ

何も残らない悲しさ

怒り憎悪

マイナスの言葉をいくら募らせたって軽く聞こえる

それは発音ではない

渦巻く物体

死の根源

すなわち老化の原因

それこそ意識ではなかろうか

意識、意識

ああ、あいつは嫌だ

どうしてそこに座っている

お前のせいで変に頭を巡らせる

正解なんて

あるはずもないと

分かっているのに

それならば

不正解もなかろうと

考え込む

安易なクズ

気力が乏しい

体は鬱々としている

長い間

この岩の奥に閉じ込められてしまって

窮屈というよりも

むしろここは広々としているけれど

それが勿体ない

何でも良いから持ってこい

狂ってしまった

気違いだ

キリキリとどこか分からない場所が痛む

こんな目に遭っているのは自分だけなのだろうか

掃き溜めもない

唸ったって

脅かすような相手もいないし

ああ、自分が哀れだ

誰か助けてやってくれ

このちっぽけな奴を

手を

そっと伸ばしてやってくれ

誰かいないのか!

ここで真っ暗の中

体を震わせている人があるぞ

ああ、ああ、誰か!

いくら呼びかけたって反響すらしない

自分が自分ではないという知恵

無意味な暴力だ

上下左右が全く不明になって

どうしても抜け出せないでいる

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