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はじめに  作者: 師走
75/629

75

崖から石が転げ落ちていく

山の男はそれをみて悲しそうに微笑んだ

風が通り抜けていく

そのせいで村の赤子は泣き叫んだ

何かを響かせるような声がした

だからこそ私は立ち上がる

変だった

そう、その日は歪んでいた

夕闇がギラギラしていることくらい

変であった

おかしなことだ

川が流れていく

なのに、若い女は

どこからか拾って来た小枝を水面にずっと浸していた

昼間の流れ星は誰にも見つからぬ

だって少年はコンクリートの上で寝転んでいる

はらはらと

はらはらと

誰かが落ちていく音がする

ひたひたと

ひたひたと

それに呼応する彼らの胸中

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